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中性子の編集履歴

2011-08-06 00:25:51 バージョン

中性子

ちゅうせいし

原子核の構成要素のひとつ。電荷を持たない(電気的に中性)素粒子。

原子核の構成要素のひとつ。


概要

陽子とともに原子核を構成する要素のひとつで、軽水素(水素1)以外の全ての原子核に存在する。陽子とほぼ同じ(厳密にはわずかに大きい)質量を持ち、電荷を持たない。

単体では

中性子そのものは不安定な粒子であり、原子核を成していない状態では一部の例外を除き、約15分(半減期約10分)で陽子と電子、反電子ニュートリノ粒子に分裂する。

中性子線発生の仕組み

中性子単体が飛び出して中性子線となるためには核分裂反応か、重水素と三重水素の核融合反応が起きなければならない。現在の人類の科学では中性子線を得るためには核分裂を起こす装置である原子炉が必要となる。

ちなみに兵器としての場合は水素爆弾に中性子が飛び易いように工夫を加えた中性子爆弾を使うこととなる。ちなみに、この中性子爆弾というものは爆風による破壊を抑えつつ、中性子の照射により広範囲にわたり生物のみ殺し、残った施設やインフラを占領後に利用するという某アニメの自立兵器並みの外道な兵器である。

性質

電荷を持たないため観測が難しく、また物質中を通る際にα線、β線及びγ線の様に付近の物質の原子をイオン化してエネルギーを失うということがないため、何らかの原子核と正面衝突した際に働く核力以外ではエネルギーを失わない。そのため、長い飛程を持つ。このときの移動距離を平均自由行程といい、下表のような距離になる。


媒質平均自由行程
空気220[m]
1.7[mm]
重水1.54[cm]
ウラン0.35[mm]

さらに、荷電粒子と異なり、電磁場で制御するといったこともできないため、減速・進路変更・吸収といった制御は飛んでいく先に原子核を配置しなければ制御できない。また、中性子を得る手段も現在の人類の科学では核分裂反応以外にない。(重水素と三重水素の核融合反応でも中性子は出てくるが、爆弾としてしか成功していない。)

生体に対しては

中性子の照射による生体への被曝は中性子の運動エネルギー量によって異なる。そのため、同じ定義(両方とも[J/Kg])であるグレイ(Gy)とシーベルト(Sv)を換算するときは


    (定数)×n[Sv] = n[Gy]


となる。この定数は放射線荷重係数といい、下表の様になる。


運動エネルギー定数
~10k[eV]5
10k~100k[eV]10
100k~2000k[eV]20
2000k~20000k[eV]10
20000k[eV]~5

1[eV] ≒ 1.602176487×10のマイナス19乗[J]


[eV]とは「電子ボルト」といい電子1個を1[V]の電位差で加速したときのエネルギー。

[J]もエネルギーの単位で「ジュール」という。定義は1[N]の力が力の方向に物体を1[m]動かすときの仕事。

ちなみに1[N]はおよそ102[重量グラム]の力。目安としては中くらいのみかん(果物)1個を手に乗せたときに手にかかる力が大体そのくらい。

関連タグ

 核分裂 原子炉 原子爆弾 中性子星

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