概要
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』に登場するひみつ道具の一つ。初登場エピソードはTC34巻収録「変身・変身・また変身」。
ドリンク剤型のひみつ道具で、これを飲むと頭で思い浮かべた姿に変身することが出来る。効き目は6時間。初登場時と再登場時で外観及び効果に微妙な違いがあることが特徴。
上記の初登場エピソードの作中では、五本で一セットの道具となっている。これを一瓶飲んで精神を集中し、なりたい動物の姿を頭で強くイメージすると、その姿に変身することが出来る。しかし、姿が変わるまでは少し時間がかかってしまう。ドラえもん曰く「全身の細胞を作り替える必要があるから急には変身出来ない」とのこと。
また、頭で思い浮かべたイメージがいい加減だった場合、変身した姿もいい加減になってしまう。それだけでなく、変化するのはあくまでも細胞だけなので、服や身に着けている物等は変化させることが出来ない。
変身に時間がかかるという欠点はドリンクを更に飲めば解消することが可能。しかし今度は極端に変身しやすくなってしまい、他の動物の姿を一目見ただけでその動物に変身してしまう。
作中では、のび太はドリンクを飲み過ぎたせいで猫、犬、鳥、全裸のしずか、ゴキブリと色々な姿に変身してしまい、最終的にはゴキブリ姿ののび太を見たママに箒で叩かれたことで気絶し、そのショックで元の姿に戻るというオチで終わっている。
大長編版『ドラビアンナイト』の作中では、五本セットではなく一瓶のみとなっている(メイン画像参照)。
上記の初登場エピソードとは違い、こちらは一瓶飲むだけで瞬時に変身することが出来る。それだけでなくロボットであるドラえもんが服用しても効果を発揮しており、更には頭で思い浮かべた人物の服まで再現して変身している。また、初登場時のような「極端に変身しやすくなってしまう」等の欠点も無い。
その為『ドラビアンナイト』における変身ドリンクは、初登場時の変身ドリンクと比べて欠点が全て改善され、尚且つ利便性が高くなったと言えるだろう。
派生作品
水田わさび版アニメオリジナルエピソード「どら焼きが消えた日」では、ジャイアンとスネ夫がこの道具を使用し、ドラヤキ星人(頭で思い描いた架空の存在)に変身する様子が描かれている。
『新・大魔境』では、ドラえもん達が敵の監視から逃れる為にこの道具を使用し、芋(動物以外のもの)に変身する様子が描かれている。
関連道具
- 変装服
着ぐるみ型のひみつ道具。
これを着て誰かを凝視すると、服が体格を含めてその人間に変化する為、誰でもその人間に変身することが出来る。
- みがわりペンダント
鏡型のひみつ道具。
これを首からぶら下げた状態で、変身したい人物を鏡に映しながらボタンを押すと、その人物に変身することが出来る。
写真に写っている人物に変身することも可能だが、写真が白黒だった場合、変身後の姿が白黒になる。
これを飲むとしりとりをしながら色々な姿に変身することが出来る。詳しくは項目を参照。
- フリーサイズぬいぐるみカメラ
カメラ型のひみつ道具。
このカメラで人を撮影すると、被写体になった人の着ぐるみを作り出すことが出来る。この着ぐるみは文字通りフリーザイズであり、身体の大小や体格に関わらず誰でも着ることが可能。
それだけでなく着ぐるみ自体が非常に精巧な為、他者から見ると着ぐるみを着た人と本人の区別がつかない。
1996年版「フリーサイズぬいぐるみカメラ」(大山のぶ代版アニメ)では、着ぐるみを着ている間は話す声も着ぐるみのモデルになった人物と同じ声になる様子が描かれている。それだけでなく『ふしぎ風使い』では、漫画の表紙に描かれたキャラクターの写真を撮影し、そのキャラクターの着ぐるみを作り出す様子が描かれている。
- 変身リングとカード
リングに付いているホルダーに動物のカードを突っ込み、くぐるとその動物に変身できる。半分だけくぐると半分だけその動物になる。
- なりきりライト
大山版アニメオリジナルひみつ道具。
誰に変身したいかをマイクに伝え、ライトから照射される光を浴びると、その人に変身することが出来る。また、話す声も変身した人と同じ声に変わる。OFFボタンを押せばいつでも元の姿に戻ることが可能。
- 七色変化だま
大山版アニメオリジナルひみつ道具。
ビー玉のような外観であり、変身させたい物の名前を言いながら玉を人や物に投げ付けると、その物の姿に変身させることが出来る。ただし3分経つと元の姿に戻る。
- 変身ドリンク・EX
水田版アニメオリジナルひみつ道具。
変身ドリンクの亜種と言える道具で、これを飲むと頭で思い浮かべた姿、または目の前の動物の姿に変身することが出来る。しかし変身出来る回数は一度だけで、元の姿に戻りたい場合はもう一度ドリンクを飲んで元の姿を思い浮かべなくてはならない。
それだけでなく、ドラえもん曰く「何かに変身したまま6時間が経過してしまうと元の姿に戻れなくなってしまう」らしい。
また、この道具は初登場時の変身ドリンクと同様に、変化するのは細胞だけなので、服や身に着けている物等は変化させることが出来ない。
- モドキスプレー
水田版アニメオリジナルひみつ道具。
見た目だけを別の物に変化させることが出来るスプレー。例えばドラ焼きと言いながらスプレーを鉛筆削りに吹き付けると、鉛筆削りがドラ焼きに変化する。
ただし変化するのは上記の通り見た目だけなので、実際に食べることは出来ない。中身は鉛筆削りのままである為、ドラ焼きになった鉛筆削りに鉛筆を入れると通常通り機能し、鉛筆を削ることが出来る。
水田版アニメオリジナルエピソード「カニ食べたい!」では、この道具のせいでドラえもんとのび太がタラバガニの姿になってしまった。また、同アニメオリジナルエピソード「マツタケ食べたい!」にて再登場を果たし、その際はドラえもんが松茸の姿になってしまった。
変化させた物を元の姿に戻すには、専用のひみつ道具「モドリスプレー」を吹き付ける必要がある。
- 変身レプリンター
水田版アニメオリジナルひみつ道具。厳密にはドラえもんが取り出した道具ではなく、未来デパートから届いた試供品。
この道具を指先に付けて誰かに触り、精神を集中させるとその人の姿に変身することが出来る。ただし気を緩めると変身が微妙に解けてしまう。こちらも初登場時の変身ドリンクと同様に、変化するのは細胞だけなので、服や身に着けている物等は変化させることが出来ない。
しかし上記の変身系ひみつ道具と決定的に違うのは、変身した人の能力もコピーすることが出来る点である(作中ではのび太が出木杉に変身し、しずかに宿題を難なく教えていた)。
基本的には自分の姿をイメージすれば元の姿に戻ることが出来る。しかし空腹や疲労等で精神を集中出来なくなると、顔付きが勝手に変わり続けてしまい元の姿に戻れなくなってしまう。その際は道具を指から外せば変身状態が解除されて元の姿に戻ることが出来るが、のび太はこの仕様を知らなかった為に「こんな顔じゃ家に入れない!」と大慌てしていた。
関連タグ
ハダカメラ:他人に変身できるカメラの登場する作品。ただし、変身時に服が破けるという副作用がある。