アイスクリン強し
あいすくりんつよし
『明治の築地居留地で、西洋菓子屋の若主人と元幕臣の警官達「若様組」が繰り広げる「スイーツ文明開化」騒動記。』(オビより)初出/文芸雑誌「KENZAN!」。2008年10月20日ハードカバー(講談社。以下同)第1版、2011年12月15日文庫版第1版刊行。2012年3月、漫画版(KCシリーズ/漫画・宇野ジニア-原作/畠中恵 ※原作者書き下ろし作品含)発売(初出/雑誌「BE・LOVE」)。同シリーズに「若様組まいる」(2010年10月4日第1版)※作中の時系列はこちらが先。
KENZAN!から生まれた新しい時代小説。ビスキット、チヨコレイト、アイスクリン、シユウクリーム、スイートポテト。南蛮菓子から西洋菓子へと呼び名が変わり、新たな品々が数多(あまた)登場。そんなスイーツ文明開化の東京で、孤児として生まれ育った真次郎は、念願の西洋菓子屋・風琴屋を開いた。そこには今日もまた、甘い菓子目当てに若い元幕臣の警官達がやってくる。菓子作りの修行に精を出したい真次郎に、厄介事が次々と…。(オビより)
*主要登場人物*
■ 皆川真次郎(みなかわ しんじろう)
主人公。西洋菓子屋「風琴屋」の主人。
築地居留地で通事(通訳)をしていた父を6歳で亡くし、父の仕事先の居留地で下働きをしながら育つ。菓子作りはその時に覚え、いつか職人になる事を、心の支えにしてきた。
居留地では苗字を縮めた「ミナ」という名前で呼ばれている。
元幕臣の巡査「長瀬健吾」や、成金のお嬢様「小泉沙羅」は幼馴染。
沙羅曰く「寂しがり屋でお人好し」の性格で、気がつけば騒動に巻き込まれ、しかも嫌とは言えない状況に陥っている。
居留地育ちで、英吉利語の読み書きが出来る為、時折、小泉商会などで通事の副職もこなしている。
子供の頃から遊びのようにして覚えた射的が得意で、小型の銃を所有。その腕前はかなりのものである。
漫画版書下ろしでは、居留地仕込みの見事なダンスを披露。更に、留学の話も出ていたが現時点では保留。
■ 長瀬健吾(ながせ けんご)
真次郎の幼馴染。
元旗本二千石の若様で一級巡査。警察署内で元幕臣たちが自然と集まった『若様組』の頭。
居留地の外国人以外で、真次郎を「ミナ」と呼べる唯一の人物。
武道にも長け、頭の回転も速く、大将らしく頼ってくる人も多いが、性格は少々難あり(真次郎曰く)。
幼馴染の沙羅が、初恋の相手である。
漫画版では、小説版と違い、髪が長くなっている。真次郎と同様、上司から大学進学の話を貰っていたが、何故か首を縦に振らないでいる。
■ 小泉沙羅(こいずみ さら)
同じく真次郎の幼馴染。
親が明治の世で大いに出世した、成金のお嬢様。現在は、女学校に通う学生。
「黙っていれば花の様」だが、口を開けばかなりのおきゃんで物事をはっきり言う性格。
「若様組」のマドンナ的存在で、巡査たちから慕われているが、本人は色気より食い気である。
女学校を卒業後は、家の商売を継ぐ予定。
真次郎に想いを寄せているが、はっきりと言い出せる状況ではないらしい。
身分の違いから、女学校の学友との間にいざこざがあった。お気に入りのリボンを取られたり、意に沿わぬ見合いを画策されたり(どちらも真次郎がらみ)していたが、お披露目パーティー(漫画版書下ろし)を切っ掛けに和解した。
*若様組*
■ 園山薫(そのやま かおる)
元旗本三千石の若様。
背が高く見目麗しいが、中身は、歩く狂気とも凶器とも言われるほど気質が荒く、巡邏中も一人で行動する事が無いよう若様組の誰かが行動を共にする。
■ 福田春之助(ふくだ はるのすけ)
元千石の若様。
長瀬より3つ年上。剣の腕、人柄も確か。
洞察力に優れ、冷静沈着。若様組唯一の妻帯者で、本文中から察するに、二人以上の子持ち。
大熊 高木 小山 小沼
本作では、苗字だけしか載せられていない。
名前、禄に関しては「若様組まいる」参照のこと。
*大熊は、本作冒頭の話(「チヨコレイト甘し」)にて、母方の実家を継ぐため、退職。
*他に、福島 林田の両名が登場。この二人は、後輩、もしくは元旗本以外の若様と思われる。
*主人公の周りの人々*
■ 小泉琢磨 (こいずみ たくま)
小泉商会社主。沙羅の父。
元は小僧だったが、明治の世で商才を発揮し一代で財を成した成金。
娘に甘く、娘の頼みなら何でも聞いてしまう。
■ 相馬小弥太(そうま こやた)
某松平藩元藩士の倅。書生。
「お家再興」を願う元藩士たちに、祖父の形見の刀の鍔を狙われ、追い回されていたところを真次郎に助けられ、以来、風琴屋の押しかけ弟子となった。
実は、真次郎をご落胤と思い込み調べていた。
■ ストーン宣教師
慈悲深い英吉利人宣教師。真次郎の育ての親。
■ ケイト・パーク
真次郎の親を自認する一人。沙羅の通う女学校の教師。
何かあれば相談に行き、戻ればほっとするなど、真次郎にとっては正に母親の様な存在。
■ 安野一馬(あんの かずま)
まだ二十歳前の若さで、上野スティション近くの貧民窟「万年町」を仕切る親分。
ある目的の為、巡査を万年町に引き入れる。
■ かの子
静岡に移住した士族の娘。
父と兄を亡くし、農業が出来なくなったため、母と二人で東京に出てきた。母は既に死亡。
静岡で栽培している麦を持っていた。
■ 大河出泰時(おおかわで はやとき)
警視。旧土佐藩出身。
結構金持ちで財界にも顔が利く。
病気で家族を亡くし、一人になった。
若様組をまとめて衛生警察に移動させ、長瀬に人探しを命じる。
■ 加賀三太郎(かが さんたろう)
自由民権運動の闘士。大河出警視の甥。
貧民窟にひそみ、コレラを患い、瀕死の状態になっていた。
■ 多報新聞社の記者たち
反骨精神に溢れ、口も硬いが、目新しい物にあっさり飛びつく妙な人々。
お堅い政治色の強い記事が多く、その内容(または政府からの脅し)により、暴漢に襲撃された。
■ 志奈子(しなこ)
紫堂子爵の姪。沙羅の学友。
身分違いと真次郎との事で、いざこざのあった張本人。
伯父が新聞社へ手紙を書いてるのを真似て新聞社へ投書。その内容が採用され、真次郎は揉め事に巻き込まれた。
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