概要
男性(特にオタク)向けの、美少女(萌えキャラ)を登場人物としたアニメを指すことが多い。女の子が出ていても、女児向けアニメなどは萌えアニメと言われない。
その内容は作品によって大きく異なるが、多くの場合は、主人公が無個性な男性で、ヒロインなど周囲のキャラクターが女の子であるものが多い。一方、男主人公を物語の中心に置かない、或いは完全に排した百合や日常系の萌えアニメも多く登場している。
女性に向けたイケメンキャラクターが多数登場するアニメは、女主人公を中心に据えた描写が多ければ乙女系、ニアホモ(BL)描写が多ければ腐向けと呼ばれやすい(一まとめにして夢向けと呼ばれることも)。
萌えアニメは原作としてライトノベルや漫画などを持ち、それがアニメ化されるというケースが多い(完全オリジナルというケースもあるにはある)。
これは、簡単に言うならば萌えアニメは深夜に放送されることが多いため、広告収入はあまり見込めず、その関連グッズ(BD,DVDやフィギュアなど)の売り上げを収入源の多くを占めるため、萌え要素を前面に置いて売り上げを増やす必要があり、原作である程度の人気を博している方が収益が見込めるためである。
また、商業的な事情や作劇上の都合で、萌え要素を押し出すことで本来萌えアニメ的でない原作が萌えアニメへと改変されることもままある。ライトノベルや漫画を原作に持つアニメの場合は原作を超えた表現は出来ないことが多いため、実際のところストーリー性よりもキャラクター性を重視するというケースは決して少なくない。特に日常系など、ストーリーで完結させる必要のない作品はこの傾向が強い。
萌えアニメの大半は深夜アニメでもある。これは、萌え要素を前面に押し出す関係上、なかなか小さい子どもには見せられない表現(入浴シーン、水着、パンチラなど)が多々存在するためである。また、安い深夜しか放送枠が取れず、萌え要素を入れないと視聴率が稼げない時間帯の都合上、原作にないそういうシーンを無理矢理入れるケースが多い為である。
過度のエロ要素のあるアニメは萌えアニメではなくエロアニメと呼ばれることが多い。
萌えアニメの定義
その定義は非常に曖昧である。そもそもピクシブ百科事典の萌えキャラの項目を見て頂ければ分かるように、萌えキャラという定義自体も曖昧なものであり、単純に「萌えるキャラが多く登場すれば萌えアニメだ」と言ってしまうと、萌えアニメそのものの定義も非常に漠然としてくる。
さらに「萌え要素を前面に押し出した」といっても、「萌え」という概念自体が個人の主観や解釈次第である以上、価値観や嗜好の多様化もあって現代においては膨大な数の萌え要素が存在し、製作者が提示した萌えやエロだけが萌え要素ではない為、萌えの定義は難しい。
作品を構成する世界観・雰囲気・デザイン・ストーリー・演出など、キャラクター以外の部分で感じる感情にも「萌え」が存在するため、ますますややこしい。さらに視聴者層も男性だけとは限らず、男性向け~中性向けとされる作品を楽しむ女性視聴者も決して珍しくないし、その楽しみ方も千差万別である。
極端な話、作劇上の文法が明らかに「萌えアニメ的」ではなくても、視聴者個人が「萌え」を感じたアニメを「“俺にとっての”萌えアニメだ」と評する人もいるという。
よって、仮に「萌え要素が存在するアニメ=萌えアニメ」であると考えた場合はほぼ全てのアニメが萌えアニメと定義されることになりかねないし、同様に、萌えアニメでないアニメを探す方が難しくなる。
ただ、間違いないのはこのように萌えアニメの定義は非常に曖昧なものであり、あるアニメが萌えアニメかそうでないか、という議論そのものは不毛であることには注意されたい。場合によっては萌えアニメと呼ばれることを忌諱とするファンもいる。
関連タグ
燃えアニメ(同音異義語)
カイジ:「逆萌えアニメ」と宣伝されたことがある。