概要
固定電話の部品のうち、通話相手の声を聞くのに用いる装置。レシーバーともいう。
電気エネルギーの状態で流れてきた音声を音響エネルギーに変換する。
現在の電話機では、送話機と一体化した「送受話器(ハンドセット)」のことを指すのが一般的である。
広い意味では、電話に限らず様々な音声通信機器の再生装置(イヤホン、ヘッドホンなど)のことも受話器と呼ぶ。
受話器と電話機の本体(筐体)とはコードでつながっていることが多いが、コードレス電話のように筐体から自由に取り外せるものもある。
受話器の使い方
固定電話で電話を掛けるときは、受話器を電話機の筐体から持ち上げてから電話番号を入力する。
送受話器の一端に(狭義の)受話器、もう一端に送話器が設置されており、電話で話すときは受話器を耳に当てて送話器に向かって声を出す。
通話を終了する(電話を切る)ときは、筐体上の定められた場所に受話器を置く。このとき乱暴に置くと、通話相手に激しい音が聞こえてしまうため、静かに置くのが基本である。
これを逆手に取って、過去の漫画やドラマ・映画などでは、電話での会話中に激高した話し手が、受話器を本体に激しく叩きつけるように置くというシーンがしばしば用いられた。通話相手にも激しい音が聞こえて、話し手が怒っていることを知らせるというわけである。
受話器のイメージ
受話器のイラストは電話機を象徴するピクトグラムとして用いられている。携帯電話の通話ボタン・切ボタンのアイコンに用いられたり、公衆電話や電話ボックスが存在していることを案内するマークになったりしている。
(筐体と受話器がセットになった電話機全体のピクトグラムが用いられることもある。)
受話器の歴史
受話器の歴史は電話機の歴史と同時に始まったが、初期(19世紀後半)の受話器の形状は現在とはだいぶん異なるものであった。当時の電話では送話器が電話機の筐体に組み込まれており、受話器は釣り鐘型・ラッパ型をしていて筐体とコードでつながっているものであった。
現在見られるような、受話器と送話器が一体化したハンドセットが登場したのは、1930年代のことである。
トリビア
ダイヤル式電話が一般だった頃は、受話器を置くと音楽が鳴り出すオルゴールが市販されていた。現在でいう保留メロディのはしりである。