東急2020系
5000系の後継車両として開発された車両。2017年度より田園都市線向けに8500系の置き換えを目的として投入されている。田園都市線向けの車両としては5000系以来16年ぶりのフルモデルチェンジ車となった。4扉10両編成で、長津田検車区に配置され、田園都市線および乗り入れ先の東京メトロ半蔵門線・東武スカイツリーラインで運行されている。
基本的な設計はJR東日本E235系電車と共通。機器類には東急独自の仕様が見られた先代の5000系列とは異なり、機器類にも互換性がある。
外観
総合車両製作所のステンレス車標準仕様「sustina S24シリーズ」を採用したステンレス車体で、先頭部分は丸みを帯びた形状になっている。「これまでにない新しさ」を表現するため帯は一新されており、「新しい時代へ」との意味合いを込めて白を採用。これにラインカラーの緑を組み合わせている。
内装
沿線の風景をイメージしたカラーリングが多用されており、座席モケットに緑色、座席袖仕切りなどに木目調の色を採用。また座席はハイバックとなり、LCD式車内表示装置は3連でドア上だけでなく座席上にまで設置されている。また、車内防犯カメラも設置される。
機器関係
車両制御システムにはINTEROSを導入。より大量のデータを扱えるようになり、開発やメンテナンスもし易くなった。E235系と共通。
制御装置はSiC適用型MOSFET素子VVVFインバータを採用。東急では珍しい三菱製の主回路機器で、E235系とほぼ同仕様。高速域でも多パルススイッチングを行うことで、高調波磁束を低減させ、モータの効率向上を図っている。また、全ての電動車に制御装置を搭載する独立電動車方式となった。
主電動機は全閉外扇型かご形三相誘導電動機のTKM-18形。1時間定格出力140kw、定格電流108A、定格回転数2380rpmとこちらもE235系のMT79形と同仕様である。
ほか、補助電源装置・空気圧縮機・冷房装置・ドアエンジンやドアチャイムにE235系の影響が見られる。歯車比も共通の14:99=1:7.07で、6.21の5000系列と比べて低速寄り。
しかし、駆動装置はWN継手で、TD継手のE235系や5000系列よりも走行音が静かである。
更なる共通化によって、一見5000系列よりも性能が落ちてしまったかのように見える(10両編成時の定格出力が3,800kw→2800kwに低下)。
ただし、電流値がE235系よりも引き上げられており、定格速度は5000系列と同等である。定格出力が劣るからといって、実際の性能で劣る訳ではない。
東急6020系
大井町線の急行増発に伴う運用増加に合わせて、2018年より運行されている。7両編成2本が投入され、長津田検車区に配置されている。基本的なスペックは2020系と同じであるが、2020系にあった座席上のLCD式車内表示装置は省略された。ラインカラーはオレンジ系になっている。
組成変更
2018年冬に有料座席指定サービス『Q SEAT』を導入することになり、3号車のデハ6320形が別途新製されたデュアルシート車へ差し替えられた。編成から抜き取られた車両はLCD式車内表示装置を追加のうえ2020系へ編入された。
関連項目
東急田園都市線 東急大井町線 2000系・東急2000系 2020系 6000系・東急6000系 6020系 7000系・東急7000系 東京急行電鉄 東急