CV:徳丸完
登場話:第36話｢運命の想い出…｣
概要
暴魔獣の1体で、赤く剥き出しになった筋肉のあちこちを丸い球体が集合し、螺旋状に覆った様な姿をしており、頭部に巻いた赤い鉢巻きが特徴。先端が遺伝子を思わせる意匠となった、Y字の形の杖で武装している。
人間の記憶を好物としており、杖から放った光線で相手の記憶を奪う事が出来る。犠牲者が奪われた記憶を取り戻す為には、本人にとって最も印象深い思い出を探るしか手立てが無く、その人物を良く知る者が居なければ記憶の回復は先ず不可能である。
活躍
岬海岸で初恋の思い出に浸る俊介の前にキリカと共に出現すると、浜辺に落ちた教科書の中身と共に駆け付けた力達の記憶を奪おうとする。
変身しようとする5人をヤミマルがキリカと共に妨害する中、近くに居た子供達を逃がそうとする俊介から記憶を奪って逃走した。
太宰博士があらゆるショック療法を試しても俊介の記憶が戻らない中、俊介は10年前に「さよちゃん」と言う初恋の相手が幼い自分を手当てするのに使ったハンカチに残る海の音を感じ取りっていた。
一方、キオクボーマを捜して4人が再び磯へ赴くと、ヤミマルと共にキオクボーマが出現。変身して戦う4人をヤミマルと共に圧倒し、ブルーとブラックの2人の記憶を奪おうとするも、強化スーツに阻まれた為に未遂に終わる。
その頃、太宰研究所では俊介が姿を消していた。初恋の思い出のハンカチから追想される波音を頼りに、岬海岸の岩場にやって来ていた俊介は、同じくその場に現れたキリカに襲われていた。実はこの岩場はキリカにとっても忌まわしい場所であり、月影小夜子として生きていた幼少の頃、虐めっ子から暴力を受けていた事を拾った貝殻から思い出していた。
「月影小夜子としての幼かった私を、訳も無く虐めた醜い人間共！俊介、あの時の虐めっ子に代わり、お前がその償いをするが良い！」
完全な八つ当たりと言わざるを得ない理由で俊介を攻撃するキリカ。だが、キリカの攻撃から俊介は嘗てこの場所で虐められていたさよちゃんを助けた記憶を徐々に思い出して行く。
「やられてたまるか…！俺は記憶を取り戻す！」と叫んだ俊介が貝殻をキリカに投げ付けると、キリカは忌まわしい思い出に苛まれ、逆に俊介は全ての記憶を取り戻した。
其処へ4人が駆け付けた為、5人は改めてターボレンジャーに変身。キオクボーマはウーラー兵と共に迎え撃つが、ウーラー兵を一掃された挙句、自身も激闘の末にコンビネーションアタックからのVターボバズーカで撃破される。
直後にヤミマルの放った暴魔再生巨大化光線で巨大化再生すると、巨大戦ではターボラガーと巨大戦を交戦。バトルボールを撃ち込まれ、パンチとキック、ビッグラガーガンの連続攻撃に畳み掛けられた末、最期はラガージャンプからのスクリューラガーキックを喰らい爆散した。
戦いが終わった後、俊介は再び初恋の少女に思いを馳せていた。だが、彼は知らなかった。その初恋の相手こそ、他でも無い月影小夜子であり、流れ暴魔キリカその人だった事を。そしてそれは、キリカ自身も同じだった。
「捨て去った筈の月影小夜子にいた頃の、忌まわしい思い出め。何故俊介を葬る邪魔をした？何故だ！？」
10年前の2人の、ほんの一瞬の出会い……だが、それは俊介にとって懐かしく、キリカにとっては忌まわしい物であり、永遠に交わる事の無い記憶であった……。
余談
『百化繚乱[上之巻]』にて篠原氏は、「デザインはスーツアクターの吉田瑞穂氏と一緒に考えた」とコメントしている。
因みに持っていた杖は後のシリーズの『鳥人戦隊ジェットマン』にて、魔神ゴーグの杖にリペイントされた。
声を演じた徳丸氏は第20話のモードクボーマの声も兼任していた。次回作の『地球戦隊ファイブマン』ではクモルギン、カニギン及びカニアリギン、銀河獣アンモナイトン、そしてヒルアゲハギンの声を担当する事となる。
