近畿日本鉄道3200系
メイン画像の車両。電算記号はKL。
1986年に京都市営地下鉄烏丸線乗り入れ用として登場。この形式はVVVF制御やアルミ車体を本格的に採用、さらに窓配置を対称とするなどその後デビューした形式にも受け継がれている仕様が数多く盛り込まれている。従来の車両は分割併合のため貫通扉は中央にあったが、この車両は近鉄車両では珍しく分割併合を考慮していない車両である。そのため貫通扉を片側に寄せているほか、近鉄では初めて電気指令式ブレーキが採用された。
マルーンレッドとシルキーホワイトのツートンカラーを纏った現在の近鉄一般型電車(シリーズ21を除く)の塗装はこの電車が元祖である。以前はマルーンレッド1色であった。
VVVFインバータ制御装置は三菱電機の初期型GTO素子で16ビット制御回路のマイコンを採用したものを搭載している。このインバータの音は後に登場した近鉄のVVVF車とは異なり、出だしに矢継ぎ早に3回変調する。このインバータの音は1420系や7000系も該当する。
歯車比は1986年製のものが5.73、1987年以降製のものが6.31となっているが、制御装置のマイコンのプログラムにより両者の差異を吸収するため、混結しても運転に支障はない。KL01~KL03編成のモ3200形、モ3800形が5.73でそれ以外は6.31に設定されている。そのため、KL01~KL03編成の奈良方から2、3両目で音ズレを聴くことができる。起動加速度は3.0km/h/sで、営業最高速度は110km/h。
主に近鉄京都線運用のほか、間合い運用で近鉄奈良線や橿原線に顔を出すことも。当初は4両固定編成だったが1987年に増結車2両が新造された上で6両固定編成化された。1988年にはもう1編成追加新造されて、6両編成7本、計42両在籍している。運用はのちに登場した3220系と共通となっている。後年の更新工事で座席モケットが更新された他、バリアフリー設備が設けられている。
近鉄3200系の関連項目
近鉄3200系(表記ゆれ)
3220系(当系列をマイナーチェンジしたシリーズ21の車両)
山陽電気鉄道3200系
普通列車用の3000系グループのひとつで、車体は3000系、モーターは2000系のものを使用。編成は電動車2両1ユニット組み込みの条件で下で3両固定編成のみにしか組まない。当初より3200系として新造されたグループと、当初3000系として竣工し、その後モーター換装で3200系に編入されたグループの2種類がある。
山陽電車は、新車6000系を製造して3000系、3200系のうちの車齢が古いグループを置き換える予定にしている。