ようやくシャルンホルストの爺さんに、まとめて借りが返せるってもんだ
カタログスペック
頭頂高 | 18.0m |
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本体重量 | 45.0t |
全備重量 | 59.5 |
ジェネレーター出力 | 1,950kW |
スラスター総推力 | 114,000kg |
概要
型式番号RX-78AN-01。
スペースデブリ回収を請け負うブッホジャンク社が、極秘ルートで入手した機体。
ガンダムNT-1を修復・改修した機体であり、新旧様々な機体のジャンクパーツを流用してある。しかし、サイド5(旧サイド6)の戦闘で大破した頭部をはじめ、胸部やランドセルなどは、完全新造されており、ベース機とは似ても似つかぬ姿となっている。
同社が一般社会に隠れて育成、武装化を行っている私設軍隊「バーナム」、その中でも戦闘部隊の中枢を担う『強化人間』クァンタン・フェルモが搭乗し、アクシズに潜入してきた。
18m級という宇宙世紀0096年の機体としては小型のボディ(当時は20m~25m級が一般サイズ)を最大限に利用して、アクシズ狭所内での高機動戦を展開した。
ベース機は一年戦争末期に開発された“ロートル”だが、NT-1は元々全天周囲モニターを採用するなど、コクピット装備は宇宙世紀0096年の機体と比較して大きく劣るものではなく、何よりも(一面では“全盛期”にあったと言える)『17歳時のアムロ・レイの反応速度』に合わせてチューニングされた追従性は、むしろピーキーな部類に属するほどである。各部改修によりパワー・ウェイト・レシオは2倍近くにまで引き上げられており、上述の『小型(小質量)』を考慮すれば充分すぎる機体といえ、特に接近戦においては重武装機を圧倒する機体スペックを持つ。
武装
ビームライフル
νガンダムと形状がよく似た大型ライフル。更にνガンダムのライフル同様、Eパックではなくライフル本体にエネルギーを充填するエネルギーCAP型。
ビームサーベル
背部のランドセルに装備された近接武装。形状がガンダムMk-IIのサーベルと酷似する。
上述の会計監査部による調査により、宇宙世紀0084年から0088年まではティターンズの下部組織であるオーガスタ研究所(ニュータイプ研究所の一支部)が強化人間の反応速度テスト機として運用していたことが判明しているため、その時期に改修を受けた影響と推察される。
腕部90mmガトリング砲
唯一ベース機から引き継がれた武装だが、外装は変更されている。
頭部60mmバルカン砲
新造された頭部に内蔵されている機関砲。対モビルスーツには威力不足だが、牽制や迎撃等に使用されている。
元々バーナムは、エンゲイスト・ロナによる『回収作戦』のリークにより、『マスティマ』がMSを随行させずにアクシズを訪れる事を知っていたため、対人掃討としては充分であった。
バリエーション
クレヴェナール
AN-01を中枢ユニットとして組み込んだ巨大アームドベース。トリスタンとのドッキング後の形式番号RX-78KU-01となる。
AN-01同様、バーナムが秘密裏に調達した大型機動兵器。このため各種武装や外装の入手経由は、これまでのバーナム所属MSと同様に不明である。
AN-01と同じくクァンタン・フェルモが搭乗し、小惑星アクシズに現れた連邦政府直轄部隊「マスティマ」のスペースボートや、同行したアルレットとダントンを追い詰める。
フェイルノート
漫画版のオリジナル装備(宇宙世紀はあくまで映像作品が優先されるため、クレヴェナールが「正史」となる)。
AN-01の全身に増加装備を施したフルアーマー形態。
武装面は両腕・両足・背部ユニットに装備された計八基のインコムにより、火力を大きく強化しており、機動力面はバックパックを後年にクロスボーン・バンガードが開発したフィン・ノズルへと換装することで、むしろ鋭くすらなっている。
真実の一端
アクシズから帰還した『マスティマ』隊長メーメット・メルカ中尉が、政府会計監査部の知人に依頼した調査によって、ガンダムNT-1は、ティターンズ解体の折りにサナリィが接収していることが判明したが、サナリィからの返答は「サイコフレーム回収作戦」後も、自組織で保有しているというものであった。加えて、サナリィが宇宙世紀0096年前後に動かした当機運用予算についても、『機密事項』の一点張りで、開示されることは無かった。
なお、当該報告書にはAN-01の頭部外装の整備を行っている、サナリィ工廟と思わしき写真が、暗号化の上で同封されていた。
ガンプラ
2017年06月10日にHGUCで発売。特徴的な頭部やバックパックは新規造形だが……
・キット自体はHGUCガンダムNT-1の流用(2004年発売)
・全体的に色分けはさほど悪くないものの、ライフルは白単色(塗装は必須)
・基本構造はガンダムNT-1に準じているため、合わせ目が出まくるパーツ割り
・可動範囲も近年の水準からするとかなり狭い(何せ元キットは約10年前のものなので)
・プロポーションも劣悪というほどではないがトリスタンのイメージには合わないややずんぐりとした体型
……といったキット内容のため多くのユーザーから落胆の声が上がった。だが、この仕様が逆にプラモ魂(スピリッツ)に火が点いたユーザーによる改造作例も現れており、見方を変えれば脱初心者を目指すガンプラユーザーが改造・加工の練習台とするには最適かもしれない。
しかし発売から時は流れ2020年09月中旬に突然、HGUCトリスタンが注目される珍事が起こった。
発端は転売屋によるガンプラ転売が横行していたことに対する便乗ネタとして「トリスタンは隠れた名作キットなので(転売屋は)今のうちに押さえておいた方が良い」という噂を流したら突然店舗の在庫が捌けたし、転売屋はまんまと嘘に釣られて高額転売し始めてるというようなツイートが流れたこと。
このツイートがバズり、転売屋に対するヘイトが高まっているホビー界隈は「転売屋が不良在庫を処分してくれた」などと揶揄し大いに盛り上がったのだ。
なお、実際はネット上のショップでも定価あるいは定価にわずかに上乗せされた程度の価格で普通に販売されており、各オークションサイト等でも特段高額転売のような現象にはなっている様子は見られず、一例として1万5千円ほどで売られているショップが挙げられているもののその類のショップは元々様々な商品を高額で販売しているため、トリスタンのみが上記の釣りの影響で高額転売されたという証拠はない。
とはいえ全くの嘘松ツイートというわけではなく、どちらかと言えば近年の見境ない転売屋を皮肉るためのものだったという方が正しいかもしれない。