はじめに
ポケモンには「三値」というものがあり、その中の一つである「個体値」は生まれた時あるいは捕まえた時に既に決まっている生まれつきの数値である。
その個体値が高いポケモンを手に入れるために廃人達はこれまで孵化と厳選を繰り返していた。
しかし、対戦用の個体を作るとなると廃人達がこの厳選にあたって大きな壁があるという………
それこそがめざめるパワーの存在であった。
特定のタイプを出したいがために厳選していた時、一部のタイプは「素早さの個体値を最高(31)に出来ない」など、多くの点で妥協せざるを得なかったのである。
…SM発売までは。
概要
すごいとっくんとは、殿堂入り後にすごいオヤジと呼ばれる人物に「ぎんのおうかん」または「きんのおうかん」を渡す事により「Lv100のポケモンを鍛えて、個体値を1箇所ないし6箇所全部を最高(V)の状態にする」というもの。
「Lv100まで上げる」のは大変だが、USUMはレベルを上げやすくなっているので頑張ってみよう。
なお、ぎんのおうかんときんのおうかんを両方持っている場合はどちらを使うか聞かれるが、ぎんのおうかんを使う場合は最高になっていない個体値を一度にまとめて上げられる。
これにより、すごいとっくんで鍛えた箇所はジャッジ機能を使った際に「きたえた!」と表記され、数値もそれ相応のものになる。
ただし、あくまで個体値を擬似的に「最高の状態にする」だけであり、本当に個体値が最高に書き換えられる訳ではない。
故に、預かり屋にポケモンを預けても遺伝されるのは鍛える前の「元の個体値」であり、すごいとっくんで「きたえた!」状態になった能力は遺伝されない。
…厳選しようと低個体値のメタモンにうっかり「きんのおうかん」とか使ってしまった人は御愁傷様です。
そして気になるのは、個体値によりタイプが変化するめざめるパワーだが、これに関しては後述する。
もたらした影響
すごいとっくんにより、禁止級や準伝説のような固定シンボルも高個体値にする事が可能となった。
タマゴ厳選可能なポケモンについては第6世代から厳選環境がこの上なく改善されたためポケモン廃人からの需要は皆無と思われがちだが、むしろ現状は真逆だったりする。
前述した通り「個体値を擬似的に最高にするだけ」と言う関係上、めざめるパワーのタイプもとっくん前の元の個体値のままでタイプが変化する。
もし本当に個体値が最高に書き換えられるのなら、同様にめざめるパワーのタイプも変わってしまっただろう。
特に6Vだとこれまではめざパのタイプが悪にしかならなかったため、大きな進歩である。
これにより、以前まで理論上最速に出来なかったタイプのめざパを最速で撃てるようになった。
早い話が、エーフィやラティオスといった鋼対策のめざパ炎を持っている種族の個体をすごいとっくんにより最速で運用する事が可能となる。
…が、第6世代から「めざめるパワー」は禁止級・準伝説が属する「未発見グループ」は捕獲した際、3V以上が確定となっているため、個体値によるタイプの算出で「格闘」だけは出ないようになっている。(第6世代以降はマーク付きになっているため、マーク付きの禁止級・準伝説が格闘のめざめるパワーを持っているなら、それは改造なので絶対に受け取らないように!)
そのため、このポケモン達のめざパ格闘を出したいなら、第5世代以前からポケモンバンクで引っ張り出すしか方法が無い。(ただしVCから転送したポケモンも同じく3V以上が確定なのでやはりめざパ格闘は出ないので注意。第1世代や第2世代から来た場合、GBのマークとなっている)
幸いにも、一度送ってしまえば後はすごいとっくんでどうにでもなるため、最大の壁はそのポケモンの厳選といった所だろう。
このため廃人の間では伝説・非伝説問わずめざパのタイプによる個体値調整が必須な種族にすごいとっくんで鍛えられている。
余談
基本的にはぎんのおうかんが使われやすい。理由はきんのおうかんと違って比較的入手しやすいのと、「1箇所だけVに出来る」という都合上、必要な箇所にだけ使えるからとか。
また、中にはたまたま捕まえた色違いにも使われる事が多いが、その場合は大体きんのおうかんが使われる。
廃人にとってのメリットばかり強調されがちだが、実はエンジョイ勢にとっても嬉しい機能である。
というのは、本来個体値が高くなく、対戦はもちろんバトル施設攻略にも力不足な旅パのポケモンたちの大幅な強化が可能になったからである。
これまで縁のなかったバトル施設にも気軽に踏みこんでいけるだろう。そこで楽しめるかどうかは別問題であるが・・・。