泣ける艦これ
なけるかんこれ
概要
ブラウザゲーム『艦隊これくしょん』において、提督(プレイヤー)の使役する艦娘は、被弾によるダメージを受けると衣装や装備が損壊していき、そして耐久値が0になると「轟沈」となり、手持ちリストから消滅する。沈んだ艦娘は二度と帰ってこない。
レア度、レベルの高い艦娘も例外ではなく、入手や育成の手間が全て水泡に帰すため、ゲーム的な意味でも大ダメージであるが、問題はその演出である。沈みゆく艦娘は悲壮感漂うセリフと共にその身を散らしていくのである。このため、うっかり艦娘を轟沈させてしまった場合、提督にとって決して小さくないトラウマとなり得る。
また、敵である深海棲艦は、過去に沈んだ艦娘が怨念に憑かれたものである…という説がある。
この説に則れば、敵として倒している深海棲艦も元は艦娘である可能性がある。よって、深海棲艦は襲って来ているのではなく、ただ仲間や提督のもとに帰ろうとしているだけという解釈もできるわけである。
そもそも、史実においては、彼女らのモチーフとなった多くの艦は、激しい戦闘の末に沈没している。かろうじて戦後まで生き残った艦もその扱いは必ずしも良いものとは限らない。賠償艦として他国に渡る、解体され戦後復興の資材となれればマシな方であり、兵器試験の標的艦として最後を迎えた艦もある。
その他、このゲームにおいてある種の悲哀を感じさせるシステムに、轟沈以外にも「近代化改修」と「解体」が存在する。
前者では、ある艦娘を強化するために別の艦娘を「素材」として扱う。強化が終わると、素材とされた艦娘は消える。
後者では、艦娘を鋼鉄・弾薬などの資源に変えてしまう。当然、ここでも艦娘は消える。
ただ、公式インタビューでは解体や近代化改修について具体的にどんなことが行われているか(そもそも艦娘自体どんな存在なのか)定義していない一方で、プロデューサー個人としてはは普通の女の子が武装した物をイメージしていると発言されている。
そのため、この考えにのっとって「解体や近代化改修の素材となった艦娘は装備を外して普通の女の子になる」という解釈が比較的好まれている。
だがその場合でも、兵器としての存在意義を失った娘たちがどのように暮らしていけるかには不安が残るうえ、同じ姿の女の子が何人も存在することになるため、やはりネガティブな想像をしてしまいがちである。
素材とされたり解体される運命を知らず、けなげに頑張る艦娘もいたとしてもおかしくはない。
逆に、これらについて深く考えずにネタとして笑い飛ばそうという傾向もある。
以上のように、沈みゆく艦娘や艦娘の兵器としての側面を強調した、提督達の涙を誘うイラストに付けられるのがこのタグである。
補足
昨今のネットゲームの中では珍しく、キャラクターのロストがある「艦これ」だが、慎重なプレイと、失いたくないキャラの選定を心がければ、大事な艦娘を失うことが無くなるよう設計されている。
轟沈については様々な憶測が飛び交っているが、大破状態で進撃しなければ(疲労や残りの資源・弾薬に関わらず)絶対に轟沈しないという考えがやや一般的。
※中破で進撃したら轟沈したという報告は文書のみではいくつかあるものの、決定的な証拠動画などは今のところ存在しない。また「以前は中破で進撃しても轟沈したがアップデートによって現在は轟沈しないように変わった」という可能性もある。
だがこれも確定ではなく、結局は提督自身の判断に任されている。
2013年8月26日のアップデートでは、戦闘途中で旗艦が「大破」状態になると戦闘終了後夜戦突入なしで強制撤退させられるようになった。これにて無茶な出撃によるレベリングが不可能に(ブラック鎮守府規制。だがこれには賛否両論の声あり。また抗議のために艦娘を次々と解体・轟沈させまくるという外道動画を上げる心無い提督も現れ始めた)。
「艦これ」においては、「轟沈には明確なルールがある」と明言されており、万全の状態から艦娘がロストさせられてしまうような理不尽な状況は存在しない。「誰かが大きめのダメージを食らったら即撤退」で轟沈を確実に回避できる。
提督が「あと一戦くらい」と欲を出した時あるいは戦闘結果をよく見ず、誰かが大ダメージを受けていることに気付かなかった時、彼女たちは海底へと消え逝くのだ。
新米提督たちに、同じ悲しみを繰り返して欲しくないという願いも込めて、かの日本海軍・木村昌福提督の言葉を贈る。新米だったころに下してしまった決断の結果と後悔…過ちを繰り返さないため、先達の提督達はこの言葉を何度も口にするのである。