概要
スズキ目ベラ科の熱帯魚。インド洋や太平洋のサンゴ礁に生息し、日本では主に南西諸島に生息。また、和歌山県でも確認されている。繁殖期には群れを作って生活するが、成熟すると単独で生活するようになる。小魚や貝類などの小動物を捕食するので、性質はそれほど凶暴ではない。主に明るい時間に活動し、夜は岩陰で眠っている。
ベラの仲間では最も巨大な体躯を誇り、青緑色の体色と緑色の鱗が美しい魚だが、何と言ってもこの魚を印象付けているのは、出っ張った額と突き出した口吻であろう。その顔がかのナポレオンの帽子を思わせる事からナポレオンフィッシュという名前が付いた。和名のメガネモチノウオの由来は目元の黒いラインがメガネを掛けているように見えた事から。見た目からは連想しにくいなかなかファッショナブルな由来をお持ちのようである。
英名は『Humphead wrasse』。意味は「頭が膨らんだベラ」。そのまんますぎる…。
なお、青い個体ばかり注目されがちだが、黄褐色の個体もいたりする。(こちらはあまり注目されないが…。)
専ら水族館(上動画は鴨川シーワールド)での観賞用として飼育されているが、香港では『蘇眉』の呼称で高級魚として親しまれている。白身魚で幼魚はとても柔らかいらしい。
フィクションでは
- どうぶつの森シリーズ
『とびだせ』から登場。4月から9月に掛けて4時から21時までの時間帯に海で釣ることができる。サイズはとても大きいはずなのだが、如何せんジンベエザメを手づかみ出来てしまうどうぶつの森なのでそれほど大きく感じない。(部屋に飾る場合はその限りではないが。)また、島では1年中釣り上げることができる。
ガンビア・ベイの夏限定グラフィックにおいて、中破したガンビア・ベイのインナーに描かれている。ガンビア・ベイがナポレオンフィッシュ好きなのかどうかについては不明だが、巨乳に巨大魚を持ってきているのでボリュームとインパクトが2割り増しになっている。
日本国内ではあまり支持を得られなかった北野武監督の初期作品であるバイオレンスなカルト映画。ポスターなどのキーヴィジュアルに銛で頭が刺されたこの魚の図像が使われた。
後藤喜一と荒川茂樹が密会した水族館のシーンに登場する。押井守監督作品では魚をロゴスや無意識などの象徴として登場させるという。