概要
超人的な体力を有する偵察兵(警察の特殊部隊)だったが、色に狂ってサイボーグ犬・バベンスキーを助けたのがきっかけで、日本を支配するゲノム党の政策に疑念を抱き、バーチャマシン上での恋人だった「志乃」と出会うべく警察を抜ける。
極めてスケベでだらしのない性格であるが、頭の回転はかなり速く、戦術眼は卓越している。
連載開始時は暇さえあればオナニーに興じるほどスケベだったが、志乃との4年間にわたる交流で「彼女はVR上にしか存在しない幻影」であると思い込み自慰でしか抜けないEDになっていた。しかし、志乃の正体はバーチャマシンを管理するシステム「飛鳥」の整備員・小松ユリカであったことを知り、その体質を克服した。
大の時代劇好きで、『るろうに剣心』をはじめとする大戦前の剣術漫画を愛読している。
後述する通り凄まじいほどの戦闘力を有しており、200人の抜刀兵を(白鳥との協力で)2/3斬り殺す、300体に及ぶ戦闘用デザインヒューマン「フェンリル」を一日で仕留めるなどのバケモノじみた戦績を有する。
戦闘時には主に日本刀を使用するが、銃火器もスコープ無しで狙撃手を仕留めるなど超人的技能で扱う他、爆発物や戦闘機・戦車などの兵器に造詣が深く見ただけでその機能を100%使いこなせる。勿論素手での格闘技能もずば抜けて高い。
戦いのさなかにはかつての凶暴な人格が目を覚ますことがあり、そのことを志乃=ユリカに知られることを恐れ、ある時、身体を洗っている時に殺人者として血に染っているその手でいつか彼女を抱きしめる事を悲観かつ葛藤し涙していた。しかし、バベンスキーはその光景を目にして狂四郎がただの狂気の殺人マシーンではなく心を持った一人の人間である事を悟っている。
経歴
狂四郎はM型遺伝子異常者であった。ゲノム党が国民を監視するためにでっち上げたこの「由来」により、幼くして狂四郎は両親から引き離され関東厚生病院に送られていた。
しかし、この関東厚生病院とは病院とは名ばかりの実態は「少年兵訓練所」であり、外観からして要塞もしくは軍事施設にしか見えない過酷な場所であった。
日常生活で常に命を狙われ続け、地獄のような訓練を受けさせられた狂四郎は、14歳の若さで空軍少年航空隊に入隊。第三次世界大戦においては戦闘機600機撃墜、爆撃参加、特殊車両900台破損という戦績を残したが、その数限りない殺人は確実に幼い狂四郎の精神を病んでいた。
やがて狂四郎はMA(陸軍特殊部隊)に配属され、無関係の女子供に至るまで暗殺を命じられた。
こうして廃人同然となっていた狂四郎だったが、終戦に伴い軍を抜ける。遺伝子異常故に、狂四郎はその化け物のような戦績をもってしても加点されることなく単なる平巡査に島流しにされ、しかも一番過酷な敗残兵狩りを仰せつかることとなった。
何もない荒野で敵を探しては殺すというルーチンワークを続けていた狂四郎にとって、限られた国民にしか配布されないバーチャマシンは唯一の癒しであった。しかし彼はバーチャセックスを使用せず、時代劇ソフトで夢の中でも戦いに明け暮れていた。普通のバーチャマシンユーザーであれば俺TUEEEEの現実逃避に浸るためのソフトであったが、狂四郎は戦いのソフトを選び続けることで着実に「生き残るための剣術」を身に着け、それが仕事上襲い掛かってくる敵との戦いに一役買うこととなった(狂四郎世界においては銃火器の保持は軍人であっても厳罰にあたるので、原始的な武器での戦闘が一般的となっている)。
後にユリカ曰く、バーチャマシンは何でも体験できる夢のマシンでありながら、多くの男達には性処理目的で使われるのに対して狂四郎は剣の腕を磨く為に使っている事が珍しかったらしい。
余談
名前の由来はもちろん眠狂四郎である。
しかし最近、作者の弟子が描いてる漫画に「居眠り狂四郎」という敵キャラが登場している。
関連項目
おかわりもいいぞ!:作中で受けた過酷な訓練を端的に現したセリフ。