概要
1953年から長きにわたりライセンス生産されたジープに代わるクロスカントリー車として1982年にデビュー。日本では2019年まで販売され、現在では海外専売車。陸上自衛隊制式の73式小型トラック(2代目、現在では制式対象から外され1/2tトラックに改称)の原型であり、隊内では同車も「パジェロ」の名で呼ばれる。
歴史
初代はレンジローバーやジープ・チェロキーなどの海外の乗用SUVから刺激を受けて開発され、「銀座もそのまま走れるジープ」というコンセプトだったが、当時は第2次オイルショック後の石油価格高騰の時代であり、燃費の悪さからそれほど売れなかった。が、1985年ごろから石油価格の下落で爆発的に売れ行きを伸ばし、結果としてバブル期のRV車ブームの火付け役となった。
当時は、パジェロが国内新車月間販売台数1位になった月もあり、「パジェロ」という名前がなかばRV車の代名詞的に扱われていた。中にはトヨタ店に行ってランドクルーザーの展示車を指し「あのパジェロください」と間違えた者もいたとか…
競技仕様の「パジェロエボリューション」がダカール・ラリーの四輪車部門に出走。2001年の第23回大会から2007年の第29回大会まで7連覇という圧倒的な強さを誇った。
2006年デビューの4代目はカタログ燃費で8~10km/L程度と軽油をがぶ飲みする上、 3.2Lエンジンと2トン超えの重量から税金もバカにならなかった。1990年代の終わりころから、本格的なオフローダーよりも軽く乗りやすく燃費もよいクロスオーバーSUV(三菱にもエクリプスクロスやアウトランダーなどがある)が主流になってきたこともあり、日本市場では年間1000台も売れないという有様であった。
それでも、林業などの業務用として細々と売れてはいたが、新車は山道を乗り回すには高価に過ぎる(おかげで日本の山野では製造中止から20年近く経った2代目がボロボロの状態で活躍している)上、3代目以降の肥大化したボディはとても日本の国土に合うものではなく、取り回しのよいジムニーやパジェロミニや軽トラの方が好まれている。
結局、三菱自動車は2019年4月をもってパジェロの国内販売から撤退し、海外専売車になった。そればかりか、海外向けに関しても、2021年6月までを目処に生産・販売を終了することになった。これにより約40年の歴史に幕が下ろされる事になる。
防衛省向け1/2tトラックの納品は継続する。
外部リンク
関連項目
東京フレンドパーク…最上位賞品がパジェロであった為、パジェロコールがあった。