概要
1991年にビクター音楽産業から発売されたファミコン用ロールプレイングゲーム。正式名称は『虹のシルクロード~ジグザグ冒険記~』。
キャラクターデザインは『ジャンプ放送局』のボンビーのモデルであるえのんことデザイナー榎本一夫氏、音楽は有名作曲家の小林亜星氏が担当。
なおシルクロードのドキュメンタリーを放映していたNHKサービスセンターが製作に協力している。
このゲームでは敵はお金を落とさず、倒すことで各国での特産物などの販売権を得るためのLP(ライセンスポイント)が手に入り、街で購入した物資をさらに高く売れる街で売った差額でお金を儲け冒険を進めていく。
しかし、シルクロードの旅に必要な消耗物資には水があり、切れてしまうと旅が続けられなくなるため計画性も重要になる。
主人公はあくまでも商人であるため戦闘においては素人であり、購入もしくは各地で手に入れた武器や防具を装備する以外に自身を強化する方法は無い。
その他、貯めたお金で荷物を運ぶ動物や傭兵を雇い、隊商を強化するシステムとなっている。
あらすじ
シルクロードのはずれにあった平和な国「リタルランド」は、悪の大臣ズルーによって王が暗殺され乗っ取られてしまった。
まだ赤ん坊であった王子にも手がかけられそうになったが、もう一人の大臣ラドリーの手引きによって乳母と共に逃がされた。
さらにラドリーは王の証である虹の鏡を7つに分け、シルクロードの各地に隠した。
それから十余年、成長した王子は旅の商人となり、故国を取り戻すために7つの鏡を集める冒険に旅立つ。
余談
えのん氏がジャンプ放送局のスタッフであったことから、週刊少年ジャンプ誌上でも開発中に紹介されたが、独自のシステムの調整に時間がかかったためか発売日がかなり延期している。
舞台はアラビア、ペルシア、モンゴル、インド、シャム、中国、???の7つの地域で、それぞれの街で流れる民族音楽調の曲が雰囲気を盛り上げている。国ごとにご当地的なイベントがあるが、エジプトのファラオから始まり、旅の途中マルコ・ポーロや孫悟空、清朝の恰好のキョンシー(ピョンシー)が登場するなど時代背景はあまり統一されていない。
えのん氏デザインの敵モンスターのグラフィックは良く考えられており、小さいドット絵でも見事に描き分けられている。
商売をしながら旅をするというコンセプトは作業ゲーム色が強く、発売当時の評価はあまり高くはなかった。
NHK交響楽団演奏による音楽CDが発売されたが、本作が商業的に失敗に終わったために幻の作品となっている。
関連タグ
サンサーラ・ナーガ:同社が発売したやはり自身を装備のみで強化し、戦闘で直接的にお金が手に入らないオリエンタルなRPG。
東方見文録:同じくシルクロードをテーマにしているが、方向性がイカレているファミコンADV。