概要
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』に登場するひみつ道具の一つ。初登場エピソードはTC15巻収録「入れかえロープ」。
2人が同時にロープの両端を握ると、互いの心を入れ替えることが出来る。ただし初登場時と再登場時で効果が微妙に違っていることが特徴。
上記の「入れかえロープ」ではドラえもん達が使用し、それぞれがバラバラに入れ替わるのだが、事情を知らない周囲の人間が、入れ替わっている人間に対して気兼ねなく接したり(例えばドラえもんとジャイアンが入れ替わった場合、ジャイアンの母ちゃんは何の疑問を抱くこともなく、ドラえもんの姿になったジャイアンを引っ張って行く)、入れ替わる前の(自分の)人格と入れ替わった相手の人格が混ざっているような描写があった(作中ではのび太と野良犬が入れ替わった際、のび太の姿になった野良犬は「何だか犬になったような気がする」と言っており、野良犬らしくゴミ箱を漁っている時も「こんなことしたくないのに、ひとりでにやっちゃう」と言っており、その後は「もう嫌だ!のび太に戻ろう!」と言っている)。
しかしTC38巻収録「スネ夫の無敵砲台」、TC42巻収録「男女入れかえ物語」、TCプラス5巻収録「45年後…」で再登場を果たした際は、互いの心はそのままで身体だけを入れ替える設定になっており、使用者同士で人格が混ざったり、周囲の人間が使用者達に対して気兼ねなく接する等の描写は無くなった。
「スネ夫の無敵砲台」ではスネ夫から「無敵砲台」を取り返す為にスネ夫の体を奪ったり、「男女入れかえ物語」では元々おてんば気質があったしずかの「外で気兼ねなく遊びたい」という希望を叶える為にのび太と体を交換したり、「45年後…」では昔を懐かしむ中年ののび太の為に現代ののび太と体を入れ替える等、使用機会が多いひみつ道具になっている。
声優について
所謂「入れ替わり」シチュエーションをもたらす道具だが、大半の他作品は声優はそのままで入れ替わり対象のキャラクターを演じ分ける(『ドラえもん』で例えるなら、のび太の体になったドラえもんを、のび太役の大原めぐみ氏がそのまま演じる)ことが多い。理由は心は別人でも話す声は身体(声帯)に依存する為である。
だがアニメ版『ドラえもん』では分かりやすさを重視してか、作中のキャラクターが入れ替わると、担当声優もそのまま入れ替えられることが多く(しずかの体になったのび太を大原めぐみ氏が演じる)、上記の「入れかえロープ」や下記の入れ替わりをもたらすひみつ道具も同様の演出になっている。
なお、周囲の人々が声の不自然さ(体はしずかで精神はのび太の場合、他者から見ればのび太の声で話すしずか等)に違和感を持つ描写は、上記の「入れかえロープ」や下記の道具が登場するアニメ版では一切存在していない。
一方、精神の入れ替えを伴わない他者変身の場合、「フリーサイズぬいぐるみカメラ」や「なりきりライト」(大山のぶ代版アニメオリジナルひみつ道具)のように声も変身した対象に基づく=姿と声が一致している場合と、「変身ドリンク」のように声は元の姿のままである場合があり一定していない。
唯一、水田わさび版アニメオリジナルエピソード「ドラえもんの長い一日」では声優が入れ替えられず、互いの声優が演じ分ける(体はドラえもんだが精神は悪役という状況で、ドラえもん役の水田わさび氏がそのまま演じる)演出になっている。
関連道具
- トッカエ・バー
この棒の両端を握った者同士は、互いの心はそのままで身体だけが入れ替わる。再登場時の「入れかえロープ」と同じ効果を持つひみつ道具。
- 身がわりバー
この棒の両端を握った者同士は、互いの心はそのままで身体だけが入れ替わる。上記の「トッカエ・バー」及び再登場時の「入れかえロープ」と同じ効果を持つひみつ道具。
- とりかえミラー
手鏡のひみつ道具。
入れ替わりたい相手を手鏡に映すと、その相手の身体と自分の身体を入れ替えることが出来る。ただし、上記及び下記の道具と異なり、こちらは1分経過すると自動的に元の姿に戻ってしまう。
- いれかえミラー
大山版アニメオリジナルひみつ道具。
赤色のボタンを押して入れ替わりたい相手の姿を鏡に映すと、その相手と身体を入れ替えることが出来る。緑色のボタンを押すと元の姿に戻る。
- 入れかわリング
大山版アニメオリジナルひみつ道具。
手錠型の道具で、2つの穴に互いの手を入れると、両者の精神を入れ替えることが出来る。