最後の人類は、穏やかな気持ちで最後の日没を楽しむでしょう。エデンの園にかぎりなく近い惑星を取り戻しつつあることを実感しながら。
概要
人類自主絶滅運動(Voluntary Human Extinction Movement)。環境保護のために穏やかな人類滅亡を目標とする運動のこと。創始者は米環境保護活動家のレス・ナイト氏。
目標こそ過激ではあるもののエコテロリストとは異なり、その実行手順に暴力を用いることを徹底的に否定していることに特徴を持つ。
標語は「みんな長生きして、いなくなろう。(May we live long and die out)」
人類絶滅プロセス
端的に言えば人類の繁殖能力を放棄するという方法による穏やかな絶滅を目標としており、「人類は苦痛に満ちた大量絶滅を避けれる」としている。
また次段階では、人類は自らが築いてきた人工物(建造物、プラスチック製品など)を地球から取り除く作業を行い、自然環境の回復に努めることとなる。
こうして、諦観と悟りの中で自然環境の回復を楽しみ、穏やかな絶滅を迎えることを理想とする運動となる。
余談だがこの穏やかな終末を迎えるためには全人類の同意という非現実的な難関の他に、原子力技術関連施設と関連資源の処理(原子力発電所などは人間が管理を放棄すると最終的に放射能を伴う爆発事故を引き起こす)、プラスチック製品の分解(現在の自然界にはプラスチックを始めとした高分子を分解可能なシステムが存在しない)などが技術的な課題として存在する。
現時点においては非現実的な運動と言えるが、一方で未来においてなお非現実的であるかは保証の外である。全ての人類が人間性に絶望する日が来ないことを願うばかりだが、その時が来た時にその様な選択肢があることを覚えておくのは悪いことではないだろう。