概要
頻尿とは、排尿する間隔が著しく短いことで、1~2時間に一回程度の軽度なものから、数分おきに尿意が生じる重度なものまで様々である。
軽度のものは本人の体質による場合もあるが、ほとんど常に尿意を感じている状態に近い重度のものは、なんらかの疾患である可能性が高い(水分やカフェインの取りすぎによる一過性のものの場合もある)。
なお、尿量が異常に多くなる「多尿」とは似て非なるものであり、通常は頻尿とは回数は多くなるものの、1日の合計でみると一般的な人と変わらないことが多い。多尿の場合は糖尿病などが原因となり、必要以上の尿が排出されている状態であり、極めて深刻な事態である。
原因疾患
- 膀胱炎
最も多いのが膀胱炎であり、特に尿道が男性より短い女性は菌が膀胱に侵入しやすいことから、罹患しやすい。抗生物質の服用で回復する。
- 前立腺肥大症
中高年の男性が罹患しやすく、尿の切れが悪くなるために何度もトイレに行くハメになる。
- 神経因性頻尿
精神的なストレスが原因となって起こる頻尿であり、治療には精神安定剤を用いる。他の疾患が臓器の異常であるのに対し、神経因性頻尿はいわば気持ちの問題であるため、眠っている間に尿意で目を覚ますなどが少ない(度々、後述の過活動膀胱と混同されるが、過活動膀胱は膀胱の疾患であるため、睡眠中でも尿意が生じて目が覚めることがある)。
- 過活動膀胱
かなり悪質な疾患であり、原因不明であるために治療法は研究途上で、医学会は頭を悩ませている。さまざまな新薬が日々開発されているが、ある程度緩解はしても完治は非常に困難。膀胱が異常に過敏となるために、何回もほとんど尿が溜まっていないにもかかわらず尿意が生じ、場合によっては失禁に至る。心因性のものと違い、膀胱そのものの過剰な収縮が原因のため、睡眠時にも度々目が覚めることがある。薬物療法があまり成果を上げられていない一方で、鍼灸療法で一定の効果が出ていることが確認されており、WHOも注目している。