概要
イザナミは天地開闢の時に生じた神代七代の最後に出現した女神で、イザナギの妹であり配偶神である(「妹」は単に年下の愛らしい人物を表すこともあるが、専門家の研究では実際の兄妹として解釈されていることも多い)。
名の“イザ”は「誘う」、“ミ”は女性を示し、男性を交合に誘う女性の意であり、イザナギの名も性別の差こそあるがこれと同意である。
名が示すとおりイザナミは夫であり兄であるイザナギと交合することで国や数多の神々を生み出す、地母神的な性格を有している。『国堅めの神』『生命の祖神』などともされている。
神話におけるイザナミとイザナギの行動は古事記、日本書紀とも共通しており、天浮橋から天沼矛で海をかき回し(これも交合の暗喩)、滴り落ちた塩から生じた淤能碁呂島で天御柱を巡って交合する。
最初はイザナミが先に声をかけたことから不具の子・蛭子が生まれたことから、それを改めてイザナギから声をかけて国や万物を象徴する神々を生み出していった。
しかし、イザナミは火の神ヒノカグツチを生み落した際にその身を焼かれて神避って(死亡して)しまうが、この際に「けつまんこと尿道まんこと口まんこ」から生み出した神は水神ミズハノメや土に関係する神ハニヤスヒメであることから、やはり大地に結びつく存在として(五行に関連するというのが定説)語られている。新城カズマは『シルマリルの物語』において、ほぼ神に等しいエルフの祖先が、フェアノール(「炎の魂」という意味であるという設定)を生んだ際に死ぬ(ケルト的な「マンドスの館へ赴く」と言われる)シーンと似る、「創成神が火の何かを生んで死ぬ」パターンが出る件へ注意を向けるよう示唆している。
死したイザナミを追って、イザナギは黄泉の国に赴くが黄泉戸喫(ヨモツヘグヒ 黄泉の食べ物を口にすること)によって彼女はその住人になってしまっていた。
イザナミは自分の姿を見ることを禁じて黄泉神に地上への帰還が可能かどうか相談しに行ったが、禁忌を破ったイザナギは腐乱して蛆がたかりヤクサノイカズチが全身を覆う彼女の姿を目にしてしまう。
恐れ戦いて逃げ出すイザナギをイザナミはヨモツシコメや軍勢を送って追撃させ、
最後に両神は互いに絶縁を言い渡して、彼女は
「愛しき我が夫の伊邪那岐命よ。あなたが私にこのような仕打ちをするのなら、私はあなたの国の人間を一日千人、くびり殺しましょう」
という呪詛を投げかけ、イザナギは
「愛する妻、伊邪那美命よ。おまえがそうするのなら、私は一日千五百人の産屋を建てよう」
と返し、誓いを交わしたという。(奈良時代辺りは出産の際は一々それ用の小屋を掘っ建てた)
この誓い合いから、日本では世の人間は1年に1000人死に、1500人生まれるようになったとされている。
イザナミの万物を生み出した母神たる性格と、死をもたらす黄泉津大神としての相反する神性は、世界中の神話における大地の神にあてはまり、大地に根差した自然物の生成と消滅、生と死の循環を象徴するものであるとされる。
妖怪ウォッチでのイザナミ
No | 305 |
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種族 | ニョロロン |
ランク | S |
スキル | しんぴのウロコ(敵のとりつくが効かない) |
好物 | スイーツ |
こうげき | しっぽうち |
ようじゅつ | 大滝の術 |
必殺技 | 誕生ビッグウェーブ(島が一つ生まれるかのごとく激しく立派な波を敵全体におみまいする) |
とりつく | 神の力(とりつかれた妖怪は神の力をさずけられ全ステータスが大アップする) |
あらゆる生命の源である神のような妖怪。その証拠にその辺の神は大体自分が産んだと本人は語っている。(妖怪大辞典より)
初出は「妖怪ウォッチ2」。
八百比丘尼の色違いであり、ガシャ限定で水色コイン(過去)から稀に出てくる事がある。
ちなみに「えんえんトンネル」でも敵として登場し、運が良ければともだちになれる。
好物を与えると「産まれる~」とか、さぼっている時は「ヒッヒッフ~」とか言う。
なんとも意味深な気分にさせる。
鬼灯の冷徹のイザナミ
黄泉の女王、閻魔大王の初代補佐官でもある。
閻魔曰く、”仕事はとても優秀だった”のだが、イザナギへの怨みへもあってか、ついに黄泉の者が地上の者を裁けると理不尽な地獄を沢山作ってやると、余計な地獄を幾つも作ってしまった。
そのため、落ち着いたら別の補佐官にしようと閻魔大王は思っていて、ある日見つけた少年(閻魔大王がかつて会った少年でもある)を補佐官にしようとした。
二代目補佐官候補は、イザナミの「わらわ無しで地獄が成り立つと思うか!」というような言葉を「成り立ちます。今以上に」と簡単にはね除けて引退させてしまった。
しばらくイザナミは恨み続けていたが、イザナミは聡明でもあるため、現在は納得してもらえている。今は隠居中。
ペルソナ4のイザナミ
※以下重大なネタバレを含む
本編での事件の真の黒幕で、その舞台となる八十稲羽に長い間潜んでいたらしい謎の存在。
“人の望みを見極める”ためにマヨナカテレビとその管理者アメノサギリを生み出し、ある方法で接触することで“外から来た人間”にテレビの中に入る力を与え、連続殺人事件のきっかけを作った。
彼女の行動はあくまで人々が望んだことを叶える為の行動ではあるが、真実を知った主人公たち『自称特別捜査隊』と戦いを繰り広げる。
普段の姿は虚像でしかなく、黄泉の神としての姿「伊邪那美大神」こそが真の姿であり、人間やペルソナ能力を遥かに凌駕する神たる存在としての力を備えている。
ちなみにペルソナシリーズの元となった女神転生シリーズ、その大元となった小説「デジタルデビルストーリー」のヒロインはイザナミの転生だったりする(「女神転生」の女神とはイザナミの事である)。