「新聞界の風雲児にして、快男児。
‥‥それがこの、マメモミなのですね!」
概要
ズボン吊りをつけた筋骨隆々の男性。
右手に青い洋墨が付いている。
留学を終えて帰国した夏目漱石の密着取材をしていたところ、大英帝国の留学生ジェゼール・ブレットが海水浴へ行くと聞き、こっそり彼女らを尾行する。
掘っ建て小屋のよしず越しに、村雨葉織の犯行の瞬間を撮影した目撃証人として法廷に立つ。
法廷では事あるごとに写真機を構えたり、豆籾手帳(マメモミメモ)と称した自分の手帳に鉛筆を走らせたり、取材して特ダネをモギ撮ろうとしたりなど、記者として見上げた執念をもった熱くなりやすい性格の持ち主である。
豆籾主義(マメモミズム)という独自の考えをもっており、それに対して、亜内武土が何やら影響を受けた模様。
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以下、ネタバレ
第1話にて、ジェゼール・ブレットを殺害した真犯人。
豆籾は以前より外国相手に腰が低い日本政府の外交姿勢に不満を抱いており、事件の9カ月前にジョン・H・ワトソンを殺害した極悪人ジェゼールが領事裁判権の名の下に野放しになっていることに対しても怒りを覚えていた。
ジェゼールの本当の死因は刺殺ではなく、取材の際に豆籾が御琴羽教授の研究室から盗み出した極秘開発中の《劇薬》を使った毒殺である。
研究室の徹底的な“身体検査”の盲点を突いて劇薬を手に入れた豆籾は、ジェゼール達を尾行して海水浴場へ赴き、掘っ建て小屋でジェゼールを“ブンヤ”としてといつめたのだが、そこで彼女に自身のジャーナリズムや大日本帝国、そして日本人をせせら笑われたことに怒りが爆発し、正義の鉄槌と称して彼女の炭酸水に先述の《劇薬》を盛って小屋を出た。
その後現場から逃げようとしたが、ブンヤの“性分”ゆえに逃げられず、小屋の外で自信の“所業”の《結末》を見届けようとした。しかし、彼女と葉織の会話から、使用した劇薬による毒殺は、特有の痕跡が残ることを知り、更にその劇薬が御琴羽教授の研究室以外で入手する手段がないことから容疑者が一瞬で特定されるような薬品であったことを知る。そして持っていた万年筆を小屋の中に落としてきてしまっていたため、ジェゼールに毒の痕跡が出る前に小屋の外からよしず越しに小刀を突き刺して彼女を殺害しようとした。
そして、遺体の背中に刺さった小刀に葉織が柄に手をかけた瞬間を撮影することで、彼女にジェゼール殺害の罪を着せようとした。
しかし、本当の死因が盗まれた劇薬によるものであることが法廷で立証され、更に現場に落ちていた豆籾の万年筆から毒の痕跡が見つかった事で犯行が立証され、葉織と龍太郎に高々と投げ上げられて成敗された。
ちなみに、劇薬を盗んだのは成分を調べて記事にするためであり、犯行自体は突発的なことである。
その後、記者として9カ月前の事件を徹底的に調べることで正義を訴えようともしたが、つかんだネタは政府からの《圧力》で全て握りつぶされてしまったと語る。そのため、自身が正義の裁きを下すしかないと主張したが、「被告人に罪を着せようとしたあなたに正義を語る資格はない」と成歩堂龍太郎に一蹴された。
なお、細かい違いはあれど「被害者を炭酸水に盛った毒で殺害し、別の凶器を使って他人に罪を擦り付ける」という豆籾の犯行は9カ月前のジェゼールの犯行と何ら変わりないものであり、彼女にとっては正に因果応報とも言えるものであった。
閉廷後、豆籾は英国への渡航中にイノチを落としたとある司法留学生のことについて悠仁たちに詰め寄ったが、今度は判事の慈獄政士郎にぶん投げられた。
その後の御琴羽寿沙都が留置所で聞いた彼の話によると、「領事館に引き渡されるはずだった留学生の遺体が蒸気船から消失したこと、その事実を日本政府が隠していること」をつかんでいたという。