概要
イギリス政府が労働政策を行ううえで定義した「Not currently engaged in Employment, Education or Training」の略。日本語に訳すると「教育を受けていない(勉強していない)、働いていない、職業訓練もしていない」となるため、呼び方がそのままNEETの定義となる。(職業が安定していないフリーターなどとは根本的に異なる)
そのため
などの条件に当てはまればNEETでは無くなる。
NEETについての誤解
NEETとは「勉強、労働、職業訓練をしていない」という「状態」を現し、イギリス政府が支援を行うことを前提として定義されたものではあるが、日本においては「働いていない若者=なまけもの、日本の社会において不要な存在」や、としてレッテルや差別用語として使われているのが現状である。また、無職の人や定職に就いていない人の通称(あるいは蔑称)としても用いられることもあるが、上記の条件の通り定職に就いていないだけではNEETと呼べず、誤用である。
メディアなどで言われている「働いていない」とは「自分(主に40~60歳)が仕事として認識していることをしていない」ということでもあり、自宅でWebショップなどを運営したりしているなど、自営業やフリーランスとして生計を立てていても、定職に就いていないだけでニートと認識されてしまうことも多い(特に当人が親と同居している場合)。
また、病気や怪我、障害などの止むを得ない事情、求職しても職にありつけないなどの正当な理由がある人たちは本来ニートでは無いが、よく混同されてしまう。
「就職氷河期世代」など一度でも「高校、専門学校、大学卒業→就職」のコースから外れてしまうと(正社員としての)就職の道が閉ざされることを考えれば、就職することができない若者に対してバッシングを行うことは人権の侵害とも言えなくも無い。
ちなみに、日本は世界の中では若者の失業率が比較的低い方である。フランスやイタリア、イギリスなどは日本より遥かに若者の失業率が高いし、スペインに至っては若者の約半数に職が無い。欧州では無職の若者同士が結婚して子を生んだりすることも、ごく一般的なことである(生活支援や児童福祉が充実しているのでそういったことが可能になっている)。
問題解決への取り組み
日本においては2003年に「ヤングジョブスポット」を開設。2007年「地域若者サポートステーション」を開設(ヤングジョブスポットは閉鎖)し、2010年から「子ども・若者育成支援推進法」に基づいて支援が行われる。
日本では、イギリスの「コネクションズ」やフランスの「地域若者情報ネットワークセンター」、オランダのような「ただ単に若者を働かせるだけではない、総合的な支援」が行われているとはいえない状況である。
韓国では、日本以上にNEETが多いが、政府側にまともな若者支援政策がなく、職にありつけない若者は「白手」と呼ばれ差別されるなど悲惨な状況にある。その代わりに政府が国民の海外進出を後押ししており、日本に出稼ぎにやってくる若者も多い。就職難による生活苦から自殺する若者も近年目立っている。
NEET状態から抜け出すためにできること
NEET状態から抜け出すためには、
- いろいろな人と会う。
- 人と会って情報を集めたら、自分に興味があるもの、できそうなことに挑戦する。
- NEET状態から抜け出すための計画・スケジュールを立てる。ただし、ものごとは計画通りに進まないものなので、思い通りにいかなくても落胆しないこと。
というように道のりは長いが、まずはあまり一人で悩まず、今まで会ったことのない人にも相談してみることが大事である。
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