「生命改造実験は命の芸術。命の芸術家にとって命を吹き込むことなど容易いことだ!」(第24話)
(デウス遺伝子を使ったからに違いない。ではなぜ、私は平気なのだ・・・? そうか!ワンダ達と私は生命構造が違うのだ! だからカウラーも、私の正体を知っていると言ったのだ。本当に私は何者なのか、つきとめねばならん)(第44話)
概要
改造実験帝国メスの大幹部。
首領である大帝ラー・デウスの片腕で、遺伝子シンセサイザーを使って獣戦士の製作や改造を一手に受け持つ。自身は本拠である改造実験基地ラボーから滅多に出ることはないが、手にした杖から光線を発射するなど、ある程度の戦闘能力も備えている。
生命改造実験を「美しく偉大な命の芸術」と信じて疑わず、自らを「命の芸術家」と豪語するなど、その才能に対する自身も並々ならぬものがある。もっともデウスからは、その真の目的に相応しいだけの能力は未だ備わっていないと見做されていたようで、このことが終盤での反目の布石の一つとなる。
また生命改造実験に用いられる生物や、その産物たる改造生命体に対しても、あくまで「材料」や「作品」としての価値しか認めておらず、無理な改造や処分も厭わないなど、命を命とも思わぬ冷酷さと狂気を兼ね備えた人物でもある。他方でケフレンを父親のように慕っていたレー・ネフェルに対しては、終盤に至って情愛にも似た感情を示すようになっていった。
物語も後半に入るとサー・カウラーとの対立が表面化し、それを通して自身の出自に対しても次第に疑念と興味を抱くようになっていく。終盤デウス獣戦士を製作するようになってからは、その際の音色で部下達が苦しむ中、自分のみが何の影響も受けなかったことでさらに疑念を深め、やがてデウス遺伝子液の出処や「大博士」という役割にまつわる真実をきっかけとして、デウスとの関係にも俄かに亀裂を生じさせてしまう。
そしてその最中、メスに反旗を翻したカウラーより突き付けられたのは、自分の正体が約300年前にエイリアンハンターに連れ去られた、それも自らがウジ虫と軽蔑していた「地球人」であったという事実であった。自身にとってはあまりに衝撃的な出自を知り、狂気の度合いをより一層深めながらも、ケフレンはこれを機にネフェルと共に謀反を起こし、遂に改造実験帝国メスを乗っ取った。
しかし、メスを我が物にした時点で既に部下の殆どは失われ、フラッシュマンとの戦いでデウス獣戦士に改造されたデウスまでもが敗れる中、フラッシュマンのラボーへの突入を許し、父のように慕われていたネフェルもまた自分を庇って倒されたことで、とうとう追い詰められてしまう。そこでようやく自分が地球人であることをフラッシュマンに明かした上で、「この遺伝子シンセサイザーを使って、お前達の反フラッシュ現象を治してやろう」と嘯き、助命を求める。
そんなケフレンに対し、今まで自分が地球人であることを知らなかったとはいえ、散々生命改造実験を通して多くの罪もない生命を弄んだことから、ただ一人イエローフラッシュ・サラに許してもらえず、遺伝子シンセサイザーを破壊されてしまう。もはやこれまでと悟ったケフレンは、破壊された遺伝子シンセサイザーを弾き鳴らしながら、爆発炎上するラボーと運命を共にしたのであった。
備考
企画当時の名称は「聖博士リー・レフレイン」。
デザインは出渕裕が担当。中東的な魔術師や錬金術師といった雰囲気を狙いつつも、舞台空間というアジトのコンセプトに従い、舞台衣装を意識した衣装デザインが志向された。また、配役が決まる前はパンキッシュな科学者風にデザインされたが、演者が清水紘治に決定した後に現在のものに描き変えられたという経緯を持つ。
出渕は後に衣装合わせの際、清水から「いやぁ、蜷川の舞台のような衣装だね」と、正しく狙い通りの感想をもらえて嬉しかったことを、後年のインタビューにおいて述懐している。
ケフレンが奏でる遺伝子シンセサイザーは、「悪の科学者にパイプオルガンを弾かせたい」という発想からの産物であり、流石にパイプオルガンを作ってもらうのは無理だったため、当時流行っていたシンセサイザーとしているが、前述した発想の名残から、本体にはパイプらしきものも配されている。
関連タグ
星王バズー←大博士リー・ケフレン/ザ・デーモス→リサールドグラー2世