双葉照彦(大神照彦)
ふたばてるひこおよびおおがみてるひこ
本項には作品のネタバレ要素がふんだんに含まれています。また未読の方やネタバレを嫌う方は閲覧にご注意ください
「つまらんことに、気づくやつだ」
概要
「ジョジョの奇妙な冒険」第4部『ダイヤモンドは砕けない』の外伝小説『TheBook』の登場人物の1人。
年齢は40歳前後。
本作のヒロインである双葉千帆及び、本作の敵スタンドである蓮見琢馬の実の父親。実は過去にたまたま元恋人の飛来明里と立ち寄った骨董品屋に置いてあった「矢じり」で傷つき誕生したスタンド使い。
旧姓は『大神(おおがみ)』。押し絵が無い為どのような容姿をしているのかは不明だが、文章によると顔にいくらか皺があり、穏やかな空気を纏ったどこにでもいそうな普通の男性らしい。
しかし、その本質は極めて利己的かつ自己中心的な性格の持ち主であり、本作で起きた事件の元凶ともいえる人物。職業は会社勤めの一級建築士だが、その裏で欠陥住宅を売りつける等の違法建築を行って荒稼ぎしており、20年前に嫉妬した織笠花恵から事実を聞かされた明里を無意識下でスタンド能力を使って十ヵ月以上監禁し、殺害した過去を持つ。
一方、そんな危険な道を歩いているのにも拘らず、結果がどう出るか分からない賭け事は出来るだけ避ける用心深い一面を持つ。
とはいっても、一部を除いて調べれば簡単に足が付く程度の悪事しか働いてはいないのだが……。
そんなあくどい事を行っている一方で、夢は自分の孫の面倒を見る幸福な老後を送る事で、妻が家を出て行った後は一人娘である千帆に対して過保護ともいえる程に愛情を注いでおり、娘もまさか父にそんな後ろ暗い過去があるとは露も知らず、父を愛していたようだ。
(もっとも、娘以外の人物に向ける感情は微妙で、琢馬にスタンド能力らしきものを語っていた際に、上記の利己的な本性を覗かせていた。)
なお、照彦自身は物語の終盤まで琢磨が自分の息子だと気づかなかったが、やはり親子だけあって血は争えないのか、肩に同じ馬の形をした痣があるほか、雰囲気やふとした仕草などがよく似ていたりする。
彼の彼女の1人であり、明里殺害の共犯者でもある織笠花恵とは高校時代、先輩後輩の仲であり、自分の“秘密”を知る者として別れた後も彼女の生活を金銭面で支えていた様だ。
自宅に千帆の恋人として現れた琢磨から謎めいた脅迫を受け、危険を感じて自身のスタンド能力で琢磨を娘から遠ざけようとするも、かつて自分が明里へプレゼントした黒い琥珀の首飾りを娘が持っていたのを見て、全てを察し絶望。
その後、どのようなやり取りがあったのかは不明だが、娘の千帆に刺殺され、翌日火事で焼け落ちた家からただ一人、焼死体で発見されるという最期を遂げた。
なお、ある方法を使って琢磨の復讐は既に完遂された後であった為、今まで彼が築き上げてきた幸福な日々は全て壊されて失うという因果応報ともいうべき報いを受けていたことが、物語の終盤に発覚している。
スタンド「メモリー・オブ・ジェット(黒い琥珀の記憶)」
飛来明里とまだ良好な関係だった頃、彼女と共に海外旅行で立ち寄った骨董屋の棚から偶然落ちて来た矢で傷ついた事で身に付けたスタンド。本人は当初自覚していなかったが、実際に能力を発現させ、更にその事を自覚したのは飛来明里を監禁した時である模様。
本人曰く、かつて自分を窮地に追い込んだ女性(明里)に敬意を表して、その出来事を忘れない為に自分に起きた“幸運”(スタンド能力)にあえて彼女からの贈り物にちなんだ名前を付けたらしい。
具体的にどのような能力かというと、本体が指定した場所に人を近付けさせない、侵入させない能力。進入禁止にされた場所は周囲の人間の方向感覚がおかしくなったかの様に、まるで最初からそんな場所が無かったかの様に不思議と誰も近付かない場所になり、認識もされなくなる。
「ある特定の人間のいる場所」を指定すれば、他の人物がどれだけ臨もうともその人物のいる場所へは近づけない様になり、「その場所にいる人物」がどれだけ音を出そうが何をしようが、周囲の人間には認知されなくなる。
要は『ドラえもん』のひみつ道具である「石ころ帽子」と同じ効果が、空間とその中にいる生き物に適用されるようなもので、攻撃力は皆無に等しいが、拉致監禁にはもってこいの能力ともいえる。
『とある魔術の禁書目録』の人払いの悪用例ともとれる。
ただし、描写から本体は勿論、鼠や猫などの一部の動物や本体が特別に指定した人物はその隔離された領域に近付き、認識できる模様。
また、能力者が普通に自宅から会社への通勤を行っていたのにも拘らず、能力が持続していた節がある為、持続力がかなりあり、射程距離も相当広いものと推測される。
(ブラックサバスのような自律型・自動操縦型のスタンドである可能性も考えられる。)
もっとも、明里が落ちた場所以外では使えない能力や、遮断・監禁以外の事が出来ない能力の類なのか、使い手の悪銭の隠匿能力の低さがスタンド使いとしてのセンスにも響いたのか、琢馬に脅迫された際は何も出来ず終いであった。
なお、照彦同様に押し絵が無い為、スタンドのビジョンは不明。
もしかするとティナー・サックスやアクトン・ベイビー、そしてバーニング・ダウン・ザ・ハウスのように明確なビジョンがないタイプのスタンドなのかもしれない。