TYPE-MOONにおける神霊
「Fateシリーズ」の大きな要素「サーヴァント」として召喚される、神格化された歴史・伝説上の存在たる「英霊」。
それより1ランク上の存在が「神霊」であり、用語としては、初代『stay night』から語られていた。
所謂“神”そのものであり、神話や伝説でそう語られた高位の者たち。
神代において彼らは実体を持った存在であったが、現在は自然に溶け実体を失い、高次元にて虚ろな存在として世界を見守っているとされ、その点においては死者である英霊と類似している。
大きく3つに分類され、
- 自然現象が信仰対象となり神となったもの
- 元は人間(半神や神の転生体も含む)であったが様々な要因で神となったもの
- 地球外からやってきた存在がなったもの
に大別される。
基本的に"人間"が昇華された存在である英霊とは比較にならない程の力を持つが、何より最大の特徴は、世界を創造しうるレベルの力「権能」を持つことである。
神霊にとっては聖杯など必要のないものであること、聖杯の力では神霊を召喚することは相手側の合意があっても難しいことから、サーヴァントとして召喚されることは奇跡に等しいとされている。
しかし、シリーズでは様々な事情で神霊達が自らをスケールダウンさせ召喚に応じる事例が確認されている。
主に、自身の一側面だけを現世の人間と融合させた「擬似サーヴァント」として顕現するパターンが多く、自身と縁深い英霊を変質させ自らはオプションとして憑いてくるケースもある。
また、一応半神や化身などの、人間・英霊としての側面を持っている存在ならば、通常の聖杯戦争でも召喚される事は十分にあり、例としてヘラクレスやヴィシュヌ神のアヴァターラ、ロムルス等が該当する。
その場合、全ての能力は英霊/サーヴァント相当のレベルに置換された状態で現界する事になり、前述の権能も本来は別カテゴリーの力であるスキルや宝具に格落ちした状態として表れる。
議論・考察
上記のうち、三つ目の例に属するオリュンポス十二神は機械の本体を持っている為に子孫が人型をしている事に対して矛盾が発生している。これは他の地域の神話体系の要素を吸収するに辺り、別の姿になったりするといった現象や従属神が獣や人型を取る現象によるものと見られる。彼らにとって実子は「使い魔」に近い関係性だと言う。(※)
サーヴァントのスキルでわかりやすく言うなら「無辜の怪物」がそれに近いか。
一応、オリュンポスの神々本体にも交接ユニットが存在していたり、地上活動用の躯体を作るといった行動ができるのである程度生殖の矛盾についてはカバーがされている。
また、型月世界において、南米の神話体系に属する神々は地球に衝突してきた小惑星に付着していた“何か”が植物に寄生して現地動物を神に変化させる微生物となった結果誕生した。故にアステカ神話の神々は人間に乗り移って活動していたと考えられる。
当然ギリシャ以外の神話体系にも見られる現象であり、例えばメソポタミア神話のイシュタルはアフロディーテなど地中海近辺の愛の女神の形成に少なからず影響を与えている。
このようにオリジナルに他の説話の要素が付け足されて現在知られる形になるというプロセスは、現実世界の神話などにも多く見られるパターンである。
これについては英霊や幻霊の項も併せて参照されたし。