彼女の名前は元々とあるアスラ王のものであった。
彼女はアスラの軍勢を撃退し、ドゥルガー王を殺害した彼女はその名を我が物とした。
彼女の起源についてのエピソードもまた、アスラと神々との戦いに関係するものである。
マヒシャ率いるアスラ軍に圧倒された神々は、自分達の中から出した光を
一つに集め、女神を誕生させた。さらに自分達の持物を彼女に持たせ、
完全武装の戦いの女神とした。彼女はシヴァから授かった三叉戟で
マヒシャを殺し「マヒシャースラマーディニ(マヒシャの殺害者)」の異名を得た。
しかしマヒシャを倒しても戦闘はさらに続いた。続くアスラとの戦いで
ドゥルガーは額からカーリー女神を出現させ、カーリーも
またこの戦闘で大活躍する。
ヒンドゥー教においてはカーリーと共にシヴァの妻パールヴァティと
同体とされ、同じ一人の女神(デーヴィー)の顕現とされる。
ネパールでは「クマリ」と呼ばれる生き神にドゥルガーが宿ると信じられている。
仏教におけるドゥルガー
彼女の異名の一つに「チュンディー」があるがこれが仏教に取り入れられ、
の一つであり、主要な変化身「六観音」の一尊である。
一方、女神としてのドゥルガー(突伽天女)の陰は薄い。
『大慈恩寺三蔵法師伝(慈恩伝)』によると、
三蔵法師が仏典を求めて天竺(インド)を訪れた際、突伽(ドゥルガー)を
崇拝する賊たちに襲われ、生贄用に殺されそうになったという。
カーリーに仕えたサッグ団を思わせるエピソードである。