概要
千日前線とは、大阪市営地下鉄の路線の一つ。
野田阪神~南巽︀間を走行する。野田阪神は、阪神電車の野田駅に、1駅手前の玉川はJR西日本の野田駅に連絡する。
ラインカラーはピンク。ナンバリングはS(Sennichimae)。
ラインカラーをピンクとしたのは、この路線が直下を通る千日前通り周辺、つまり、道頓堀付近でよく見られるネオンライトをイメージしたとされているが、正確にはネオンライトの色は橙赤色である。
路線
大阪市営地下鉄はほとんどすべての路線でATC(自動列車制御装置)を使用している。
第三軌条方式の路線で使われているのはWS-ATCと呼ばれる、古くから使われてきた信号付きのATCである。東京方面は今や東葉高速鉄道(※架空電車線方式)に残るのみだが、大阪ではまだまだ現役。
対して、千日前線はCS-ATCと呼ばれる車内の速度計に信号最高速度が表示されるATCを使用している。そのため、他路線との直通運転はできない。工場は中央線と共通だが、検査で回送する場合は中央線の車両に連結して牽引してもらう必要があった。その後、25系に両方のATCを搭載したため現在はその必要は無くなった。
車両は4両編成で運行。使用車両は、他の路線からの旧車、いわゆる「転勤族」が多く集まる路線として有名だったが、現在は同線向けに新造された25系を使用している。2015年1月からはワンマン運転が始まった。
また、液晶式列車案内表示装置の設置や25系のリニューアル更新を他路線に先駆けていち早く行っているなど、サービス面では積極的な姿勢を見せているが、収益状況は依然として悪く、18m級の準大型車が運行される6路線の中で唯一の赤字路線となっている。
路線は東半分がほとんど阪神なんば線~近鉄難波線~近鉄奈良線と並行している状態で、この路線の建設自体、阪神西大阪線(当時)延長を阻止のためだったとされ、阪神の難波延長に伴い、さらに並行区間(≒末端以外ほぼ全部)の乗客が減少する懸念が示されている。千日前線も運賃は安くはないが、阪神・近鉄も2社の合算となるので、難波を越えて両者を乗り通すとさらに高い。難波方面が目的地でなく、鶴橋などから梅田などに行く場合は大阪環状線を利用した方が、早くて安い。
駅
ほとんどの駅が島式ホームで、進行方向右側の扉が開くことが多い。ホームドア設置済み。
全駅に液晶式列車案内表示装置が設置されている。接近時のアニメーションは、25系が接近してくるところを6コマで表したものとなっている。
この液晶式列車案内表示装置、今里筋線や中央線にも使用されているのだが、それらと違う点として文字が妙にいびつである。しかしこれには訳があり、北巽︀駅・南巽︀駅の「巽︀」という文字が、日本語の書体では特殊な方法を使うなどしないと正しく表示できないため、「Arial Unicode MS」が使われている(英語圏側が作ったフォントなのでアジア圏の文字の出来栄えはお察しください)。
「巽︀」という文字だけなら、中国語・韓国語のフォントでも正しく表示できる。しかし、中国語フォントを使用すると今里駅の「今」という文字が、韓国語フォントを使用すると野田阪神駅の「神」という文字が、それぞれ違うデザインになってしまう。どの漢字圏の文字も中途半端に混ぜた「Arial Unicode MS」の古いバージョンが奇跡的に千日前線の駅名を正しく表示できるため、フォント切り替えなしではこれを使わざるを得ないようなのである。