概要
タガメ(田亀)はカメムシの一種で水生昆虫。漢字で描くと「田亀」。
鎌状の前足と鋭い口吻が特徴。怪力で獲物を抑え込み、口吻を伸ばして相手の体に突き刺して麻痺毒と体組織を溶かす消化液を流し込み、相手の肉を溶かしてから食べる
体長は約5~6cm。ほぼ日本全土に分布し、東南アジア・ロシア極東南部にも生息している。
成虫は冬になると陸に上がって落ち葉の下などで越冬する。寿命は2年とも3年とも。
泳ぎが得意だが、時たまお尻から突き出した呼吸用の管で酸素を取り込まないと窒息死する。カメムシの一種なので空を飛べる。
また、メスは全く子育てせず、水辺の草に産みつけた卵(60~120個ほど)はオスが守るのだが、別のメスがその卵を壊しオスをナンパして子孫を残そうとする事もあるらしい。
近年では環境破壊により激減し、日本では絶滅危惧種にも指定されている。
水中のみならず陸上でも獲物に向かっていく。かの虫皇帝ではクワガタの様な甲虫には負けたが、ムカデやサソリといった柔らかい体の虫には完勝や引き分けに持ち込んだ。
ただし虫皇帝が密閉空間で行われている事には留意されたし。 しかしながら、マムシを襲った事例もあるので、かなり獰猛。
人間に対しても口吻は効果があり、最悪壊死しかねないので、タガメに指や鼻を掴ませるような真似は危険。
人との関わり
大型昆虫なのでペットとしても人気がある。また東南アジアでは食べる。『禁書目録』で小萌先生が屋台のおっちゃんにメンダーって注文すると「あいよ」って出てくるし。
蒸したものをソース付けで食べたり、茹でて潰したものが料理の風味付けに使われる。
とくに雄のタガメが持つ洋ナシの様な香りは香料として利用され、メスよりも高値で取引されるらしい。