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ソード・ワールドの編集履歴

2011-10-19 16:15:35 バージョン

ソード・ワールド

そーどわーるど

TRPGのひとつ。

グループSNE制作のTRPGシステム。


正式タイトルは「ソード・ワールド」だが、しばしば中黒(・)を抜いた「ソードワールド」の記述が見られる。pixivでもそちらのタグの方が多く使用されてしまっている。


後継として2008年に『ソード・ワールド2.0』が発表されているが、受け継いでいるのはタイトルとシステムの大まかな概要のみで、舞台・キャラクターとも互換性は低い。


この為、本項では、『ソード・ワールド2.0』を含まない従前のシステムについて解説する。


概要

システムの概要

米国発のTRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)』を参考に、TRPGがあまり浸透していなかった日本でも普及しやすいようなシステムとして、1989年に発表された。


もともと、ロールプレイングゲーム(RPG)というのはTRPGの方がその元祖なのだが、日本ではRPGと言えばコンピュータ・ゲームとしてのそれの方が、パーソナルコンピュータ用により早期に輸入され、1987年に発売されたファミリーコンピュータ用ゲーム『ドラゴンクエスト』シリーズがそのイメージを決定付けてしまっていた。

また、米国発のTRPGシステムの中には4面体、8面体、12面体、16面体、20面体といった種のダイスを要求するものが多かったが、日本では伝統的な6面体サイコロ以外のダイスは入手が難しかった事も、TRPGの日本での普及を阻害していた。


そこで日本国内でも受け入れられるよう、入門しやすく、一方でシナリオの自在性も高く、特にサプリメント(RPGシステムの拡張ルール)なしでも初心者から上級者まで扱いやすいシステムとして、グループSNEの水野良をリーダーとし、安田均、清松みゆきらのチームがGGM(グランドゲームマスター、TRPGシステムの制作・管理責任者)となって開発したものである。


出版権は一貫して富士見書房。ただしコミック単行本のみは富士見書房が撤退した為、親会社の角川書店のレーベルから発行されている。


特徴

キャラクターメイキング、及びセッション中の行動の判定を2つのダイス目に依存し、そのダイスは所謂6面体のサイコロ2つまでとする、“2d6”システムを採用した。これは『ソード・ワールド』以降日本で開発されるRPGのほとんどで採用される特徴である。


プレイヤーキャラクターの種族、身体的特徴などはプレイヤーが設定する事が出来るが、人間、及び人間社会で育ったハーフエルフの場合、その出自もダイスによって判定し決定する。

基本的な能力値はダイス目によって確定し、その後その能力に応じて技能を修得する。


画期的な点はキャラクターの各種能力を“職種”ではなく“職能”で決定する点にある。職能はファイター、シーフ、レンジャー、バード、セージ、プリースト、ソーサラー、シャーマンがあるが、経験点次第でどの技能をとる事も出来る(ただし、能力値にマッチしていないと無駄に経験点を使うだけになるが)。組み合わせによっては能力がフルに使えないパターンもあるが、基本的には複数技能を持つキャラクターを製作することになる。また、キャラクターの身分も、例えばファイター技能があるからといって専業の戦士である必要はなく、さまざまな立場が用意できる。ただし、シーフだけは盗賊ギルドに所属していないとモグリ扱いされ、官憲の取り締まりの対象ともなる為、基本的にはシーフ本職になる。


とは言え1989年と言う時節柄、お手本となった『D&D』の影響もあり、まだ勧善懲悪スタイルが基本になっており、種族としてはダークエルフが基本敵対NPC用だったり、暗黒神とされるファラリス信仰も原則禁止とされている等、2010年代の日本の価値観から見ると制約は割合と大きい。


(ファラリスは秩序の破壊者、暗黒神とされているが、実際のところ、不徳を積極的に奨励するような事は言っていない。むしろ、産業革命以降の法治・民主主義社会を勧める様な教義とも取れる。ただ、『ソード・ワールド』の世界はまだ絶対王政が当然の世界であり、その為、法と秩序を絶対視するファリスが至高神とされているのである。ただ、ユーザー側は当然戦後の日本社会が当然の主観になっている為、ガチガチで融通が利かず、異形・異質に対し攻撃性を持つファリスの方がむしろ快く思われない、所謂“ファリス・バッシング”という皮肉な現象が現れている)


これらの制限や点数計算の煩雑さが中途半端に残った事から、当初の目標は完全には達成できず、より初心者向けに明快で制約の少ないのシステムとして翔企画から『モンスターメーカーRPG』が発表される。また、上級者向けになるがサプリメント使用を前提とし、キャラクターメイキングからダイス判定要素を排除することで自由なキャラクターメイキングが可能な『GURPS』が輸入され普及する。

しかし、商業展開された国産TRPGシステムのさきがけとなり、またリプレイ集や小説等、TRPGに無関心だった層を積極的に取り込む方策が功を奏し、日本におけるTRPGの代名詞的存在、デファクトスタンダードの地位を確保するに至った。


前述の通り、2008年には後継となる『ソード・ワールド2.0』が発表され、グループSNE・富士見書房の商業展開はほぼ完全にそちらに移行した。

しかし、従前のシステムとの上位互換が図られていない為、依然として主流はこちらの従前のシステムが占めている。


世界観

舞台となる世界「フォーセリア」は、『ロードス島伝説』シリーズ、『クリスタニア』シリーズと共有する。年代的には、『クリスタニア』が最も古く、『ロードス島伝説』、『ソード・ワールド』の順になる。それぞれは数百年以上の歴史的スパンで離れている。

また、『魔法戦士リウイ』はそのまま『ソード・ワールド』の世界観、時間軸を舞台としており、キャラクターの能力・行動は原則『ソード・ワールド』のシステムに合致するようになっている。


サプリメント

公式サプリメントは『名探偵デュダ』シリーズがある。これはファンタジーTRPGシステムをベースに、ありきたりな“剣と魔法の世界での冒険”ではなく、ある程度インフラの整った都市を主な舞台として展開する、『ソード・ワールド』のシステムを使ったミステリー系シティ・アドベンチャー用サプリメントである。


1990年代中ごろ、TRPGは一旦斜陽の時代に入るが、1995年以降、日本国内でインターネットが爆発的に普及し、リアルタイムで文章会話の可能なIRCが一般でも容易に使えるようになると、GM及び各プレイヤーが自宅にいながらにして、しかも遠隔地同士でもセッションが可能になった為、日本では再び隆盛期を迎えた。『ソード・ワールド』もその恩恵に預かったが、既に初版発表から10年以上経過しているシステムの為、自分たちの好みのシナリオ作成・キャラクター作成・セッション展開の為、非公式のローカル・サプリメントが無数に誕生した。

特に多いのは、PCのダークエルフやファラリス信仰が可能になる事を前提としたものである。先述したとおり、もともと文化的に勧善懲悪は好むもののその定義がいい加減極まりないな上に、“萌え”のためならなんでもありという時代に入っていた事から、これが横行する事になった。


『ソード・ワールド』の名前を冠する出版物

前述の通り、日本人に馴染みの薄いTRPGに興味を持ってもらう為、富士見ファンタジア文庫から『ソード・ワールド ノベル』として、小説が発表されている。執筆陣の多くは、グループSNEの社員ライターである。


アニメ化はされていない(『魔法戦士リウイ』は映像化されているが、同作には『ソード・ワールド』のタイトルは冠されていない)(いや、初期のはされていた)。定期刊コミックやドラマCD等のメディアミックス展開は、公式リプレイ集第6世代「へっぽこーず」のものが僅かにあるのみである。


ノベル以外出版物

ルールブック:基本ルールブック/上級ルール(1、2)/完全版/ベーシック

ワールドガイド:アレクラスト博物誌/西部諸国ロードス島

ワールドガイドツアー:オーファンロマールファンドリアパダケイオスランド

シナリオ集:シナリオ集(1~6)/読者シナリオコンテスト「バラールの館」/PC・SFC100シナリオ集/完全版シナリオ集(1、2)

リプレイ集:第一部(スチャラカ冒険隊)/第二部/第三部(バブリーズ)/第四部(風雲ミラルゴ編)/第五部(アンマント財宝編)/デーモン・アゲイン猫の手冒険隊

新リプレイ集:新リプレイ集(へっぽこーず)/新リプレイ集next(ぺらぺらーず)/新リプレイ集Waltz

雑誌連載(読者企画):ソード・ワールドRPGアドベンチャー西部諸国シアター

CRPG版:ソード・ワールドPCソード・ワールドSFCソード・ワールドSFC2

(PCおよびSFCは「死せる神の島」SFC2は「自由人の歎き」シナリオとなる)

関連タグ

公式リプレイ集関連

スチャラカ冒険隊 スチャラカ2 バブリーズ 風雲ミラルゴ編 アンマント財宝編 へっぽこーず ぺらぺらーず Waltz 猫の手冒険隊

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