概説
三共(現・第一三共ヘルスケア)の栄養ドリンク「リゲイン」のCMソング『勇気のしるし』で有名なフレーズ。
1988年の発売開始時のキャッチコピーであり、実はTVCM版とポスター・雑誌広告板とでは微妙に言い回しが違っていた(後者は「24時間、戦えるか。」)。
実際には、3,4時間ならともかく、しょっちゅう休憩なしで24時間戦ってたら、いくら企業戦士でも戦死は確実だろうとは思われるが、そこはCMなのでツッコんではいけない。
これが出た1980年代終盤当時は「サラリーマンこそ社会の花形」と、勤労礼賛の風潮が色濃く残っていた時代であり、まだまだ“企業戦士”という言葉に情熱も矜持も残っていた。
これがリストラ・人件費削減で悲鳴を上げる現在の社会となっていくと、めっきり『勇気のしるし』は時代にそぐわなくなってしまった……。
2015年にはサントリーと組んだエナジードリンク版が販売されたが、その際には「24時間戦うのはしんどいで~す」とかつてのCMのフレーズをバッサリ叩き斬る歌詞に変わり、リズムもゆる~い感じに変わっている。
ちなみに某艦隊のMっぽい娘のイラストが見られるのは、
彼女は「24時間寝なくても大丈夫」(自称)だからである。
確かに艦娘ならいけるかも知れないが、実際にやってしまうとまず間違いなく轟沈である。
ちなみに
ワンマン企業やベンチャー企業等、その他大企業の昭和世代の企業戦士と呼ばれた人などが「リゲインのテーマ」を持ち出して社員に重労働を無理強いする所もあるが、「有給休暇」や「年収アップ」と歌詞にある通り、高度経済成長期やバブル期は「頑張れば頑張っただけ、それに見合う結果(地位や名誉、褒賞など)がキチンとついてきた」時代であり、重労働に見合う(かのごとく見える)対価が有った。
このあたり(高度経済成長期やバブル期)の狂騒ぶりはネット上でも容易に調べられるので、興味があるならば調べてみよう。
…だが、時代が移り変わって年号が昭和から平成になり、その後に起きた90年代初頭のバブル崩壊後に生まれた人たちは一度も好景気を経験した事が無い世代であり、その様な人達は「頑張っても幸せになれるとは限らない」と分かっている(しかもこの世代の言い逃れではなく、実際にそういう会社ばかりだから否定のしようがない)為に、「頑張れば報われる」「俺たちの若いころは…」等と昭和世代に言われても通じないし、仮に通じたとしても影で「バブル世代が偉そうに…」と冷笑されるのがオチである(場合によってはパワハラ扱いされかねない)。
そればかりか、実際に今現在にバブル期のような働き方をしたとて大した結果はついてこないことが多いのが現状である上、そういう働き方をさせる企業は軒並み「ブラック企業」というお墨付きを受けやすい(よほど特殊な形態の仕事でない限り、基本的に24時間戦わせた時点で十分ブラックである)。
残念なことではあるが、これは社会全体が軒並み疲弊・衰退し、サービス残業に代表される賃金の未払いが常態化している昨今の日本の情勢を見れば火を見るよりも明らかであろうし、過剰に働いたところで金も地位もそれほど向上せず、いずれは使い潰されて鬱病や過労死等の悲惨な結果を招くだけ、という悲惨な話もよくある話になってしまっている時代ゆえ、なのかもしれない。
加えて、そのような重労働を礼賛するモーレツ世代の人に限って、会社では「頭の古いクラッシャー上司」扱いされて煙たがられ、家でも家族から邪見に扱われて居場所がなかったり、そもそもバブル期の頃の金遣いがやめられずに帰る家が既に無くなっていることも決して珍しくない。
自業自得と言ってやりたくなる人も多いが、そんな彼らがかつての日本経済を下支えしていたことも事実なため、気の毒と言えば気の毒な話ではある。
なお、昭和のはじめから平成になるまでの日本の経済力の推移を見ればわかるのだが、実際にはこの時代の成長度が異常なのであって、世界的に見れば今のような状態の方がむしろ(概ね)普通だったりする。
誰もがみな、良くも悪くもどこかおかしくなっていた時代だったのだろう。
関連タグ
博多藤四郎(刀剣乱舞)・・・「24時間戦えます」という台詞がある。
メタナイトボーグ改・・・秘書スージー曰く「24時間眠る事なく働き続ける無慈悲な戦闘ロボ」との事(実際はメカを装備させられただけの生身の生物)。
中川龍一郎・・・こち亀のキャラ「中川圭一」の父親。総資産100兆円越えの中川コンツェルンのトップで、「72時間働けますか」をモットーとするスーパービジネスマン。