概要
当事者の片方(挑戦者)が、自らが受けている何らかの不名誉を取り去り名誉を回復する事を目的として、もう片方に「決闘をしたい」と申し込む。通常の裁判に訴える事が困難もしくは不可能な事態で行われ、当事者双方は同じ身分である事が望ましいとされた。また、当事者のどちらかが明白に戦闘能力に劣る場合、不公平にならないように代闘士(チャンピオン)が代わりに戦う。
決闘が受諾された場合、お互いに合意した日時に、合意した対等な装備(中世なら剣、近代なら拳銃)を携え、介添え人を連れて、決闘を見届ける証人の前に出頭する。一定のルールのもとに戦い、勝負が付いた時点で終わりとなる(死ぬまで戦ったり、介添え人も参戦してタッグマッチになったりする事もままある)。挑戦者が勝てば名誉は回復でき、受けた側が勝てばそちらの主張が守られる。
なお、法律で決闘が禁止されていない限り、決闘は公然と行われるので、見物人がいる事も多い。「三銃士」では決闘は法律上禁止されているが、貴族である登場人物達はだいたい無視している。
以上はヨーロッパにおける典型的な決闘だが、武士の決闘(果たし合い)も似たようなものである。挑戦は口頭ではなく文書(果たし状)である事が多く、武器は基本的に刀であり、特に証人を立てない事が多い。仇討ちの一環として行われたりもするが、仇討ちでは挑戦を上げる事なく闇討ちに訴える事も多い(例:曾我兄弟、赤穂四十七士。ただし、いずれも仇討ちの標的が有力者で、対等な果たし合いに応じる事はありえない)。
決闘の起源は、嫌疑だけで明白な証拠が存在しない重犯罪に対する裁判の一種であった。「神は正しい者に味方する」と考えられていたからだが、中世でも後期になると裁判としては廃れて、自己の勇敢さを誇示するための私闘へと変化した(「三銃士」はこの頃を舞台とした作品である)。
フィクションにおいても度々見られるシーンではあるが、その際は「事前に決められた同一の条件のもと」の部分は無視されている事も多い。主人公か味方の側が不利な状況に置かれる事や(もちろん逆転する)、相手の敵役を主人公が巧妙に陥れる事もある。
別名・表記ゆれ
外部リンク
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