概要
ロマンシングサ・ガ2及び3に登場する無機質系モンスター。無機質系ということでスライム系のモンスターであるが、内部に臓器のようなものが見える半透明な外見をしており、スライムというより細胞のようにも見える。
ロマサガ2
無機質系レベル6のモンスター。ザコ敵として登場もするが、多くの場合はモンスターの穴の中ボスとして初めて出会う事になるだろう。
ロマサガ2の無機質系は物理攻撃が非常に効きにくいという特性を持っているものの、ジェラールにファイアボールを習得させておけば、簡単に倒す事が出来る他、低レベルであればライトボールで全滅させられるということから、「無機質系の中ボスなんて楽勝」と高を括ったプレイヤーは多かったことだろう(実際、余程のプレイをしていない限り、周囲に大量に居る無機質系モンスターは雑魚同然である事が多い)。
そんな皇帝一行の前に現れるゼラチナスマターはそれまでの無機質系モンスターと比べると……。
- HP888。それまでの無機質系モンスターがHP100以下だったことを思えばかなり高い。
- 毎ターン自動でHPが88回復する。
- 体術、打撃無効 その他の武器でも殆どダメージは与えられない
- 横一列への攻撃として「電撃」を持つ インペリアルクロスだと皇帝及び前後が最悪死ぬ
- そしてグロテスクな外見
というそれまでの無機質系の弱いというイメージを一変させるだけの要素を数多く備えており、クジンシーを撃破し、揚々と南バレンヌに進出した皇帝一行の闘志を軽くへし折るだけの強敵である。
もちろん、対策は色々あるのだが……。
- 術を鍛えればダメージを与える手法は十分ある→初期メンバーには術士がほぼ居ない。レオン死亡時に宮廷魔術士を加えていなければ、事実上術は皇帝しか使えない。
- 電撃はフリーファイトであれば単体攻撃になる→そもそも、初期からインペリアルクロスを使う為、敢えて何も特殊効果の無いフリーファイトを使う理由が思いつけない。
- 腕力の強いキャラならば、強撃とかでも割と当たる。ここまでに逃げずに真面目に戦闘していれば、毎ターンの88HP再生分のダメージぐらいは他のメンバーで与えられるので、どうにかなることはなる。
- 救済措置というか仕様というか、同じモンスターでも戦闘回数が少ない分には攻撃の手が緩い。で、こいつの場合はそんな時、防御していることも多い。ただ、ある程度のダメージソースを持っていないと、防御しているからこそ余計にダメージが通りにくく、HP88再生を見てげんなりしてしまうわけだが···
等と初心者の場合、対策を閃く事が意外と難しい敵であったと言え、初見殺しといえよう。
一方で、モンスターの穴ではなく、運河要塞に行ったら行ったで、赤い蜥蜴に苦しめられるため、南バレンヌ制圧は意外と壁揃いである。
どちらにせよ、ドラゴンクエストのブームなどで一般的には弱いとされていたスライムの印象を大きく覆すほどの強敵であったことは間違い無いだろう。
中盤、普通に雑魚として登場することもあるが、その頃には序盤で戦うよりは楽に戦えるだろう。
ゼラチナマスター
このモンスターの名前は「ゼラチナスマター」なのだが、当時プレイした多くの子ども達は「ゼラチナマスター」だと勘違いした。
本来このモンスターはゼラチナス+マターであり、ゼラチン質の物質という意味の名称なのだが、ゼラチナスという単語自体が一般的では無い為、ゼラチナ+マスターと勘違いしたわけである(もちろん、ゼラチナという単語は存在しないが、マスターという単語は一般的であるため)。
大人になったら大人になったでゼラチナ+スマター(素股)で区切るということをしてしまう場合もあり、ピクシブではこのゼラチナ+スマターから何故か擬人化+素股のイラストがいくつか投稿されている。
更に余談だが、ロマサガ3の攻略本では実際に「ゼラチナマスター」と紹介されていた。ちなみに同攻略本は他にも多数の誤字があるため、この程度は些細なものである。
その他
ロマサガ3では口が付いた。
ロマサガ3では雑魚として登場する他、レオニード城では固定敵として登場し何度も戦える。
ロマサガ2、ロマサガ3共に「キャンディリング」という防具(アクセサリ)をドロップすることがある。
どちらの作品でも優秀な防具なので、キャンディリング目当てにゼラチナスマターを狩るプレイヤーもいる。
エンペラーズサガにも戦士カードとして登場。
レア度:遠距離・アンコモン(U)。
防御特化の性能は、後のサガシリーズのスライムにも大きな影響を与えている。
サガフロンティアの「ゼラチナスプランター」・サガフロンティア2の「スライム」あたりも、同様に打撃が基本的に効かず、厄介な術を持っている。