FORTRAN
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ふぉーとらん
科技計算向けのプログラミング言語
IBMのジョン・バッカスが開発した世界初の高級プログラミング言語。
……なのだが、実は「プランカルキュール」という言語がFORTRAN以前に存在した。しかし、プランカルキュールの実装はずっと後になるまで現れなかったため、一般に世界最初の高級言語はFORTRANであるとされている。
FORTRANの名前は、Formula Translation(数式翻訳)から来ている。元々はその名の通り科学技術計算のために作られており、その証拠に複素数や行列演算などを標準でサポートしている(今では複素数を標準サポートする言語はPythonなど他にもあるが、行列を言語の標準機能としてサポートしているのはFORTRANの大きな特徴である)。
根っこの言語仕様自体は大変古臭く、60年代後半にはすでに時代遅れ呼ばわれされていたような言語だが、現在でもスーパーコンピュータ用にはFORTRANが使われる。スパコンといえば最先端技術の塊なので不思議に思うかもしれないが、これは以下のような事情による。
- スーパーコンピューターは新しいアプリを次々急いで書くような世界ではなく、一度完璧なプログラムを書いてそれを何年、何十年と使い回すのが一般的
- プログラム自体も、求められるのはいかに無駄なく速く計算ができるかであり、一般的なプログラムのように後から拡張できるようにといったような配慮がそれほど必要ない
- FORTRANはそれらに適した最適化を最も長く行ってきた歴史があり、したがって蓄積が圧倒的
こうした背景があるため、FORTRANより優れた言語を設計したとしても、わざわざFORTRANから乗り換えるだけの理由がないのである。
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