近鉄南大阪線

きんてつみなみおおさかせん

近鉄の路線の一つ。ここでは吉野線、長野線、道明寺線、御所線についても扱う。

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目次 [非表示]

1 概要

2 駅と停車駅一覧

3 現役車両

3.0.1 特急形

3.0.2 通勤形

4 関連項目

5 動画

概要

大阪阿部野橋駅から大阪平野南東部・奈良盆地南部・吉野山地にのびる路線群。

路線記号は本線格の南大阪・吉野線がF、道明寺線がN、長野線がO、御所線がPである。

これらの路線は1979年まで国鉄(現JR西日本)和歌山線の吉野口駅で国鉄に接続して直通貨物列車を走らせていた事などから1,067mmゲージが採用されているため、他の1,435mmゲージ路線とは全く違う形式の車両が運用されているが、システム的には共通する車両も多い。南大阪線系統には沿線に「検修車庫」（車両工場の近鉄における呼称）がない（1982年までは古市工場があった）ため、検査を受けるときは橿原神宮前駅に隣接する「ダウントラバーサー」を用いて標準軌台車に履き替え、狭軌台車を電動貨車に積んで、検査する車両2,3両を電動貨車2両で挟み込んで大阪線五位堂駅に隣接する五位堂研修車庫に運ばれる。

南大阪・吉野線と長野線は一体的な運行体系になっているのに対し、道明寺線、御所線は運転系統が分離されている。乗降客の多くが大阪阿部野橋〜古市間に集中していることや、ホームの長さの都合もあることから、終日にわたって古市で増解結が見られる。急行・特急は吉野線方面、準急は橿原神宮前までと長野線方面に運行されている。また、近鉄全路線の中で南大阪線系統にのみ、区間急行がわずかながら数本設定されている。

遠近分離が徹底されているダイヤになっており、南大阪線の1時間当たりの運行本数は、吉野線直通の特急が1～2本、吉野線直通の急行が2本、長野線直通の準急が4本、大阪阿部野橋〜橿原神宮前間の準急が2本、大阪阿部野橋〜藤井寺・古市間の普通電車が6本、古市〜橿原神宮前間の普通電車が2本。道明寺線は線内の普通電車が毎時2～4本、御所線は線内の普通電車が毎時4本。藤井寺〜橿原神宮前・河内長野間は準急が、橿原神宮前〜吉野間は急行が各駅に停車し、普通を補完している。他の標準軌路線とは異なり、速達列車の大半が準急で占めている(大阪阿部野橋駅では急行が2本発着するのに対し準急はその3倍の6本が発着する)。

1965年に吉野特急が運転開始された当時、停車駅は

大阪阿部野橋-橿原神宮前-下市口-大和上市-吉野神宮-吉野

と、停車駅は少なかったが、吉野地区への観光客の減少による飛鳥・葛城地区での新たな観光需要の掘り起こしや、通勤需要をはじめとする日常的利用者の増加のため、1970年に高田市を追加（一部のみ、1980年に全列車停車）した後は、次々に停車駅が増え、1989年に吉野口、1990年に飛鳥・壺阪山を、1999年に尺土・福神・六田と、現在までに11駅（2012年のダイヤ改正で一部列車は古市に停車する12駅）となり、特に吉野線内においては半数以上の駅に停車する状態である。このため、大阪阿部野橋駅 - 吉野駅間の最速列車の到達時間は、運転開始当初の68分から76分に伸びてしまったことから、2012年ダイヤ改正で南大阪・吉野線内利用の場合に限り特急料金は一律500円（現在は520円）に統一されている。

元々奈良線・大阪線系統とは別会社だったものを買収した為か、80年代ごろまでは他線に比べて列車愛称付きの行先表示板が多く用いられていた。

別会社からの合併の影響で車両等の設備投資が後回しにされる事が多い為、「ここは大鉄(南大阪線の前身の大阪鉄道)だから投資はいつでも後回しにされている」と不満を言う沿線住民もいる（同じ鉄道会社における他線との投資・サービス・運行系統の格差について沿線住民から不平不満の声が上がるなどの問題は、阪急宝塚線や神戸電鉄粟生線などでも生じている）。

これは伊勢電気鉄道(戦前に大軌参急と名阪間の覇権争いを繰り広げた京阪電気鉄道との関係がヤミ的な意味で深い)を前身とする近鉄名古屋線にも言える事だが。

駅と停車駅一覧

◎：停車、レ：通過、※：一部列車が停車

準急は長野線直通、御所線直通を含む。

普通は各駅に停車するため省略。

●駅番号F28〜F41は欠番。これは橿原神宮前駅の番号が京都駅を基準として付けられたことによる。

●道明寺線では駅番号と電車の向きが反転している。

南大阪・吉野線
駅番号	駅名	読み	準急	区急	急行	急行(臨時)	急行	快急(臨時)	特急	乗り換え路線・備考
F01	大阪阿部野橋	おおさかあべのばし	◎	◎	◎	◎	◎	◎	◎	JR 大阪環状線/大和路線/阪和線 OsakaMetro 御堂筋線/谷町線阪堺上町線
F02	河堀口	こぼれぐち	レ	レ	レ	レ	レ	レ	レ
F03	北田辺	きたたなべ	レ	レ	レ	レ	レ	レ	レ
F04	今川	いまがわ	レ	レ	レ	レ	レ	レ	レ
F05	針中野	はりなかの	レ	レ	レ	レ	レ	レ	レ
F06	矢田	やた	レ	レ	レ	レ	レ	レ	レ
F07	河内天美	かわちあまみ	レ	レ	レ	レ	レ	レ	レ
F08	布忍	ぬのせ	レ	レ	レ	レ	レ	レ	レ
F09	高見ノ里	たかみのさと	レ	レ	レ	レ	レ	レ	レ
F10	河内松原	かわちまつばら	◎	レ	レ	レ	レ	レ	レ
F11	恵我ノ荘	えがのしょう	レ	レ	レ	レ	レ	レ	レ
F12	高鷲	たかわし	レ	レ	レ	レ	レ	レ	レ
F13	藤井寺	ふじいでら	◎	レ	レ	レ	レ	レ	レ	旧・藤井寺球場が駅近くにあった。
F14	土師ノ里	はじのさと	◎	レ	レ	レ	レ	レ	レ
F15・N15	道明寺	どうみょうじ	◎	レ	レ	レ	レ	レ	レ	道明寺線
F16・O16	古市	ふるいち	◎	◎	◎	◎	◎	◎	※	長野線
F17	駒ヶ谷	こまがたに	◎	レ		レ	レ	レ	レ
F18	上ノ太子	かみのたいし	◎	レ		レ	レ	レ	レ
F19	二上山	にじょうざん	◎	レ		レ	レ	レ	レ
F20	二上神社口	にじょうじんじゃぐち	◎	レ		レ	レ	レ	レ
F21	当麻寺	たいまでら	◎	レ		レ	レ	レ	レ
F22	磐城	いわき	◎	レ		レ	レ	レ	レ
F23・P23	尺土	しゃくど	◎	◎		◎	◎	◎	◎	御所線
F24	高田市	たかだし	◎	◎			◎	◎	◎
F25	浮孔	うきあな	◎	◎			レ	レ	レ
F26	坊城	ぼうじょう	◎	◎			レ	レ	レ
F27	橿原神宮西口	かしはらじんぐうにしぐち	◎	◎			レ	レ	レ
B42・F42	橿原神宮前	かしはらじんぐうまえ	◎	◎			◎	◎	◎	近鉄橿原線
F43	岡寺	おかでら	◎				◎	レ	レ
F44	飛鳥	あすか	◎				◎	◎	◎	明日香村にあり、日本で唯一、大手私鉄の駅で村に駅がある。
F45	壺阪山	つぼさかやま	◎				◎	◎	◎
F46	市尾	いちお	◎				◎	レ	レ
F47	葛	くず	◎				◎	レ	レ
F48	吉野口	よしのぐち	◎				◎	◎	◎	JR 和歌山線
F49	薬水	くすりみず	◎				◎	レ	レ
F50	福神	ふくがみ	◎				◎	◎	◎
F51	大阿太	おおあだ	◎				◎	レ	レ
F52	下市口	しもいちぐち	◎				◎	◎	◎	当駅は大淀町にあり、駅の由来となった下市町よりも繁栄している。
F53	越部	こしべ	◎				◎	レ	レ
F54	六田	むだ	◎				◎	◎	◎	開業時、当駅が吉野駅を名乗り、終着駅だった。また、特急含めた全列車は当駅から各駅に停車する。
F55	大和上市	やまとかみいち	◎				◎	◎	◎	近鉄特急で唯一の1面1線ホームの駅。また、吉野町役場は当駅が最寄り。
F56	吉野神宮	よしのじんぐう	◎				◎	◎	◎
F57	吉野	よしの	◎				◎	◎	◎	吉野ロープウェイ


道明寺線
駅番号	駅名	読み								乗り換え路線
N17	柏原	かしわら								JR 大和路線近鉄大阪線(堅下駅)
N16	柏原南口	かしわらみなみぐち								近鉄大阪線(安堂駅)
F15・N15	道明寺	どうみょうじ								南大阪線


長野線
駅番号	駅名	読み	準急	区急	急行	急行(臨時)	急行	快急(臨時)	特急	乗り換え路線
F16・O16	古市	ふるいち	◎		◎					南大阪線
O17	喜志	きし	◎		◎
O18	富田林	とんだばやし	◎		◎
O19	富田林西口	とんだばやしにしぐち	◎		◎
O20	川西	かわにし	◎		◎
O21	滝谷不動	たきだにふどう	◎		◎
O22	汐ノ宮	しおのみや	◎		◎
O23	河内長野	かわちながの	◎		◎					南海高野線


御所線
駅番号	駅名	読み	準急	区急	急行	急行(臨時)	急行	快急(臨時)	特急	乗り換え路線
F23・P23	尺土	しゃくど	◎			◎				南大阪線
P24	近鉄新庄	しんじょう	◎			◎
P25	忍海	おしみ	◎			◎
P26	近鉄御所	ごせ	◎			◎				JR 和歌山線(御所駅)