中部地方
ちゅうぶちほう
区分
中部地方は9県もしくは10県(三重県を含めた場合)もあり各県の地域差も大きいので、しばしばいくつかのグループに細分される。甲信越・北陸・東海の3地方に細分することが多いが、長野県と山梨県を指して「甲信地方」や、山梨県・長野県・岐阜県を指して「東山地方」といった区分け方もある。関東地方と甲信越3県を指して関東甲信越と呼んだり、さらに静岡県も含めた1都10県を関東甲信越静(または広域関東圏)と呼ぶこともある。
特徴
もともとは、本州から東北地方・関東地方・近畿地方・中国地方を除いた残りをひとまとめにした呼称であるため、地域全体の結びつきは弱く、各地域の文化や気候風土の共通点は薄い。地形的な特徴を挙げるなら、「日本の屋根」とも呼ばれる日本アルプスを擁する中央山岳地帯であり、日本最長の河川である信濃川をはじめ、木曽三川(木曽川、長良川、揖斐川)、天竜川といった大河を多く擁することであろう。これらのことから水資源に恵まれた地域が多い。巨大なダムや水力発電所が多く立地し、これが後述の製造業の隆盛にも繋がっている。
歴史的には、戦国時代の織田信長や豊臣秀吉、徳川家康、武田信玄、上杉謙信はいずれも中部地方の人物であり、中部を抑えてからほかの地方(中国、四国など)に目を向けているため、戦国期を語る上ではなくてはならない存在である。
現代では、愛知県・岐阜県・三重県、静岡県の東海4県は日本最大の自動車産業(完成車・自動車部品製造)地域であり、産業用ロボット、電機、航空、造船などの機械製造業、製鋼や非鉄金属、セラミックなど素材生産業が非常に盛ん。さらに北陸地方は金属加工や機械製造が盛んで、山梨県は工作機械、長野県は光学機械や時計・電子部品において日本トップメーカーの工場が並ぶ...という具合に、日本の製造業の屋台骨を支える地方である。