概要
筒井康隆があえてミステリー小説に挑戦した作品。1975年から1977年にかけて合計4編が新潮社の文芸雑誌「小説新潮」にて発表されている。
その名の通り大金持ちのぼんぼんの刑事・神戸大助が、父・喜久右衛門から託された資金を生かして事件解決に結びつける、と言う内容。
4編で打ち切られたのは、筒井がトリックを考えるのが苦手だった上、彼自身が作品のマンネリ化を恐れたがゆえであった。
主な登場人物
神戸大助(かんべだいすけ)
CV:大貫勇輔
主人公。大金持ちのぼんぼんだが、自分が金持ちであることを鼻に掛けない、いい人、のはずなのだが、金銭感覚が相当壊れている。
神戸喜久右衛門
大助の父。いわゆる金の亡者で、その人非人振りは、妻(大助の母)が、自分の事で心痛するあまり寿命を縮めてしまってもなんとも思わなかったほど。
しかしあることがきっかけで改心している様で、警察官になった大助が、犯罪捜査によって自分の築いた財産を食いつぶしてくれることに期待している。
テレビアニメ
CloverWorksの手によってテレビアニメ化されている。
2020年春アニメとして、フジテレビ、関西テレビ、東海テレビ、サガテレビ、秋田テレビ、鹿児島テレビおよびアニマックス、高知さんさんテレビ、福井テレビほかで放送される予定。
タイトルは「富豪刑事 Balance:UNLIMITED」に差し替えられる。
なお、高知さんさんテレビと福井テレビおよびアニマックス以外ではノイタミナ枠での放送となる。また、福井テレビでノイタミナ作品が放送されるのは、2009年2月下旬から同年5月初めに掛けて放送された「のだめカンタービレ巴里編」以来約11年ぶり。
もう一つの富豪刑事
本作を原案としたテレビドラマシリーズが東宝の手によって製作されており、2005年1月から3月にかけておよび2006年4月から6月にかけて、テレビ朝日系列局で放送されている。いずれも全10話。
主人公を女性の神戸美和子に置き換えるなど、原作とはかなり異なった部分があるが、原作者の筒井の許しを得ている、のならまだしも、脚本の下書きを見て「俺の書いたものはおとなしすぎた。ドラマの方が破天荒になってて素晴らしい」と思ってしまい、挙げ句の果てには「こうしたらもっとメチャクチャになっちゃうかもね」と、自分から番組関係者に入れ知恵を付けることもあったという。
出演は深田恭子、山下真司、寺島進、市毛良枝、夏八木勲ほか。なお第1シリーズには原作者の筒井も出演している。