- 差別することなく、価値観が異なる相手と共に生きること。
- 異なる生物が利害の一致により同一の生活圏で暮らすこと。
1.も大事ではあるが、ここでは2.の意味について記述する。
生物学的な意味の共生
相利共生
双方に生きていくうえで利がある共生。所謂ウィンウィンの関係である。
具体例
- アリとアブラムシ:アブラムシはアリに天敵(虻の幼虫やてんとう虫)から守ってもらい、その代わりに植物の蜜をアリに与える。農家からしたらたまったものではない。
- アリとシジミチョウ:同じくシジミチョウの体液は甘く、アリはシジミチョウの幼虫を見つけると好んで巣に持ち帰り丁重に育てる。チョウは成虫になったら勝手に出ていく。
- ホンソメワケベラと大型の魚:ホンソメワケベラは魚のエラや口の中のゴミや寄生虫を好んで捕食し、魚は掃除してもらうことで清潔に保つ。
- テッポウエビとハゼ:テッポウエビは目が全く見えないため、視力の良いハゼの巣穴に居候する。ハゼは弱いため、テッポウエビを用心棒兼給仕長として利用する。
- ヤドカリとイソギンチャク:殻にイソギンチャクを付けることでヤドカリは外敵から身を護り、歩けないイソギンチャクは移動手段としてヤドカリを利用する。
- 地衣類:菌類と藻類の共生。菌は乾燥から藻を護り、藻は光合成をして菌に栄養を与える。
- ラーテルおよびヒトとノドグロミツオシエ:まずミツオシエが野生のハチの巣のありかを教え、ラーテルや人間は蜂の巣を壊して蜂蜜を得る。そしてミツオシエは蜂の巣のかけらを食べる。(参照:ナショナルジオグラフィック)
片利共生
どちらかにしか利が無いケース。寄生とは異なり、宿主に害はない。
しかし片利共生と寄生の境目はあいまいであり、たとえばニキビダニは時としてニキビダニ症を起こす。
具体例
- クマノミ→イソギンチャク
- カクレウオ→ナマコ
- コバンザメ→マンタやジンベイザメなどの大型海洋生物
- フジツボ→ウミガメやクジラなど
- アリドリ→グンタイアリ:グンタイアリが通ると虫たちが逃げ惑うため、そこを襲って餌を得る。
- ニキビダニ→ヒトや哺乳類の毛穴