概要
『帰ってきたウルトラマン』第11話「毒ガス怪獣出現」に登場。
旧日本軍が製造した毒ガス「イエローガス」を食べた怪獣。普段は地中に潜って生活しているが、音に敏感で縄張りに入ってきた者を襲っていた。
武器は背中の針とショック閃光。噛み付き攻撃も得意とする。最大の武器は口から吐くイエローガス。
イエローガス
概要に記されている通り、旧日本軍が製造した致死性の高い毒ガス。即効系の強い神経ガスであり、ウルトラマンジャックを瀕死にさせる程強力。例えほんの僅かの量でも呼吸器官に入れば10秒以内で即死になる。
敵が使用するマスタードガスやVXガンに対抗するために開発された。しかし使用される事無く終戦を迎え、全て廃棄処分された・・・はずだった。モグネズンはそのガスを食べ、毒ガスを吐く怪獣と化した。ガスを食べた後、イエローガスが入ってた空のタンクを吐きだした。
劇中の資料によれば、作られた量は570tに上る。
活躍
冒頭で、自分の縄張りに入って映画撮影をしていた人々を毒ガスで殺した後、夜間パトロールしていた岸田のマットアロー2号と交戦、これを返り討ちにした。
翌日、MATと戦う最中に現れたウルトラマンと戦闘になり、噛み付きとイエローガスで苦しめる。しかしMATが可燃ガス発生タンクを投下したことで形勢逆転。スペシウム光線でガスを燃やしイエローガスを熱分解させられガス切れになる。
最期はウルトラスピンキックを受けて絶命する。
余談
- 岸田の父親と兄は、イエローガスの製造に関わっていた。
- この回の岸田は、イエローガスの開発に関わった父の罪を償おうと、命令無視を犯してまでモグネズンを倒そうとした。
- ラストシーンで、退院した岸田を迎えた加藤は「怪獣は死んだんだ。毒ガスという憎むべき怪獣もな」と言い、このエピソードは終わっている。
- 鳴き声はキーラの流用。後に新世紀エヴァンゲリオンに登場するサンダルフォンの断末魔に使用された。
- このエピソードが放送されてから2年後、中華人民共和国国内において遺棄された日本軍の毒ガス弾が誤って掘り返され、死傷者が出るという痛ましい事件が起きた。モグネズンの悲しみは、未だに終わっていないのである。
- このエピソードを執筆したのは第1期ウルトラシリーズのシナリオライター、金城哲夫で、イエローガスの元ネタは旧日本軍の「黄一号ガス(イペリット)」「黄二号ガス(ルイサイト)」で、ストーリーはアメリカ軍による「レッドハット作戦(米軍による毒ガス兵器の移送作戦)」がモデルとなっている。いずれも戦争と沖縄の問題から得たエピソードである。なお金城哲夫は円谷作品では本作が事実上、最期の執筆作品となった。
関連タグ
同じく人間の軍事開発のせいで目覚めた怪獣。