伊原摩耶花
いばらまやか
神山高校1年(現時点では組は不明)の女生徒。
中学時代に神山高校の文化祭を訪れ、漫画研究会の作品に心奪われた経緯から、高校入学後はまず漫研に入部、図書委員会にも所属する。文集「氷菓」のバックナンバーを求めて図書室を訪ねてきた古典部に想い人が所属していると知り、二つの部活を掛け持ちすることに。
しかし2年生に上がったと同時に「いろいろ疲れた」という理由で漫画研究会は退部している。漫画研究会を退部した本当の理由、そのきっかけとなった河内亜也子との関係性については『いまさら翼といわれても』に収録されている短編『わたしたちの伝説の一冊』で語られている。
小学生の時分には大人びた風貌だったようだが、そのまま高校生になってしまったために女子の中でも背は低く、顔立ちも童顔と言ってよい。
性格は苛烈で自他を問わず手厳しく、語り手の奉太郎いわく「怒りのエキスパート」。物事に妥協を許さない姿勢は学業にも向けられ、えるには及ばないまでも成績優秀。責任感も強いため、失敗をすれば大いに落ち込み、ペナルティも黙って受け入れる潔さをもつ。
奉太郎も「アクは強いが根はいいやつ」との評価を耳にしてはいる(同意はしていない)。良く言えば率直、悪く言えば堪え性のないたちで、文化祭の前後から漫画研究会では居心地の悪い思いもしている。
中学校で出逢った里志にいつからか想いを寄せ、告白も一度ならずしているようだが、求愛はことごとくかわされ続けている。事あるごとに彼の屁理屈に噛みつき、真っ向勝負を仕掛ける摩耶花は変わった趣味の持ち主なのかもしれない。多難な恋路を経た挙句、『手作りチョコレート事件』では波乱のバレンタインに見舞われることになったが、ようやく決着がついたようである。
ちなみに奉太郎とは小・中学校9年間同じクラスという、薄くも長く続く縁がなかなか切れない間柄。高校でクラスが離れたと思ったら同じ部活に属することになり、図らずも言葉を交わす機会は格段に増えている。『鏡には映らない』で主役をつとめた摩耶花は、中学時代に奉太郎がしでかしたある一件について経緯を辿るのだが……。
里志やえるをそれぞれの名字から「ふくちゃん」「ちーちゃん」と呼ぶ一方、奉太郎のことは「折木」と呼び捨てている。『正体見たり』に登場する善名姉妹とは親戚で、「まや姉ちゃん(姉さん)」と慕われている様子が描かれている。
実は結構なオタクだが、そのことは周囲、特に古典部の面々には隠している様子。
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