長瀬健吾とは「アイスクリン強し」「若様組まいる」(畠中恵/講談社)の登場人物である。
人物像
「若様組まいる」登場時
若様組の頭であり、本作の主人公。20歳。元二千石の若殿様。
同作品の登場人物、皆川真次郎および小泉沙羅とは幼なじみ。
装丁(丹地 陽子/画)では先頭より2番目に立ち、制帽を右手に掲げている短髪の青年として描かれている。
若様組の福田春之助・園山薫と並んで六尺(約180cm)近い長身。※明治時代、男性の平均身長はおよそ155cm。
作中で同じく若様組の福田春之助から「長瀬さんは、囲碁や将棋が得意なんです」「おまけに、沢山の家人や友人がその腕にぶら下がっても、大丈夫なんですよ。当人は、大変だ、なんて言ってますが、あれで大層、面倒見がいい。つきあいもいいし、見捨てないし」(125ページ)と評されるなど、生まれながらの大将格である事を窺わせる記述が散見され、若さからくる多少頼りない一面も見受けられるものの、仲間のみならず巡査教習所全体をも率いる『大将』としての素質を十分発揮している。
「アイスクリン強し」登場時
23歳。(「もっとも、既に明治も二十年であるから、…」(「若様組まいる」p9)→「やれ、明治はまだ二十三年だというのに、何て色々あったことか」(「アイスクリン強し」p15)の記述に由る)
装丁(丹地 陽子/画)では先頭に立ち、同作主人公の風琴屋主人・皆川真次郎の作ったワッフルスを頬張ろうとする、帯剣・巡査姿の青年として描かれている。
「江戸の頃は、万事に物事はゆったりとしていたはずだ。それが御維新と同時に、時が別のものとなった気がしてならぬわ。にわかに早く流れだしたという気がしないか?」(同作11ページより)と、上記の「若様組まいる」の20歳の頃から3年の間に口調も大人びたものに変わり、社会人として職に就いている事の自信や人間としての成長を窺わせる行動・言動が随所にみられるが、若様組や皆川真次郎との会合の場として一席設けた牛鍋屋「いろは」で、仲間の一人・園山薫と些細な事で拳固の殴り合い(後に他の巡査仲間も加わった(楽しげではあるが)喧嘩に発展)するなど少々子供じみた若者らしい一面ものぞかせる、大変魅力のあるチームリーダーとして描かれている。
漫画「アイスクリン強し」(漫画/宇野ジニア-原作/畠中恵)登場時
表紙では左端、制帽を右手に持ち、帯剣・巡査姿でやや長髪の青年として描かれている。
※このキャラクターデザインは、ほぼ原作「若様組まいる」の表紙に描かれた園山薫と同じであり、原作の装丁に馴染んだ読者に少なからぬ驚きをもたらした。