改造実験帝国メスは、スーパー戦隊シリーズ第10作「超新星フラッシュマン」に登場する悪の組織である。
概要
大昔から宇宙を渡り歩き、命ある惑星から原生生物をさらっては改造手術を施し、改造・実験を繰り返しては、その惑星を滅亡へと追いやる狂気の一団。
その最終目的は、大帝ラー・デウスを究極の生命体にすることだが、それはデウス本人しか知らない。
首領
改造実験帝国メスの最高指導者にして謎の存在。終盤にて正体が発覚する(当該項目参照)
声を担当したのは、『ポケットモンスター』のオーキド博士でお馴染みの石塚運昇。
大博士
大博士リー・ケフレン(演:清水紘治)
メスのNo.2で、獣戦士の製作や改造を受け持つ大幹部。自らを「命の芸術家」と称し、改造生命体を「作品」とみなして、失敗すると容赦なく切り捨てる考えの持ち主だが、自らを「父」と慕うネフェルには、終盤にて情が移っていた。本人の戦闘力も低くはないが、前線に出ることはほぼ皆無だった。
後半でサー・カウラーとの確執が表面化し、彼が言い放った「お前の正体を知っている」という発言を受けてからは、自らの出生と存在意義に疑問符を抱くようになる。
そして終盤にて、デウスの正体を知り、ついには組織を乗っ取るまでになった。カウラーに明かされたその正体は、約300年前にエイリアンハンターに連れ去られた地球人の赤子であった。
3幹部
ケフレンが作り出した生命体で、獣戦士よりも高い知能と戦闘力を持っている。
レー・ワンダ
(演:広瀬和久 (現・広瀬裕)) (第1話~第47話)
巨大な翼が特徴の幹部。性格は自らを宇宙一美しいと豪語するナルシストで、ネフェルへの対抗意識を見せるなどプライドが高い。
元々は醜い5種類の宇宙生物をブレンドして生まれた存在であり、50年に一度、それらの生物のバイオリズムのシンクロが最高潮に達すると、能力が大幅に上昇する。
この時に獣戦士ザ・ギルギスと力を合わせて愛剣・キラーセイバーを作り出した。なお36話では人間に変装している。
演じたのは、「美形悪役」として名高い広瀬裕(本作では本名の「広瀬和久」名義)で、これが初のレギュラー作品となる。
妖獣士ワンダーラ
第29話から披露。度重なる作戦の失敗とガルスの敗北を目の当たりにし、ワンダがケフレンに頼んで強化手術を受けた形態。戦闘力が大幅に向上し、さらに時間を3秒間だけ止める「タイムストップ3秒殺し」という恐ろしい技も会得した。最終決戦ではザ・ワンダルと共同し永久に時間を止める技も使用している。
(演:萩原佐代子 ※本作では「萩原さよ子」名義) (第1話~第50話)
右半身が豹で、左半身が装甲の改造生命体。変装が得意で、ウルク・キルトと共に人間社会を混乱に陥れる。武器は光の鞭に変形する金属のスティックと指からの光線。
終盤では、自らを生み出したケフレンを「お父様」と呼び慕い、最終回にて彼を庇って戦死した。
演じたのは、『科学戦隊ダイナマン』でダイナピンク/立花レイを演じた萩原佐代子で、正義役と悪役を両方演じた最初の例となった。
(※ちなみに2例目は本作にてグリーンフラッシュ/ダイを演じた植村喜八郎で、『地球戦隊ファイブマン』で初代艦長シュバリエを演じた。)
妖獣士ネフェルーラ
第30話から披露。ワンダーラの強さを目の当たりにし、自らケフレンに志願して強化手術を受けた形態。幻覚が得意技で、さらに愛剣・デスブリーズを使った攻撃も見せた。
レー・ガルス
(演:内田博之) (第1話~第28話)
怪力で戦う3幹部の一角。姿は機械と融合した怪物で、人語も話せないほど他の2人より知能は劣るが、その分組織への忠誠心は厚い。
第28話にて、エネルギーフラワーの力で火炎攻撃を会得。惑星直列の影響でパワーが落ち始めたフラッシュマンを苦しめるが、ローリングバルカン2連発に耐え切れず敗北。
巨大化し再度襲い掛かるも、最期はフラッシュキングのスーパーコズモフラッシュに倒された。
準幹部
3幹部よりは下であるものの、獣戦士よりも位が高い。幹部や獣戦士のサポートなどを担当する。
ウルク
(演:長門美雪) (第1話~第45話)
狼の遺伝子から誕生した。3幹部のサポート役が主な任務で、特にネフェルと行動することが多い。キルトとは非常に仲が良く、抜群のコンビネーションを見せた。長門曰く「怖がらせ役」。最期はザ・キルトスに命を与え、消滅した。
キルト
(演:小島裕子) (第1話~第45話)
猫の遺伝子から誕生した。瞬発力と敏捷性に優れる。
最後は獣戦士ザ・キルトスに改造され、ウルクの命も受け取りパワーアップしたが、グレートタイタンのタイタンノバに倒された。
構成員
メスの尖兵達。3幹部の作戦に従事し、破壊活動を行う。
獣戦士
宇宙生物と地球の生物の遺伝子などを組み合わせて生み出される生命体。知能レベルは人間とほぼ同等だが、基本的に人語は喋らない。
名称は「ザ・○○」。
デウス獣戦士
第44話からはデウス遺伝子と、メスの幹部やエイリアンハンターの遺伝子や肉体を合成して作られ、通常の獣戦士以上のパワーを持つ。
ゾロー
メスの戦闘員で、軍隊蟻の遺伝子から生み出される。武器は口からの溶解液と両手のカギ爪。右胸にある青い心臓部が弱点で、そこを攻められると簡単に死んでしまう。
クラーゲン
地球のクラゲを元に作られた巨大生物。ローリングバルカンに倒された獣戦士に、エネルギー光線を浴びせて、再生・巨大化させる。一度ビームを発射すると、体が縮んでしまう。
最後はデウスの仮面と融合し、ザ・デーモスとなる。
エイリアンハンター
宇宙を渡り、原生生物を拉致・テロ活動を起こす傭兵部隊。ジン達5人をさらった張本人である。
(演:中田譲治) (第15話~第48話)
当該項目参照。
ボー・ガルダン
(演:岡本美登) (第43話~第48話)
カウラーの右腕的存在で、共に宇宙を荒らし回っていた。ガルダンの来訪と部下達が獣戦士に狙われたことで、カウラー達は、第三勢力へと変貌した。
ガルダンの武器は、鳶口状の棒・ガルドロッドと炸裂光線で、フラッシュマンとメスを相手に勇猛に戦う。
しかし、48話にてネフェルに捕らえられ、獣戦士ザ・ガルデスに改造されてしまう。
バウラ・ケラオ・ハグ・ホウ
カウラー配下のエイリアン達。4人のうち3人がひとまとめにデウス獣戦士ザ・タフモスにされてしまう。
メスの戦力
改造実験基地ラボー
メスの本拠である円盤型の要塞。恒星間航行能力を持つ。最期はケフレンの死と共に大爆発を起こし、メスは滅んだ。名前の由来は、「実験室」を意味する「ラボラトリー」(laboratory)から。
ラボー戦闘機
メスの戦闘機。後部に三脚を持つ。ちなみに、戦隊シリーズにおいて初めての悪の可変戦闘機である。
遺伝子シンセサイザー
獣戦士を生み出す生命合成装置。操作には極めて繊細で高度な技術と力が必要なようで、メスの中ではケフレンでしか使いこなすことができない。楽器としては使えない。
最終回、ケフレンが「この遺伝子シンセサイザーを使って、お前達の反フラッシュ現象を治してやろう」という交渉を持ちかけたが、サラはこれを拒否し、遺伝子シンセサイザーを破壊。
実は、ラボー全体のコントロール装置でもあったため、破壊したことによってラボーは崩壊していくのだった。
関連イラスト
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