喰種
ぐーる
概要
体内に赫包という袋状器官を持つ人食いの怪物。見た目は人間と変わらないが捕食や戦闘を行う際、その目が赫々とした赤色に変わり(赫眼)、感情の昂ぶりにしたがい赫包の種別に応じたタイプの捕食器官「赫子」が赫包からうねるように出現する。
食人は単なる「嗜好」ではなく、本能に根差した「食性」であり、水とコーヒーは飲めるが、固形物では人肉しか栄養源にする事ができない。同族の肉も食えるがあまり美味しくはないようで敬遠される傾向にある。
人間が食べるような食物も口に含むだけなら可能だが、喰種の感覚ではおぞましい味覚と食感を伴い、その場で吐きたくなるほどのものである。そのため人間社会に溶け込む喰種は「人間の食べ物を美味しそうに食べるフリ」を習得することになる。
喰種には人間の四倍から七倍の筋力と強靭な再生力がある。嗅覚をはじめとする感覚器官も優れており、赫子が与えるさらなる戦闘能力も相まって、生身の人間にはなすすべもなく対人用程度の武器ではまず対応できない。同族が持つ赫子か、赫包を加工して製造される対喰種武器「クインケ」なら、喰種にダメージを与え、倒すこともできる。
Rc細胞
喰種が持つ特殊な細胞であり、特に赫包はRc細胞の塊と言える。因子(Rc因子)そのものは人間にもあり数値にすると200から500、喰種の場合は1000から8000となる。Rc因子を検出する技術が確立しており、高額ながら検知用のゲート型装置も開発されている。
喰種が人間を捕食するとRc細胞は赫包に蓄積され活性化される。そのため人肉をきちんと食べていれば赫子の性能を発揮しやすい。
人間との関係
その食性から「人類の天敵」とも呼べる存在であり、人間社会からは当然のごとく敵視され、警戒・抹殺の対象である。
日本においては喰種対策局という組織が設置され、そこに属する喰種捜査官が同組織で製造されるクインケを用いて日夜喰種の捜査と殺害を行っている。
喰種は人肉を食べなければ生きていけないため、人間社会に溶け込みつつ、ひそかに人間を捕食するか、捕食を行えない者は人肉を提供できる者から買い取って食料としている。人間社会に溶け込んだ喰種にとって、捕食時や戦闘時に目撃され面が割れてしまうことは死活問題であるため喰種捜査官と対決したり狩り等に出る場合は基本的にマスクを装着する。
喰種は人間と非常に似た精神を持ち、知り合った人間に対し友情や愛情を抱くこともある。逆に食料とするだけに飽き足らず、見下し、ペットのように飼い、惨たらしく殺すショーを愉しんでしまう者も多い。
喰種社会
喰種は人間社会の裏で喰種独自の社会を形成しており、地区ごとに定期的に会合を開き、規則を定めたりしている他、自殺者の遺体を回収して力の弱い喰種に分配したりする。
喰種独自の組織も存在し、『レストラン』、『アオギリの樹』、『ピエロ』、『赤舌連』
等がこれに該当する。
中でも『アオギリの樹』は人間に対して非常に敵対的で、CCGの手を焼かせている。
赫子ごとの分類
赫子は羽赫、甲赫、鱗赫、尾赫に分類され、異種の赫子間にはジャンケンに似た優劣関係が存在する。
羽赫←甲赫←鱗赫←尾赫←羽赫
笛口雛実のように複数のタイプの赫包を持つ者もいる。
鱗赫
腰付近に赫包を持ち、鱗に覆われた触手か触腕のような赫子を展開する。しなる赫子から繰り出される一撃の威力はピカ一。さらにRc細胞の結合力に優れ、再生力に優れるが、結合のしやすさは脆弱さにも繋がっており、再生力を超えたダメージを負えばひとたまりもない。
赫子ごとの相性
赫子ごとに戦闘における相性が存在する。羽赫はスタミナに難があるため持久戦になれば耐久力のある甲赫に不利となる。
甲赫は耐久力に優れるが鈍重なため鱗赫の強烈な攻撃をもろに喰らいやすい。
鱗赫は中距離戦に対応し目立った弱点の無い尾赫にダメージを入れるのが難しい。
尾赫は高速かつ近距離と遠距離でも戦える羽赫に対し不利となる。
さらにそれぞれの赫子から染み出るRc細胞は、有利な相手の喰種に対して強力な毒として作用する。
簡単にまとめると
•羽赫は甲赫に弱い:威力に劣る羽赫は甲赫の防御を貫けず、持久戦に持ち込まれると圧倒的に不利になる。
•甲赫は鱗赫に弱い:重くて動きの遅い甲赫では、装甲を貫く威力をもつ鱗赫の的になる。
•鱗赫は尾赫に弱い:赫子が脆い鱗赫は尾赫の攻守バランスに容易く崩されてしまう。
•尾赫は羽赫に弱い:器用貧乏の尾赫は羽赫のリーチとスピードに追い付けない。
治癒力の高い喰種といえど、赫子で負わされた傷は治癒が遅れがちで、相性の悪い赫子に受けた傷はさらに治癒が遅れる。
(赫子から放たれたRc細胞が毒素として相手に伝わるため)
なお、あくまで「相性」であり、実力次第ではひっくり返すことも可能。作中では羽赫のトーカが甲赫の月山を圧倒した。