自然界のバランスが崩れ、それまで人間の想像の存在でしかなかった怪獣が、本当に現れ始めました。
しかし。では、人間は…怪獣をどのように想像してきたのでしょう?
これから30分、あなたの目はあなたの体を離れ、この不思議な時間に入り込むのです…
データ
- 身長:5m(40年前) 47m
- 体重:2t(40年前) 5万8千t
- 別名:牛鬼怪獣
- 出身地:奥多摩山中
概要
第29話「怪獣は何故現れるのか」に登場。
1964年に円谷プロが制作し後に『ウルトラQ』と改題される事となる特撮番組『UNBALANCE』の撮影のため奥多摩に向かったスタッフが、古い坑道内で発見した怪獣。現地の人間からは牛鬼と呼ばれ恐れられている。
消息不明となったメンバーを探しにやってきたTVスタッフに襲い掛かったが、弱点である牙を俳優の西郷保彦に折られ撤退した。この様は本編の撮影に使っていたカメラを使って撮影していたのだが、吐き出した火炎によってフィルムが燃えてしまったため、お蔵入りになった上ゲロンガの存在も公になる事はなかった。
時は流れ現代。牙は折れたままとなっていたものの47mにも及ぶ巨体に成長し、渋谷の地下工事現場から出現した。
40年前ゲロンガに遭遇した当事者の一人であった元俳優にしてSF作家の佐橋健二は、討論番組の出演中に一連の事件を受けて「怪獣が現れるようになったのは、人が望んだからではないか」という持論を述べている。
口からは火炎を吐き、巨体を生かした圧し掛かり攻撃とキック攻撃、太く長い尻尾を武器として、ウルトラマンマックスとの戦いでもそれらの能力を生かして苦戦させた。
だが、西郷によって牙が弱点であることを聞かされていたマックスに、残った牙をマクシウムソードで切り落とされてしまい、涙を流して戦意を喪失。その後、彼によって奥多摩に送り返された。
怪獣は、なぜ現れるのでしょうか。
その答えは、ひとつではないのかもしれません…
裏話
名前の由来は『Q』の没脚本「ゲロンガ対山椒ラウス」から取られたものである。脚本を担当した小中千昭は、当初はパゴスを登場させる予定だったが、パゴスの登場回を執筆した山田正弘氏が前年に亡くなってしまい、きちんと了解を得ずに登場させるのは良くないと思い、ネロンガデザインの新怪獣をデザインするよう依頼したと語っている。
また本エピソードは放送当時40周年を迎えていた『Q』の影響を強く受けており、冒頭に書いたような『Q』を意識させるナレーションから始まり、『Q』のレギュラー陣3名が登場している。さらにこのエピソードの物語は万城目役の佐原健二氏の著書「すばらしき特撮人生」からインスパイアされたものである。
着ぐるみは『メビウス』で怪獣墓場のシーンに使用する為ネロンガに改造された後、イベント展示の為一度ゲロンガに戻され、『大怪獣バトル』で改めてネロンガに再改造された後、続く『大怪獣バトルNEO』でマグラーに改造された。
そして本来登場するはずだったパゴスも『ウルトラマンタイガ』にて再登場を果たしている。
なおゲロンガ改造のマグラー自体は現時点で最後の登場となる『ウルトラマンX』時点で着ぐるみに痛みがあったとのことで、後に登場するネロンガやパゴスの着ぐるみは新造されたものである。
第29話にはかつてウルトラQで万城目淳を演じた佐原健二氏がSF作家の佐橋健二役、戸川一平を演じた西條康彦氏が喫茶店店主の西郷保彦役で出演している。