「小僧、いい涙だ!三途の川にはそれが必要なんだよ!」
「ああ、いい匂いだ!そんだけ悲しんでくれたら俺も嬉しいぜ、ヒヒヒヒ…!」
CV:戸部公爾
データ
【身長】一の目・205㎝→二の目・51.2m
【体重】一の目・90㎏→二の目・22.5t
概要
第四幕「夜話情涙川(よわなさけなみだがわ)」に登場したアヤカシ。
右半身が虎、左半身が逆巻く波のような奇妙な姿を持ち、妖怪水虎の伝承のルーツになったとされる。
「青竹断割槍(あおだけだんかつそう)」という槍が武器で、必殺技は大波を起こす「虎津波」。
劇中での活躍
骨のシタリによって三途の川から召喚される。シタリ曰く「三途の川の水を増やすには、100人の人間の涙より、たった1人が流す深い悲しみの涙1滴の方が効果がある」との事で、ナミアヤシはその作戦に持って来いの奴らしいが……
ある日、神社で願い事をしていた良太という少年の前に現れたナミアヤシは、何事かの取引を持ちかける。驚きながらも「本当に?」と、手のひらのお守りを握り締める良太。そこへシンケンジャーが駆け付けるが、ナミアヤシは「うるせえな、俺達は友達なんだよ」と嘯き、碌に戦いもせずに逃げ去る。
何を話していたのか聞き出そうと、池波流ノ介と白石茉子は良太を探し出して問い質すも、良太は口をつぐんで答えようとしない。訳ありと睨んだ流ノ介と茉子は、良太を見張る事にした。
明日、少年野球の試合に出場する事になっている良太は、帰宅してからも思い詰めた表情でバットを振り続ける。
そして翌日の早朝、良太は家を飛び出して、昨日の神社にやってきた。そして追いかけてきた流ノ介と茉子の目の前で野球道具一式をゴミ箱に捨てた上で、「どこにいる!?見てろ、約束を果たすから!」と言いながら、神社の工事用の足場に登り始める。
今日は試合ではないのかと問う流之介と茉子に対し、「俺、もう野球やらないんだ!」と良太は聞く耳を持たない。そして現れたナミアヤシに「早くしないと約束はなしだぜ?」と催促された良太は足場から飛び降りて、怪我をしてしまう。
驚き駆け寄る流之介と茉子。しかし痛みに呻く良太を、ナミアヤシが嘲笑う。
「よーくやったな小僧!……けどな、あれはウ・ソ。嘘だ!」
愕然となり「そんな…言ったじゃないか!大切なものを捨てれば、その代わりにもっと大切なものが戻るって!」と訴える良太。彼は去年祖父を亡くしており、ナミアヤシに「野球ができなくなれば、その代わりに祖父が生き返る」という嘘を吹き込まれ、信じ込んでしまったのだ。
「バーカ!死んだ人間が生き返るかよ。お前はドブに捨てたんだ、野球も、試合も!
そして爺さんも生き返らない!ヒヒヒヒ……!」
打ちひしがれ、祖父からもらったお守りを見つめて良太は大粒の涙を流す。これこそが今回のシタリの計画。たった1人でも心からの悲しみの涙を流させ、三途の川を増水させるという目論見だった。
そんな卑劣なナミアヤシに怒りを爆発させた流之介と茉子はシンケンブルー・シンケンピンクに変身して叩きのめす。二ノ目になって巨大化し反撃しようとするナミアヤシだったが、シンケンオーのダイシンケン侍斬りで成敗された。
試合には出られなくなったが、ベンチから懸命に声を出す良太を見守るシンケンジャー達。志葉丈瑠は「思」のモヂカラを使って、一瞬ながら良太の祖父の姿を映し出す。その在りし日の笑顔を見た良太は、きっと怪我を治してレギュラーに戻ると心に誓うのだった。
今回の被害者はたった1人の少年だけ。大量破壊や殺戮を行ったわけでもない。
しかし、外道衆はこのように人の心を踏みにじるからこそ外道なのだと、強烈に印象付けたアヤカシであった。
余談
名前の由来は「波」と「あやし」から。
作品内に於いて『水虎』は川に近付いた人間に害をなす化け物らしいが、そのルーツはナミアヤシが「虎津波」で戦う様子だとされる。
声を演じた戸部氏は『特捜戦隊デカレンジャー』のリコモ星人ケバキーア以来、実に5年ぶりのスーパー戦隊シリーズ出演となった。
関連タグ
ギガノイド第2番「英雄」:6年前の怪人で、同じく子供の心を弄んで悲しみのどん底に突き落とした外道。但し、こちらはより大人数をターゲットにしている。