概要
阪神タイガースの本拠地、春と夏の高校野球の開催地としても有名であり聖地。春と夏にはファンが全国から大巡礼を行うのが恒例行事となっている。
またアメリカンフットボールの関東と関西のチームによる大学日本一を決める「甲子園ボウル」が毎年12月の第3日曜に行われている。ちなみに社会人チームとの日本一決定戦は東京ドームで毎年1月3日に行われ、「ライスボウル」と呼ばれている。
名前の由来は開業した1924年の干支が甲子(きのえね)であったことから。
なお、1938年2月28日には特設ステージを設けてのスキージャンプ大会が行われ、何度かクイズのネタにされたことがある。
2007年シーズンオフに改修工事が始まり、2010年3月に無事改修を完了した。
JR神戸線甲子園口駅からは離れているので注意。
艦娘が1人住んでいる、マモノが棲息している、観客席の下にプールがあるといった都市伝説が存在する。
(戦前の1932年から1937年まで三塁側アルプススタンド下に温水プールが本当に存在した。また一塁側アルプススタンド下に室内運動場が作られた。現在は室内練習場に改修、ブルペンとして使用。)
球場データ
- 所在地:兵庫県西宮市甲子園町1-82
- 総面積:約38,500㎡
- グラウンド面積:約13,000㎡
- スタンド面積:約22,600㎡
- 内野スタンド:約10,100㎡/アルプススタンド:約4,800㎡/外野スタンド:約7,700㎡
- その他:約2,900㎡
- 収容人数:47,508人
- 内野:28,465人/外野:19,043人
- センター:118m
- 左右中間:118m
- 両翼:95m
- 内野:土(日本の黒土と中国福建省の白砂をブレンド)、人工芝(ファウルゾーンの一部)
- 外野:天然芝(ティフトン、ペレニアル・ライグラス)
- 照明:銀傘庇部分2基、照明塔4基(アルプス・外野ともに44m)
- ロングアーク(1,500W)504台、ナトリウムランプ(660W)208台、ショートアーク(2,000W)44台、合計756台
- 電光掲示板:3基
- スコアボード:全体で縦13m×横31.6m
- サブスコアボード:縦2.5m×横28.3m
- 甲子園ライナービジョン:縦1.2m×横249.6m(映像表示部分)
設備
スタンド
一層式でありながら47,000人以上を収容できる。外野席は他のプロ野球球団本拠地球場に比べ倍程度の大きさで、全収容人員の4割を占める。
内野スタンド、アルプススタンド、外野スタンドの3つに分かれ、スタンドとスタンドの間にはグラウンドと球場の外側を結ぶ通路があり、リリーフカーの出入りや観客の退場路として使われる。
内野スタンドとアルプススタンドの1階部分は、選手など関係者専用のスペースとなっており、2階以上は売店など観客が出入りするスペースとなっている。レフトスタンドの1階には甲子園歴史館がある。
放送席と記者席はバックネット裏最上段にある。ラジオブースなどの入り口は別の場所にあるため隔離されているが、テレビ放送席は仕切りもない中段に仮設される。
内野スタンドは銀傘で覆われている。2009年に架け替えられた4代目の銀傘はガルバニウム鋼板製で、商品名は淀川製鋼ヨドルーフ180ハゼ。
銀傘の上には、本田技研工業の子会社、ホンダソルテック製の太陽電池パネルがある。2010年に設置され、同年3月1日に稼働開始。推定発電量は年間193,000kWh。
銀傘の下にはロイヤルスイートがあり、その壁面下部にリボンLEDボード「甲子園ライナービジョン」がある。
ピッチャーズマウンドの後ろには、放水用の蛇口がある。放水に使われる水は井戸水で、試合前に7-8人の整備員が一列に並んで大型のホースで内野全体に水を撒いており、高校野球のテレビ中継で放映されている。
グラウンド
グラウンド面積約13,000㎡、中堅118m、左右中間118m、両翼95m。阪神園芸がグラウンドの整備を行う。
土は日本国内の黒土と中国福建省の白砂をブレンドしている。春は白砂を多く、夏は黒土を多くしている。
外野はフェンス際を除き天然芝である。夏芝「ティフトン」と冬芝「ペレニアル・ライグラスの」二毛作で、1年中緑の芝生でプレーできる。夏芝から冬芝へは9月下旬から10月上旬、冬芝から夏芝へは4月下旬から5月上旬。2008年まで外野ファウルラインは白線に沿って土のままであったが、阪神タイガース選手会の要望により2009年から芝が植えられている。2018年以降外野のフェンス際には人工芝が敷かれている。
ベンチはグラウンドより下に掘り下げられており、2列のプラスチック製椅子とフェンス際の座席バーの計3列ある。背もたれのない座席バーは2018年に設置され、エアコンも強化された。2008年の改修直後は当時の岡田彰布監督と赤星憲広選手会長から転落の危険性と天井の低さなどを指摘されたため、急遽再工事を行った。
スコアボード・甲子園ライナービジョン
現在のスコアボードは3代目。
メインスコアボードは真ん中に時計とボールカウント、プレーと審判団の表示がある。左右には三菱電機製LED式オーロラビジョンが1面ずつある。
開設当時は得点表示のみを行う仮設の板で、ライト寄りにあった。最大16回までしか書き記すことができず、高校野球のある試合では25回までつくられ、激闘を物語った。1934年にスコアボードをバックスクリーン後ろに設置し直した。
2代目は1934年から1983年まで使われた。スコアボード左側に選手名、真ん中に時計とボールカウント、審判団、右にスコアを表記するものだった。高さは現在のスコアボードの三菱電機広告部分程度。
選手名は球場職員の手による白ペンキを使った手書きだった。選手名は明朝体に近い書体だった。現在はその一部が甲子園歴史館に保存されている。
球場開設60年となる1984年に3代目となる電光掲示板を設置した。高さと位置は外野スタンドに合わせたもの。白色電光を用いて日本初の白黒ボードとした。スコア表示は新たに合計得点、ヒット数、エラー数も表示されるようになった。スコア部分はチーム名表示、イニング得点など部分ごとに分割されていた。スコアの下のフリーボードには、プロ野球の試合中は打者の打率とホームラン数が表示され、阪神タイガースが勝った時には「阪神タイガースの歌(六甲おろし)」の合唱時に白黒アニメーションを表示した。
1993年、右側部分が三菱電機のブラウン管式オーロラビジョンを導入し、スコア部分を含めた全面フリーボードとなり、全面カラー化された。「阪神タイガースの歌(六甲おろし)」の合唱時のアニメーションもカラー化され、リプレイ映像やコマーシャルも流れるようになった。
1997年に左側の選手名部分が三原色によるカラーブラウン管式に更新。チームの略称もしくはチーム名上下いずれかと打席に立つ打者のみ赤いラインで表示されるようになった。
2005年にオーロラビジョンがLED方式に変更された。1文字当たりのドット数は16x16から24x24に増え、491,520個のLEDで構成される。
2009年にはサブスコアボードを更新。スコア表示部がフリーボードに変更された。高校野球の時には9回までイニング表示を行うようになっている。
2010年オフに改修された際、メインスコアボードは左側もLEDフリーボードに変更され、中央下部分のプレーの記録と審判名表示が統合されLED化。試合経過時間、守備交代時間も表示されるようになった。サブスコアボードとともに上からボール、ストライク、アウトの表示に変更され、投球数も表示されるようになった。
2018年オフにはスコアボードを1面の大型ビジョンに改修する。
甲子園ライナービジョンは2009年に設置。プロ野球の試合中は、阪神タイガースの応援や選手紹介動画、CM、打席に立った選手のシーズン通算成績と当日の打席結果、数字によるボールカウント、他球場速報などを、高校野球の試合中はその日の試合結果を表示する。NTTドコモ提供で「ドコモオーエン甲子園」としてファンからの応援メッセージを表示する。
関連イラスト
外側。
スタンドにて。