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遠まわりする雛の編集履歴

2014-05-14 13:54:17 バージョン

遠まわりする雛

とおまわりするひな

Little birds can remember.

しかし千反田は、少し驚いたように目を見開き、それから柔らかく微笑んで、ゆっくりとかぶりを振った。

概要

米澤穂信〈古典部〉シリーズ第4弾。本作は長編ストーリーだった前3作とは異なり、文芸誌に掲載された後述の短編6作に書き下ろし1作を加えたオムニバス形式の短編集の構成となる。内容的には古典部の部員4人の高校入学当初から翌年の春休みまでの1年間を、前3作のストーリー間を補完するような形で時系列に沿い折木奉太郎の視点で進行していく。そのためアニメ版では時系列に沿るため、各話バラバラに放送される。ちなみに、温泉回とバレンタイン回がある。

収録作品

やるべきことなら手短に

「今日のこと、僕は貸しにする気はない。でも千反田さんはどうかな?」

古典部が復活して間もないある雨の日、居残り宿題に苦しむ奉太郎の前で神山高校の怪談話を披露する里志。適当に聞き流す奉太郎だが、噂の経路を知るや、その話に興味を持つであろうえるの来訪を予感する。宿題に加えて怪談の調査など反省エネでしかない。案の定やって来たえるに、奉太郎は柄にもなく自ら噂話を持ち出す。

大罪を犯す

自分が怒ったときの言い草なんて、あまり思い出して誇らしいものじゃありませんから。

授業中、春秋戦国時代の解説が朗々と響く奉太郎の教室に、隣の教室から怒声が割り込んでくる。騒ぎの中でえるのものらしき声を聞いた奉太郎は、部活で顔を合わせた彼女に、何の気なしに確認をとる。その一件を思い出したえるは、例によって瞳をらんらんと輝かせる。自分が怒るきっかけとなった出来事がどうして起こったのか。「怠惰」の奉太郎が、えるの「憤怒」の理由に迫る。

正体見たり

(初出時:『影法師は独白する』)

眼前の青空には入道雲が威勢良く、それが急に白々しくなったようで疎ましい。

夏休み。『氷菓』事件解決の慰労としてえるが提案した、古典部の温泉合宿。摩耶花の親戚が営む宿の娘は、かつて宿に泊まった奇妙な客と、そこで起きた事件について語る。その夜、摩耶花とえるが見た「それ」は、幽霊かはたまた枯れ尾花か……。

心あたりのある者は

真面目そうに装っても、その大きな瞳が笑っているのがまるわかりだ。

度重なる奉太郎の「推理」に感嘆するえると、それが気に入らない奉太郎。「理屈と膏薬はどこにでもくっつく」ことを証明するべく、奉太郎がゲームを持ちかけたところへ流れた校内放送。二人きりの部室で始まる推論ゲーム。放送の裏にある事情にあれこれと理屈を付けていく中で、話は何やら穏やかでない方向へ膨らんでいく。

あきましておめでとう

『天を突く稲穂 鳥に啄ばまれ 風に折らるる象 身を慎んで吉』

自堕落な元日の夜更けに誘いを受けた奉太郎は、えると初詣に行くことに。参拝を済ませ、えるの挨拶回りも落ち着いた頃、二人はちょっとしたおつかいを引き受け、寒空の下を蔵へと向かう。しかし蔵に疎い奉太郎が入り込んだのは納屋。しかも悪い事に外から扉が閉められ、同行したえると共に暗闇に閉じ込められる羽目に。えるには立場があり、迂闊に助けは呼べない。寒さに震えながら奉太郎が講じた脱出策は……。

手作りチョコレート事件

「でも、あれは優しい話だったよ」

中学3年のバレンタイン、屁理屈を捏ねてチョコを受け取らなかった里志に、摩耶花は今年も挑む。えるの協力も得て出来上がった力作は、相手の手に渡るのを待つばかりだった。その様子を横目で見ながら、奉太郎は省エネ主義と色恋沙汰について思いを巡らせる。みぞれのふるバレンタイン当日、図書室で時間を潰す奉太郎のもとへ、切羽詰った表情のえるがやって来る。摩耶花のチョコレートが行方不明になったのだ。

遠まわりする雛

(書き下ろし)

「見てください、折木さん。ここがわたしの場所です」

えるから地域の祭事・生き雛祭りへの協力を求められ、奉太郎はえるの暮らす北陣出へと自転車を走らせる。祭の準備で慌しい運営陣を横目に待機していた奉太郎だったが、何となしに道中での出来事を話すと、周囲に緊張が走る。奉太郎がもたらした情報は祭の予定を狂わせるらしい。雰囲気が深刻になっていく中、祭の関係者であるえるは奉太郎を呼び出すと――。


未収録短編

〈古典部〉シリーズの中で書籍未収録のアニメオリジナル作品。

持つべきものは

期間限定のネット配信作品。11話と12話の間に当たる11.5話としている。

夏休み中の奉太郎は帰国していた姉の勧めで、プール監視員のアルバイトをすることに。奉太郎のバイト中に、古典部の面々が水着で現れてプールで遊びはじめたが、えるが奉太郎に気になることを持ちかけてきた。

連峰は晴れているか

秋の午後の部室、神山市上空を飛ぶヘリコプターの音に、奉太郎は中学時代の英語教師・小木がヘリ好きだったことを思い出す。しかし、同じく鏑矢中出身の里志も摩耶花もそんな話は耳にした事がない。里志が持ち出した小木教諭のエピソードからある事柄に思い当たった奉太郎。図書館に行く、とやる気を見せる彼を心配する里志、摩耶花に対して、ひとり同行を申し出たえる。省エネの奉太郎が放課後を費やしてでも知ろうとしたこととは……。


『遠まわりする雛』で初登場の人物

尾道先生(CV:山崎たくみ)(大罪~) 気短で厳しい数学教師。

善名梨絵(CV:豊崎愛生)(正体~) 財前村の民宿「青山荘」の姉妹の姉。

善名嘉代(CV:小倉唯)(同上) 財前村の民宿「青山荘」の姉妹の妹。

花井(CV:石塚運昇)(遠まわり~) 生き雛祭り運営陣のリーダー格。

吉田竹蔵(CV:永井一郎)(同上) もたつく運営陣に喝を入れる老人。

吹屋(CV:西村知道)(同上) 生き雛祭り運営陣のひとり。

中竹(CV:二又一成)(同上) 生き雛祭り運営陣のひとり。

園(CV:田中正彦)(同上) 生き雛祭り運営陣のひとり。

谷本(CV:千葉繁)(同上) 生き雛祭り運営陣のひとり。

小成(CV:諏訪部順一)(同上) 帰省して祭りを手伝う青年。


関連タグ

米澤穂信 〈古典部〉シリーズ

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