概要
本名は「八尺瓊五百箇御統(やさかにのいおつのみすまる)」と少し長い。日本神話の天の岩戸隠れにおいて、岩戸に隠れてしまった天照大神を呼び戻すために、真榊(マサカキ、神事に用いるための祭具)に掛けて飾るために作られた。のちに天孫降臨の際に、天照大神がニニギノミコトに、御剣と御鏡とともにこれを授けている。
『八尺』の解釈については様々に存在し、「八尺ほどもある大きなもの」とする場合と、「八尺もの長い尾(環から下がっている部分)を持つ」と解釈が分かれている。また、現存する現物は巨大な翡翠で造られた一つ玉の勾玉であるが、瓊(に)とは古くは瑪瑙のことであり、現存するものは後醍醐天皇の時代から確認されているもので、『瓊』を単に「美しい玉」と解釈する向きもあり、真相は定かではない。
天皇の皇位継承に直接的にかかわる神器であり、八尺瓊勾玉を継ぐ者が天皇となられるのが習わしとされる。
その関係から、皇家で唯一(正真正銘の本体が)所有されている神器である(他の二つである剣と鏡は、形代と呼ばれる物質的には別物であるが、霊的には同一存在の「分身」)
創作での扱い
『天の岩戸隠れ』の件を見るに登場部分があまりにも乏しく、扱う側としてもアクセサリー以外に見目がつかないため、三種の神器のなかではもっとも不遇な位置にいるのが現状である。
ただ、カプコンのアクションゲーム『大神』では、主人公・アマテラスの最強遠距離攻撃の武器として君臨しており、面目は保たれたようである。
ナムコのアクションゲーム『源平討魔伝』でも主人公『平景清』がラスボスである『源頼朝』を倒す上で必ず集めることになる『三種の神器』の一つ『八尺瓊曲玉』として登場している。ちなみに単体でも『毒状態にならなくなる』という効果があり、『namco×CAPCOM』でも平景清がストーリー途中で習得する『HP30%以下の状態で攻撃力が20%アップする』という効果の特殊スキルとして登場している。
『テイルズオブシンフォニア』ではサブイベントで戦える強敵『ソードダンサー』の戦利品として最初に落とし、『全ての状態異常を無効化するアクセサリ』である『ヤサカニノマガタマ』として登場している。
そしてオリジナル作品になるが、『freeze氷結の巫女』では作中重要アイテムである『神器』として登場し、主人公『春瑳姫きのこ』の武器として登場する。