反捕鯨や毛皮反対、「動物はあなたのごはんじゃない」という肉食否定の主張を見たことのある人は多いと思われる。
一口に「動物愛護」といってもその範囲や度合いは様々である。
人間の生活や健康に支障を来たさない範囲で動物を保護する(ペットを虐待しない、殺処分を減らしゼロを目指す等)というものから、動物をペットにすること自体が搾取であるとする立場、たとえ医療用であっても動物実験に反対する、という立場まである。
「動物の権利は人間と同等である」とする立場の動物愛護論者の場合、ユダヤ教やイスラム教の食料規定にしたがった、頚動脈などを切ることで失血死させる屠畜法(一気に失血死させる方法は、古代においては動物に最も苦痛を与えない手段であり、ユダヤ教やイスラム教が動物に苦痛を与えることに積極的なわけではない)も動物虐待であるとして否定し、政治に働きかけることで一部の国では禁止させることに成功したケースもある。
彼らにとって「動物愛護」とは、たとえ相手が伝統宗教であっても喧嘩を売るに足る事柄なのである。
宗教や政治思想がそうであるように、動物愛護の運動家の中にも傷害、破壊行為を行う過激派が存在し、国家からテロリストとして認定されるものまで存在する。