解説
丸みを帯びた曲がった形状をしており、曲玉と表記されることもある。
古代日本から伝わる装身具であり、今を遡ること1万年以上前の縄文時代早期に発生し、縄文時代から古墳時代の遺跡で多く見つかる。
霊的な意味があるとされ、現在も多くの神社で神具として古代の勾玉が伝承されている。
基本的に日本固有の文化であるが、朝鮮半島南部の遺跡でも発見される事が有り、古代日本と朝鮮半島とが深い影響関係にあったことを示しているものと見られている。
語源は「曲がった玉」であり、のちに『曲(がる)』という文字にあまりいい意味が含まれていないということから、『勾』の当てているようになったという。
一般的には首飾りとしての印象が強いが、沖縄ではノロ(祝女、巫女)の祭具として今でも使用されている。
古代日本の実情を表した『三国志』『魏書』の「倭人伝」では、卑弥呼の妹で後継者であった壱與から魏の使者への献上品として翡翠の大勾玉が献上されたと記されている。
神具としての勾玉
玉は『魂(みたま)』に通じるとされ、古来より勾玉には霊的な力が宿ると信じられてきた。また三種の神器の一つに八尺瓊勾玉があるように、神前へ奉るための神具としても珍重されてきた。
同時に勾玉は『月』の象徴ともみなされ、月読命を表すとされた。
これには勾玉と月が、ともに「霊的・精神的なイメージ」を持つことから結びつけられたものである。
こうした背景から、現在でもお守りや開運アイテムとして人気があり、パワーストーンなどを加工したものが、一般量販店やネットをはじめとして各所で販売されている。
形について
以下のような諸説ある。