概要
覇道財閥が対ブラックロッジの切り札として開発した巨大ロボット。
名前は「魔を断つ刃」を意味する。
鬼械神(デウス・マキナ)とロボットの中間に位置する、魔術と科学のハイブリット機体。
ただ、魔術的構成はでたらめであったため、アル・アジフが初搭乗時に殆ど改修した。
動力炉は銀鍵守護神機関「獅子の心臓(コル・レニオス)」。
内蔵された「銀の鍵」により並行世界から無尽蔵にエネルギーをくみ上げる半永久機関であり、基本的にエネルギー切れは無いが予備として通常の電力機関も搭載されている。
魔力伝達の為に水銀の血液が張り巡らされている。
過去には代替動力炉として蒸気機関やリベル・レギスの心臓である無限の心臓、アイオーン機関形態(エンジン形態)が用いられたこともある。
特殊合金ヒヒイロカネの装甲を持ち、幾重にも張った魔術防壁と合わせて堅牢な装甲を誇る。
鬼械神特有のメリクリウス・システマ(自己修復能力)は持っておらず、格納庫での修復・整備を必要とするが、物語後半でこの能力を獲得する。
性能こそ鬼械神には及ばないが、模造品であるがゆえに存在の維持に術者の魔力に依存せず、術者への負担の少なく、戦闘が終われば人の手で修理、整備、調整が可能。
また、稼動に魔導書を使用するが、魔導書(鬼械神)に適応する為に人間を辞めたり、狂気に陥る事もなく、魔術師としての適性がなくとも稼働が可能。
故に「最弱にして無敵の鬼械神」であり、まさに「人間のための鬼械神」と言える。
召喚武器は起動に使用される魔導書に依存し、アル・アジフにより起動した際はアイオーンの術式が使用され、魔導書「妖蛆の秘密(デ・ウェルミス・ミステリイス)」を用いた際には鬼械神ベルゼビュートの「怨霊呪弾」が使用された。
銀鍵守護神機関はデモンベインだけでなく駆動に使用される魔導書にも影響を与え、ウォルミウス訳ラテン語版を元にしてパンチカードという形で写本が作られたネクロノミコン機械語写本を短期間で精霊化するまでに力を与えている。
九郎・アル・デモンベインの人・神・機が三位一体となることで最大最強の力を発揮する。
機体を召喚する際の口上は、上述している「憎悪の空より来たりて」から始まる一連のセリフである。
「憎悪の空」や「正しき怒り」というヒーローらしからぬ表現に矛盾を感じるが、『斬魔大聖』または『機神咆吼』の最終話でその真の意味が明らかになる。
一代で覇道財閥を作り上げた覇道鋼造が建造し、発明女王オーガスタ・エイダ・ダーレスが建造に関わったといわれているが、実際にはアリゾナの砂漠に大破して未来から漂着したデモンベインを分解してアーカムシティへと持ち帰り、修復したものであり、実際に誰が建造したかは一切不明となっている。
武装
内蔵武器
頭部バルカン砲
破壊ロボには効果はあるが、鬼械神相手には全く利かないため牽制用。
アトランティス・ストライク
脚部シールドに内蔵された断鎖術式「壱号ティマイオス・弐号クリティアス」によって時空間を歪曲し、反発エネルギーを蹴りで叩き込む近接粉砕呪法。「蹴り」であれば成立するので、飛び蹴りや回し蹴り等の攻撃パターンがある。
高速移動にも転用可能。
アニメ版では使用時に脚部シールドの位置が脚部前面から側面へ移動する機構があり、後述のデモンベイン・トゥーソードに似たシルエットになる。
レムリア・インパクト
右手から放つ、必滅の威力を持つ第一近接昇華呪法。
動力炉の「獅子の心臓」を右掌のヒラニプラシステムと直結、別の宇宙から取り出した無限熱量を叩き込む。
そのまま無限熱量と叩き込むと周囲のものまで焼き尽くしてしまう為(実際に機神胎動ではアーカムシティの一区画であるプロヴィデンスを焼き払って荒野に変えている)、結界に目標を閉じ込めて無限熱量を叩き込む。
通常はシステムが凍結封印されているが、覇道瑠璃がナアカル・コードを承認することで使用が可能になる。後半にはナアカル・コードの解除キーを使うことで、承認無しで使えるようになった。
使う際の詠唱は「光射す世界に、汝ら闇黒、棲まう場所なしーー渇かず、飢えず、無に還れっ!」(「飢えず」の部分は「かつえず」と読む)。
アニメ版では使用時に透明なバイザー上から更に別のバイザーにより口元が覆われる、こめかみ部の放熱フィンが展開するギミックがある。
レムリア・ディレイ・インパクト
複数の目標にレムリア・インパクトを叩き込み、一斉に昇華する。
レムリア・デュアル・インパクト
本来不可能な二つ同時に発動するレムリア・インパクト。
軍神強襲では獅子の心臓に匹敵する動力源をもう一つ組み込むことで強引に行っており、デモンベインは使用に耐え切れずに破損している。
レムリア・ダブル・インパクト
二柱のデモンベインにより行われる双撃昇華呪法。
後述のデモンベイン・トゥーソードとともに行っている。
召喚武器
アル・アジフの魔導書としての力によって召喚する武器。
物語序盤の一件により彼女の一部である魔導書の断片がアーカムシティに散らばっており、初めはその力の全てを行使できない。
魔導書の力であるため、生身の状態でも使用できる。
また、製造法が記述されているものであれば記述通りに製造したもの、記述を扱うための装備であれば未契約時や魔導書が力を失っている場合でも使用可能。
魔力の糸で蜘蛛の糸のように相手を絡めとり、捕縛する。
デモンベイン搭乗時には魔力粒子である字祷子(アザトース)で構成された頭部の緑色の鬣を操作して糸を繰る。
ちなみにデモンベインの鬣は特典OVAを含むアニメ版では作画の都合か省略されており、アトラック・ナチャ使用時のみ出現する。
ページモンスターとして顕現した際には妖艶な美女の姿をとる。
魔法使いの杖でもある大剣。
魔力を通すことで灼熱の刃になり、投擲武器としても使用できる。
投擲武器や盾として使用する際には扇のように刀身が展開させることもできる。
また、刀身を赤熱化させたり、斬撃の衝撃を飛ばすこともできる。
ページモンスターとして顕現した際には人の姿をとらず、剣の姿のままとなっている。
アル・アジフのものは「バルザイの偃月刀の製法に関する記述」であるため、同じものを作り出すことが可能で、劇中には製造されたものが別に登場している。
自らの幻影を生み出す鏡を作り出す。
作中ではミラーコーティングに応用してビーム攻撃を防ぐ使い方もした。
ページモンスターとして顕現した際の人間態は女王ニトクリスの姿をとるが、ナイアルラトホテップに細工された際には魔法のコンパクトの姿をとっていた。
炎を司る旧支配者の力を借りる術式。
術式単独で操るのは難しく、自動式拳銃を介して使用し、爆炎を纏う強大な威力を持つ弾丸を発射する。
アイオーンで使用した際等では弾丸を介さず、火炎弾として発射する。
神獣形態では焔で構成された獣を呼び出し、触れたもの全てを蒸発させる事が出来る。
ページモンスターとして顕現した際には炎を纏った獣の姿、人間態では褐色肌の美女の姿をとる。
冷気を司る旧支配者の力を借りる術式。
リボルバー式拳銃を用いて制御し、氷を纏った精密誘導可能な(曲がる)弾丸を発射する。
神獣形態では氷で構成された一角の竜を呼び出し、広域を凍結させる事も可能。
クトゥグアと共に二丁拳銃にして使う事が多い。
ページモンスターとして顕現した際には氷を纏った竜の姿、人間態では眼鏡の美女の姿をとる。
背部に召喚する飛行ユニット。
飛行速度は使用者の意志に比例する。
ページモンスターとして顕現することは無かった。
二振りの小剣。
二つを繋ぎ展開することで十字状の投擲武器として使用できる。
初期版では名前のみ登場したのみだが、PS2版以降に追加登場し、OVAは断片入手時の話となっている。
ページモンスターとして顕現した際には双子の少女の姿をとる。
時間制御術式。
破壊の無事な状態にまで時間を巻き戻す、相手の攻撃を逆送りに送り返す等、時間に関わるもの全てを操ることが出来る。
ただし同じ時間制御術式により対処が出来る上に、より上位の時間制御術式には対抗できない。
機神飛翔、小説・軍神強襲とド・マリニーの時計に登場。
ページモンスターとして顕現した際には不思議の国のアリスの白兎のような意匠を持つ少女の姿をとる。
特殊
第零封神昇華呪法。
本体は中核部分にある多面体結晶であり、剣のような形状をとっているのは結晶を封じている「函」が変質した物。その異様さから「捻じ曲がった神柱」「狂った神樹」「刃の無い神剣」等と形容される。
触れた対象を異次元である偏四角多面体内へと吸収する窮極呪法兵葬だが、機体が勝手に動き出して発動し、更に発動中は一切の制御が効かなくなる。
有り得ない物質。存在しない物質。神々の禁忌。
その正体は「無限に存在する並行宇宙そのもの」を結界と化して、邪神たちの宇宙(アザトースの庭)を封じたもので、より正確には「放逐する」と言うより「吸収する」と言った方が正しい。ナイアルラトホテップにより二つに分割されてリベル・レギスにも積まれている。
邪神は触れることすらかなわない、まさに神器と言えるもの。
使う際の詠唱は「荒ぶる螺旋に刻まれた 神々の原罪の果ての地で 我らは今聖約を果たす」、「その切実なる命の叫びを胸に 祝福の華に誓って 我は世界を紡ぐ者なり」。リベル・レギスの方は形式だけ同じで内容が反対。召喚した瞬間に所有者以外の一切が行動不能となる、処刑場或いは血戦場と称される空間が展開される。
これのみ内蔵武器でもアルの断片でもなく、術者の九郎自身に依存する武器である。
後に二つのシャイニング・トラペゾヘドロンは一つに戻ることになる。(スパロボUXではファイナル・シャイニング・トラペゾヘドロンと呼称されている)
レムリア・インパクト零零零式(アインソフオウル)
シャイニング・トラペゾヘドロンの力を用いて並行世界から無数の「ありとあらゆるすべての可能性のデモンベイン(デモンベイン・アートレータ・アエテルヌム)」を一斉に召喚してのレムリア・インパクト。
虚数展開カタパルト
覇道家地下の整備格納庫の隣にあるデモンベインを地表へと転送するための装置。
対象を偏在化させ、目標の座標で元に戻すことで転送するため、座標さえわかれば理論上はどこにでも転送が可能。
使用が出来ない際や帰還時はビルで偽装されたエレベータを用いて移動する。
トイ・リアニメイター(玩具修理者)
覇道家地下の整備格納庫で使用される補修用のマシン。
メリクリウス・システマを持たないデモンベインの修復を自動的に行う。
バリエーション
デモンペイン
ドクター・ウェストが製作した偽のデモンベイン。
正式名称は「スーパーウェスト無敵ロボ28號DX」。
色は金色であり、肩の形状が異なり顔が破壊ロボのものとなっている。
基本性能は同等であり、アトランティス・ストライクといったデモンベイン固有の兵装も再現している。
レムリア・インパクトこそ再現できてはいないが、代わりとしてエルザの術式魔砲「我、埋葬にあたわず(Dig Me No Grave)」が搭載されており、遠距離戦ではオリジナルより優位となっている。
アル・アジフの断片の一つである「バルザイの偃月刀の製法に関する記述」を動力源としているが、スパロボUXに登場した際は「ニトクリスの鏡に関する記述」を動力にしている為、大量に登場するという展開となっている。
デモンベイン・ブラッド
機神飛翔に登場。
アナザーブラッドが駆る紅いデモンベイン。
ボークスのガレージキットではクロックワークファントムと融合したデモンベイン・クロックワーク・ブラッドという新形態が登場している。
デモンベイン・トゥーソード
機神飛翔に登場。
ネクロノミコン血液言語版により召喚され、二闘流(トゥーソード・トゥーガン)が使用する黒いデモンベイン。
脚部シールドが脚部前面ではなく側面にある、シャンタクが背部ではなく脚部シールドから展開する、頭部の鬣が二箇所から出るようになっているなど、様々な部分が異なるが、ある理由から基本的にはデモンベインと同一。
一部分が変形しデモンベインと同じカラーリングに変更される。
デモンベイン・アートレータ・アエテルヌム
魔を断つ永遠の剣。
軍神強襲と機神飛翔に登場。
軍神強襲
火星一つを使用した召喚陣により顕現したデモンベイン。
その姿は異なり、三対の腕と脚を有する三面六臂の巨大なデモンベインとなっている。
二つの心臓を持ち、一つは獅子の心臓で、もう一つは無限の心臓か鬼械神アイオーンのエンジン形態となっている。
遠く離れた地球上で暴れる火星人のロボを一瞬で駆逐し、果ては地球の歴史をまき戻すことで火星人の襲来自体を無かったことにするなど、並みの機械神を越える力を持つ。
因果律の操作、攻撃の余波で宇宙が崩壊する、エネルギーの存在しない停止した世界でも行動可能、終焉を迎えた存在しない世界でも行動可能など、桁外れの戦闘力を持つ。
同様の能力を持ってしまったリベル・レギスとは互角の為、千日手となってしまった上にシャイニング・トラペゾヘドロンを使用できないため、邪神は時間を巻き戻してこの時間軸そのものを「なかったこと」にしてしまい、宇宙の可能性からその存在は抹消されてしまった。
しかしその残滓はデモンベインの中に残っている。
機神飛翔
あらゆる時間・次元・可能性の宇宙から集結したデモンベインの大軍勢。
無限の世界と永遠の時間の中で有り得た、果ては有り得ない可能性のデモンベインの軍勢。
『D』
ダイン・フリークスに登場。
『邪神よりもおぞましき破壊神』と化したデモンベインの成れの果て。
大破し、右腕のみとなってしまったデモンベインで、魔導書の力は使えないが、レムリア・インパクトやシャイニング・トラペゾヘドロンは使用可能。
渦動破壊神
ニトロプラス・ブラスターズに話題のみ登場する破壊神となったデモンベイン。
あらゆる邪神を滅ぼし、ただひとつを残し全ての並行宇宙を破壊した破滅の刃。多元宇宙を因果の根本ごと破壊する究極魔法、因果昇滅呪法ウロボロス・ブラスターが使用可能。