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概要

TCG「カードファイト!!ヴァンガード」のスピンオフアニメーション作品。海洋国家メガラニカ所属クラン(組織)の1つである「バミューダ△」発祥の作品で、シリーズ作品の1つとしてもカウントされている。2019年冬アニメとして放映開始。それに合わせてカードゲーム側でも本作のメインキャラを看板にした新規カードパック「プライマリー・メロディ」が発売。ヴァンガードの派生作品ではあれどカードバトル要素は皆無で、惑星クレイの戦争史ともほぼ無縁。優しさの泡に包まれた平和な作風で、その雰囲気は絵本女児アニメに近い。

物語は海底の辺境村落・パーレルを舞台に、後の人気アイドルユニット「カラフル・パストラーレ」の始まりを描く。登場人物の大半は人魚かなんらかの海洋生物であり、そのため海の底、つまりは水中で本編は進行する。……している筈なのだが、「水中でお茶を淹れる(湯気も立つ)」「水中でクラゲが乾いてしおれる」「水中で入浴する」「水中で雨が降る」など、地上同様の生活様式や自然現象が平然と描かれるのが大きな特徴。惑星クレイの海底には、水でも空気でもない謎の超物質が満ちた生物圏が存在するということなのだろうか……。あるいはSFよりも御伽噺的な想像力で、竜宮城あたりを想像するとわかりやすいかもしれない。

キャラクター原案は藤真拓哉氏。アニメ本編においては「下半身の魚鱗は作画せず省略」「貝殻や魚鱗を思わせる、丸みある三角形の虹彩部を持つ眼」といったデザインアレンジが施されている。

映像ソフトは未発売……と思われたが、本放送終了から約半年後、突如BDボックス化が発表。同年12月に無事、発売された。

あらすじ

ここはマーメイドたちが住む、海底の田舎町パーレル。

そこにはソナタ、フィナ、セレナ、キャロの4人組は毎日にぎやかにパーレルを泳ぎ回り、

フェルマの店でアルディと楽しくお茶したり、楽しく過ごしてました。

4人組がアザラシ郵便の手伝いをしているとアルディ宛に届いた大きな球状の物体をソナタが発見します。

大きな球状の中にはカノンが結晶化しており、ソナタが声をかけたとき結晶が解けカノンが現れました。

4人組とカノンの出会いと挑戦の物語はここから始まります。

登場人物

後のカラフル・パストラーレ

本作の主役となる少女達。映画館の復活を目指しながら、少しずつ成長し、互いに絆を深めていく。

ソナタ(声:武田羅梨沙多胡

「みんなが心地いいって思えれば、心地いいかなって」

いつも一緒に行動している仲良し幼馴染4人組のまとめ役。眼と鱗の色は緑色。面倒見が良く、仲間のことは気にかけるが自分のことは遠慮がちになる性格。カノンとの出会いと、閉鎖され忘れ去られていた映画館の出現により彼女の夢は動き出す。

カノン(声:平粟萌香

「その声がとても優しくて、楽しそうで……」

ある出来事から結晶化し、木箱に詰められてパーレルに荷送りされてきた都会っ子。眼と鱗の色は紫色。体格からしてソナタ達よりも年少と思われる。礼儀正しいが、同時に率直な物言いをする性格。そのためパーレルの町並みに対しても「なにもないんですね、ここ」と容赦ない感想をこぼした。ソナタによく懐いている。寝相が良い。

フィナ(声:紡木吏佐

「わたし……諦めないわたしと、諦めないセレナが好きなの!」

仲良し4人組の一人。眼と鱗の色は桃色。おとなしい性格で家庭的。料理とお菓子作りやお裁縫が得意で、よくサンドイッチを作っている。セレナとは「シェルシス」と呼ばれる、「同じ貝殻から生まれた人魚同士」であり、どちらかといえば「妹」。セレナ以外の仲間達は「ちゃん」付けで呼ぶ。ぬいぐるみをたくさん持っている一方で、実は怖いもの好き。

カワウソの「ポコ(声:松井恵理子)」をいつも連れている。

セレナ(声:遠野ひかる

「その時は見つければいい。今、決めなくていい」

仲良し4人組の一人。眼と鱗の色は水色。理屈っぽい性格で、仲間内での参謀・ブレーキ役に収まっているしっかり者。手刀によるツッコミをよく行う。「姉」としてフィナを可愛がっており、「ちゃん」付けで呼ぶ。「5」という数字に謎の愛着を持つが、理由は不明。

キャロ(声:進藤あまね

「びっくりワクワク! そんなのが観たいなって」

仲良し4人組の一人。眼と鱗の色は黄色。元気で明るい性格のお調子者だが、一方で思い詰めて抱え込んでしまう面も秘めている。年の離れた下のシェルシス「カプリ」が居るためか、幼い人魚達とも特に仲が良い。ラブカのぬいぐるみ「ラブちゃん」がお気に入り。

パーレルの人々

平和で静かなパーレル村に暮らす人々。大人達は少女達の奮闘を見守り、時に手助けする。

アルディ(声:日高のり子

パーレルの首長。本人の言によると田舎なりに仕事は忙しいらしい。彼女のシェルシスはアトランティアの都会部に住んでおり、それを通してカノンはパーレルに送られてきた。ちなみにフェルマからは少し音痴だと評されている。

フェルマ(声:井上喜久子

喫茶店「エスポワール」の店主。アルディとは親しい仲で、一番の話し相手。娯楽の乏しいパーレルでは、彼女の店のお菓子がソナタ達の数少ない楽しみとなっている。出身はパーレルではなく、遠く離れた場所であるようだが詳細は不明。

フラゼ(声:下山田綾華

珊瑚糖を製造する風車小屋(人魚の言葉では海流も「風」と呼ぶ?)の管理者。旧型の風車を今でも用いていることにこだわりを持つ。その回転は速すぎても遅すぎてもいけないらしい。

コーダ(声:高槻莉那

機械や科学技術に詳しい、発明家で僕っ娘な眼鏡さん。本職は不明。自宅にはバミューダ△アイドル達のポスターを何枚も貼っているアイドルオタク。このポスターはよく見ると既存カード絵の流用であり、「カードゲーム側の人魚アイドルが同じ世界に存在している」事を表現した演出となっている。

「アイドルとファンの間には適切な距離が必要」という考えの持ち主。

シャンテ(声:内山夕実

ひじき等の海藻を育てている農家。若い世代であるソナタ達の田舎暮らしを少し不憫に思っている。

マルトレ(声:竹内恵美子

アクセサリー屋の店主。少し派手目な化粧と装いに身を包む。都会に出て活躍中の、「マルタ」という弟子が居る。

レジェ(声:斎藤千和

未成年の人魚達が共同で暮らす寮の管理者兼、村役場の放送・雑務担当。ソナタ達も含めて、村の子供達は幼少より彼女の子守唄を聴いて育つ。ソナタ達5人とちびっこ3人組の他、まだ自力で泳げないであろう赤子(一部視聴者からは「稚魚」と呼ばれる)も3人、彼女の元に居る。

カプリ(声:松井恵理子

ちびっこ3人組の一人。キャロのシェルシスであり、そのためか眼と鱗の色も共通。腕白気質で着る服もかわいいヒラヒラより動きやすいものが好き。4話では準主役。

アデル(声:宮本侑芽

ちびっこ3人組の一人。おしゃまな泣き虫さん。

ナチュラ(声:佐藤亜美菜

ちびっこ3人組の一人。他の2人を静かに見守る事が多いのんびり屋。

村の外部の人々

村と外を行き来する立場の者や、各話のゲスト。

アザラシ郵便(声:野島裕史

都会の本局からパーレルにやって来る郵便配達員。1話では「郵便物を部外者かつ未成年のソナタ達に預ける」という、職務責任に欠ける行為を見せた。パーレルには「未成年も当番制で大人達の仕事を手伝う」という慣習があるため、それを見越した取り決めが事前に首長アルディとの間にあったのかもしれない。

1話や7話などでは背景に郵便局らしき建物が確認できるものの、彼の存在を見るに同施設が「パーレルの郵便局」として機能しているかは疑わしい。はっきりいって怠慢で、なぜか配達が大幅に遅れることも。とはいえ彼とパーレル住人とが険悪な様子はなく、致命的な遅れをすることは無いようである。

マンタ(声:松山鷹志

麦わら帽を被った、謎多きエイ風来坊。ぶらりとパーレルにやってきては去っていく。

チェル(声:大久保瑠美

7話に登場。都会から突如、パーレルにやってきた人気歌姫幼い頃からアイドルとして活躍してきたせいか、強引でワガママなお姫様気質。「プライマリー・メロディ」では、ソナタ達と共に彼女のカードも収録されている。

グラディス(声:伊藤かな恵

8話に登場。地上の孤島にやってきたソナタ達の前に現れた少女。インコの「リマ」、リクガメの「ハヌア」と一緒に島で暮らしている。

エーデル(声:川澄綾子

9話に登場。新作映画の撮影のために、撮影隊と共にパーレルにやってきた女優。パーレルでの撮影日程がギリギリであった事などから、多忙な人気女優である事が伺える。

ヴェラータ(声:平野文

11話と12話に登場。アルディのシェルシスで、彼女にカノンを預けた本来の保護者。パーレル出身だが、現在は都会部に移住している。率直な物言いをする性格であり、その点はカノンへの影響を感じさせる。

用語など

人魚

惑星クレイの海に住む、ヒトの上半身と魚の下半身を持つ女性のみの種族。寿命は人間よりも長く、外見の老化も極めて遅い(あるいは無い)模様。貝殻から生まれ、そのためか「母娘」という概念は(少なくともパーレルでは)極めて乏しい。同じ貝殻から生まれた個体同士はシェルシス(貝殻姉妹)と呼ばれ、特別な絆を持っている。

余談だが、本作同様にバミューダ△の人魚アイドルを題材とする漫画『カレン オン ステージ』では「母」や「娘」という言葉が出る。都会部では「人魚族の大人は、貝殻から生まれた子供を引き取り疑似母娘として養育する」といった社会制度があるのかもしれない(カノンとヴェラータの関係もこういったものと考えられる)。

パーレル

アトランティア海嶺の南東に位置する、人魚の村落。テレビや携帯端末の電波もほぼ圏外で、真っ当な宿泊施設なども存在しない辺境地。かつては上質なプリズムパールの採掘で栄えていた時代もあり、パーレルの名前もそれに由来する。未成年も当番制で大人の仕事を手伝う慣習がある。

特産品は珊瑚糖とひじき。

キネオーブ

宝珠を器として、映像や音声を記録・再生させる技術。主な活用法は映画だが、キネレターとしても利用できる。大きさは両手で抱え持つほどのものが主流のようだがビー玉ほどの小さなものも登場している。また、これらとは別に「クリスタルディスク」という円盤型の記録媒体も。

通常は単なる記録・再生媒体でしかないが、一時的にそれを超越した現象を見せることもあり、6話ではフィナに謎の少女(声:本渡楓)との出会いをもたらした。

パーレルにもかつては村営の映画館があったが、ソナタ達の代では閉鎖され忘れ去られた存在となっている。ちなみに隣町には最新鋭の映画館があると言及されているが詳細は不明。パーレルの僻地ぶりを見るに、距離や交通手段の都合から気軽には遊びに行けない場所だと思われる。

陸(おか)上がり

人魚が地上に出る事。「トゥインクルパウダー」と呼ばれる魔法薬を使う事で、尾ひれを脚に変化させることができ、これを「パウダリング」と呼ぶ。副作用で人語を発声できなくなってしまうが、「プリズムパール」という特殊な真珠を身につけることで同作用は克服可能。パウダリングの際、体質などにより思わぬ現象が発生することがある。

村の大人達も過去に陸上がりを体験しており、パーレルにおいては通過儀礼に位置づけられた風習である模様。中には海中ではなく地上に定住する変わり者の人魚も居るようだが……。

上述の脚と声に関する各種設定はアニメ化以前からあるもので、本作で大きく肉付けされた。

クラゲ

人魚を除けば、本作で最も目立つといって過言でない生物。地球のクラゲが持たない性質を多々、備えており「アカリクラゲ」「メメクラゲ」等の種類がある。3話ではカノンによく懐くものも登場し、どの程度の知性や感情を持つのかは不明だが、パーレルの人魚とは良き共存関係を築いているようだ。村のお祭りを描いた10話では、ある意味で真の主役な扱いになっている。

発光する性質を持つアカリクラゲは村の照明として使われているが、メガラニカの海中生活圏で一般的な利用法なのか、僻地特有なのは不明。

シャボン

本作のED主題歌。人魚の世界での絆を歌った曲であり、ED音源も「作中世界では広く知られた名曲を、アイドル達がカバーしたもの」という設定になる。7話では古い名作ミュージカル映画の劇中歌として「原曲(歌:初田悦子)」が登場し、重要な役割を果たす事に。実際のアニメED映像では各話ごとに歌い手が交代し、基本的にその話数での中心人物による歌唱がその回を締めくくる。

こういった事情から多種の同曲音源が存在し、8種類の「シャボン」が販売されている。どれを購入するか迷った場合、とりあえず5人合唱版がオススメ。

ひじき

本作は謎のひじき推しであり、毎回のように「フィナがひじきサンドを作る」「収穫されたひじきがどアップで映される」といった大小のひじき要素がある。そのため一部視聴者からは「今週のひじきノルマ」に注目されることも。

中でもひじきサンドは地味ながら重要な要素で、公式にレシピも公開されている

主なスタッフと各話一覧

原作ブシロード
監督西村純二
シリーズ構成横手美智子
キャラクター原案藤真拓哉
キャラクターデザイン橋本貴吉
アニメーション制作セブン・アークス・ピクチャーズ
話数サブタイトル主な内容ED歌唱
01『パーレルへようこそ』パーレル村と主要5人の紹介回ソナタ
02『キネオーブがこんなに』映画館復活へ動き始めるソナタ達フィナ
03『5人いっしょ』カノンとソナタ達の距離に変化がカノン
04『大胆に思い切って』セレナとフィナのシェルシス回セレナ
05『びっくりワクワク』映画館編が決着キャロ
06『あなたの名前を教えて』アルディとフェルマと不思議な出来事フィナ
07『だから全部いただくわ』都会の歌姫・チェル登場チェル
08『それはね、靴っていうの』5人の陸上がりセレナ
09『ね、君も食べる?』パーレルが映画の撮影地にキャロ
10『これ、どうやって撮るの?』村のお祭りと、始まりの昔話ソナタ
11『この曲は』カノンの元に手紙が届くが……カノン
12『小さな光となって輝いて』少女達の旅立ちカラフル・パストラーレ

カードゲームとしてのカラフル・パストラーレ

「プライマリー・メロディ」では主役の5人(グレード0と3、3には『カラフル・パストーレ』の名称が付く)とチェル(グレード1)の他、1話冒頭に登場したイリーナ(声:尾崎由香)、ラウラ(声:大塚紗英)、アネシュカ(声:西本りみ)らがカード化されている。こちらはレギュラー5人のグレード3は『旋律(メロディ)』という同じ効果を持っていれば場のユニット全員が効果を共有するという、アニメのコンセプト「みんなで一緒に」を再現した能力を持っている。チェルは旋律持ちのサポートが主となっている。

彼女たちはすべてSP以上を除いた最高レアリティのVR(ヴァンガードレア)であるため集めるのには骨が折れる。しかし集めきれなくても全種最低1枚でも一応機能する。

グレード3のカラフル・パストーレはVでも強い効果があるため推しメンバーを中心にデッキを組んでみるのも一興。もちろんリアガードでも強い効果があるため他のアイドルのデッキに混ぜることもできる。

但し気を付けたいのがPスタンダートでGユニットに超越した時、ハーツが旋律持ちのカラフル・パストーレのユニットでもGユニットが旋律を持っていなければ旋律持ちのリアガードの旋律効果を共有できない。これはハーツ自体の効果は引き継がれない超越システムの弊害が原因である。

ばみゅてれ

静岡朝日テレビにて放映された、ヴァンガードを紹介する短編映像。セレナが案内役を務める。全5回。

関連タグ

  • ぴちぴちピッチ:シリーズ構成の横手がかつて原作シナリオを手掛けた、人魚がアイドル姿で歌うアニメの先輩。ただしこちらの歌は戦闘用。とはいえ、カードゲーム的に考えればソナタ達の歌もあるいは……?

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